人生の「山」と「谷」の時期に、自信はアップダウンする
人生の「山」と「谷」の時期につかんだものが、自分の人生を物語る
しかし、人生の「谷」の局面はいつ訪れるか分かりません。順調に歩んでいたつもりでも、外発的な要因によって思いがけない落とし穴にはまってしまうこともあります。
人生の「山」の時期に強い自信を持っていた分、逆境である「谷」に落ちた時には極限まで自信が揺らぎ、「今までの人生は何だったのだろう?」とアイデンティティの危機に陥ってしまうこともあります。
自分の「強み」と「レジリエンス」を見過ごしていませんか?
しかし今、この瞬間を生きているということは、自己研鑽に励みながら特技や実績、長所といった「強み」を形成し、社会で生きていける実力をつけてきたためです。また、人生の「谷」の時期を乗り越えた経験により、苦難を克服できる力「レジリエンス」を身につけてきたためです。「レジリエンス」については、「しくじり先生に学ぶ!逆境から這い上がる人の4つの力」「沈んでも折れない復活力「レジリエンス」の高め方」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
しかし毎日をあわただしく生きていると、自分の「強み」や「レジリエンス」に気づかずに過ごしていることが多いのではないかと思います。
「ライフライン」チャートで人生の「山」と「谷」を振り返る
そこで、ここでは自分の人生を振り返り、自分の「強み」と「レジリエンス」を理解するワークをやってみましょう。下の表は「ライフライン」と呼ばれる人生の満足度、充実度を可視化するチャートです。図のように自分の人生を振り返りながら、「山」と「谷」のライフラインを描いてみましょう。恥ずかしながら、下図は一例として私自身のライフラインです。こうしてみると、我ながら結構な「山あり谷あり」の人生です。
たとえば、私は子ども時代には厳しい家庭の雰囲気の中で育ってきました。まさに子ども時代は人生の「谷」だったのかもしれません。こうした生活の中、私は「いつか自由に生活するぞ!」という夢をもって生きてきたことで、「谷」から「底なし沼」へと落ち込むことなく、人生の難局を切り抜けてきたわけです。
この経験が私の「レジリエンス」を育てる経験となったように思います。
一方、私は20代に転職を重ねて編集と執筆の技術を磨き、30代で独立をしました。さらにカウンセラーとしての資格や経験も重ね、著書の出版や講演の仕事の機会にも恵まれました。この間、結婚と育児も経験し、仕事と家庭との両立も経験しています。
このように、自信をもってできる専門分野とキャリアを身につけ、家庭人としても人生の幅を広げてきたことが、私の「強み」でもあります。
「山」で強みを伸ばし、「谷」でレジリエンスを育てる
みなさんの人生にも、「山」と「谷」があると思います。「山」の時期に人は「強み」をぐんぐん伸ばして、成功体験と実績を重ねていきます。一方で「谷」の時期には、「レジリエンス」をぐんぐん育てて、難局を乗り越える力を鍛えているのです。ぜひ、みなさんも自分自身の「ライフライン」を描いてみてください。そして、人生の「山」の時期にどんな「強み」を伸ばし、「谷」の時期にどのようなレジリエンスを発揮して難局を乗り越えてきたのかを振り返ってみましょう。
こうして時折自分の人生を振り返る時間をもつと、これからの人生を自信をもって送る心構えができていくものと思います。