すねが痛くなるシンスプリントとは……骨膜の炎症によるスポーツ障害の一種
ランニング中にすねの内側に痛みを感じるときはシンスプリントかも?
<目次>
シンスプリントの原因……運動量だけでなく偏平足や筋力も
足裏のアーチが落ちている偏平足の人はシンスプリントになりやすい?
■土踏まずのアーチが十分ではない偏平足
足の裏には地面からの衝撃を吸収するためのアーチが存在しますが、アーチが落ちてしまった偏平足の状態では、地面からの反力を直接足首やすね、膝などで吸収してしまうことになります。短い時間ではさほど影響がなくても、長い時間になればなるほど、繰り返し大きな力が加わってしまうので、すねが痛くなりやすいと考えられます。またすねの骨は、下から3分の1あたりのところで少し曲がっているのですが、この曲がり具合にも個人差があり、こうしたこともシンスプリントを引き起こす要因と考えられます。
■ランニングフォームと筋力の問題
ランニングでは片方の足で交互に体を支えることになりますが、片足で自分の体重を支えられるだけの筋力が不足していると、着地したときに、足のつま先は正面を向いた状態で、膝だけが「くの字」型に内側に入ってしまったり、体のバランスを崩してしまったりすることがあります。こうしたフォームで走り続けていると、やがて体の構造上で弱い部分により大きな負担がかかりやすくなり、すねなどに痛みを感じるようになります。
■シューズと地面の問題
ランニングは、自分の足にあったランニング専用のシューズで行うことが理想的です。ランニングシューズは前方への踏み出しがスムーズにいくように、前方へと傾斜がついているものが多く、地面からの反力に対するクッション性も考慮されています。きちんと自分の足にあったサイズを選んで履くようにしましょう。また土の地面に比べてアスファルトなど舗装された路面は硬いため、長時間走り続けているとやはりすねにかかる負担は大きくなると考えられるでしょう。
シンスプリントの初期症状・チェックと改善法
筋力不足でランニングフォームが崩れてくるとすねに負担がかかりやすい
偏平足であればアーチを改善させるために青竹踏みを使って足裏をほぐしたり、足指の運動を行ったりするケアがまず勧められますし、アスファルトの路面ばかりを走っているのであればランニングコースを変更したり、シューズのソールがすり減っていないかを確認したりすることも大切です。
ランニングフォームの崩れは筋力不足が原因かも
シンスプリントの原因が、筋力不足によるランニングフォームが崩れの場合、自分の体重のみで行う自重トレーニングによってランニングフォームを修正することが期待できます。■フォワードランジ
前に一歩踏み出すときに膝が内側に入らないようにチェックしよう
■ニーベントウォーク
つま先と膝の方向をあわせ、膝を曲げた状態を保って歩く
シンスプリントの対処法……アイシングの方法と注意点
すねに痛みを感じてシンスプリントが疑われるときは、氷や氷水などを用いて痛くなった部分を冷やすようにしましょう。時間は10~15分程度とし、痛みの感覚がなくなって氷による冷たさを感じなくなってからプラス5分を目安とします。保冷剤などを用いる場合は凍傷を防ぐため、タオルなどを使ってカバーをした上で、直接皮膚に当てないようにしましょう。痛みが強くなったり、なかなかひかなくなったりした場合はランニングを中止し、医療機関を受診するようにしましょう。すねが痛くなっても走ることはできる場合が多いのですが、そのまま放置していると疲労骨折につながることもありますので注意が必要です。楽しくランニングを継続するためにも、すねが痛くなった経験のある人は特に体の使い方、走り方などを再度チェックしてみてくださいね。
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