カロリー信仰に縛られず、健康な腸を保つ習慣を!

腸内細菌がダイエットのカギを握る!?

腸内細菌がダイエットのカギを握る!?

ここ数年、「腸活」「腸内フローラ」などが頻繁に取り上げられ、腸が健康だけでなく、ダイエットや美容にも深い関わりがあると注目されるようになりました。

特に、美容意識が高い人の間では、低カロリーの食事を摂ることより、腸内細菌を整える食事をとるほうが結果的に「健康的で痩せやすい体質を作れる」という声もあります。

今回は、まだまだ知られていないことのほうが多い腸内細菌について、解説しながら、腸内細菌を味方につけて痩せやすい体質をつくる方法を紹介したいと思います。


ダイエット成功のカギは腸内細菌にあり!

複雑な体の仕組みを最新の科学研究の成果を通して解き明かし、ダイエットの神話を一掃しようという本『ダイエットの科学―「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(ティム・スペクター著、白揚社 ※以下『ダイエットの科学』)でも、腸内細菌とダイエットについて言及されています。
低脂肪ダイエットで効果がある人がいる一方で、高脂肪な食事をとっても大丈夫な人もいるし、それで健康に悪影響を受ける人もいる。

また、糖質をたくさん摂取しても太らない人もいれば、同じ量の糖質からより多くのエネルギーを取り込んで、太ってしまう人もいる。

こうした個人差の理由を考えるうえで鍵となるのが腸内細菌をはじめとする微生物の働きである。

出典:『ダイエットの科学ーー「これを食べれば健康になる」のウソを暴く』(ティム・スペクター著、白揚社)

つまり、体質に合う食事、体質に合うダイエットというのは人それぞれの腸内細菌によるものであるという意見です。ガイドの私も自分の腸内細菌の働きを味方にすることは、ダイエットにいい影響を及ぼすと考えています。

その実例として同著で紹介されているのが、遺伝子がまったく同じ一卵性双生児のウエストサイズがかなり違い、片方だけが太りやすい体質になってしまった、というケースです。片方が、成長段階の2年間抗生物質を飲み続けたことにより、2人の腸内細菌が赤の他人と言えるくらい違ってしまったことが原因だとしています。

では、「腸内細菌が変われば、肥満は改善するのか?」ということについてはまだ研究段階で諸説ありますが、同著では、痩せやすい腸内環境の人の大便を移植して腸内細菌を共有する「糞便移植」で、いわゆる痩せ菌を移植する方法は、今後ヒトの肥満治療に使われるようになるのでは? としています。

「生まれつき太りやすい体質だから」「肥満体質なのは遺伝だから」と諦めるのではなく、成人後であっても意識して腸内細菌を変えれば、太りにくくなったり、痩せやすくなったりすることも有りうるのではないでしょうか。


腸内細菌とは? 痩せ菌を増やすダイエットの原理とは

想像を絶する数と種類の腸内細菌が住んでいます!

想像を絶する数と種類の腸内細菌が住んでいます!


そもそも腸内細菌とはなんでしょうか?

人間の体には500兆~1000兆個の微生物(腸内細菌)がいて、種類は500~1000種と見積もられ、重さは1.5~2kgあると考えられています

ただ、現代人の腸内細菌は激減傾向にあり、40~50代男性の量は、戦前の3分の1にまで落ち込んでいるそうです。その原因として、野菜を食べる量や腸内細菌のエサとなる食物繊維の摂取量の減少、食品添加物やストレスが挙げられます。

前述の『ダイエットの科学』の中でも、「1万5000年前、私たちの祖先は1週間に150種類程の食品を定期的に摂取していたという。現在はそれが20種類未満になっており、すべてとはいわないまでも、その多くが人工的に製造されたものだ」と書かれ、腸内細菌が減り、腸内環境が悪化する要因には、食事が大きく関係しているようです。

腸内細菌は食べ物を消化するだけでなく、カロリーの吸収をコントロールしたり、生命維持に必要な酵素やビタミンを供給する役割があり、さらには免疫系を正常に保つ働きもあります。

さらに、肥満型や痩せ型にはそれぞれ特定の菌が多くあり、腸内細菌によって「太りやすいか、痩せやすいか」を左右する可能性があるとわかってきました。それが世に言われる「痩せ菌を増やす」ということなのです。

遺伝子によって決まる体質と違い、腸内細菌は流動的なので、食べ物、生活習慣、ストレスなどによってそのバランスが変動します。そこで次からは、豊かな腸内細菌を育て、ダイエットに効果的な痩せ菌を増やす食材を紹介します。


痩せやすい腸内細菌をつくる食材

ヨーグルトやチーズは本物を!

ヨーグルトやチーズは本物を!


『ダイエットの科学』の中では、「摂取する食品の種類を増やすことが腸内細菌の手助けとなる」としていて、特に、果物、オリーブオイル、ナッツ、野菜、豆類などを挙げ、成分としては、食物繊維やポリフェノールを意識し、また、食べ物の種類を増やすために、年間を通じてその時々の旬の果物や野菜を食べるようにすると良いとしています。

また、発酵食品であるチーズやヨーグルトは有益な効果を与えてくれるもので、スペインで行われた研究(8000人の男女を6年半にわたり追跡調査)では、
「脂肪を取り除いていないヨーグルトを消費した場合にわずかな減量効果が見られた。少なくとも1日一皿のヨーグルトを食べれば、肥満のリスクを40%減らせる。つまり、乳製品からのカロリー摂取の割合を増やしても、従来考えられていたような体重増加につながらないばかりか、数キロ体重を落としたいときに効果を発揮することが示された」としています。

ただし大事なことは、加工食品や低脂肪と謳っていたり、原材料が多すぎる食品は避けること。伝統的な製法で作られたチーズや脂肪が入ったヨーグルトを選ぶようにして、本物ではないものは避けるようにしましょう。

ダイエットを意識すると、どうしても脂肪ゼロやカロリー半分という商品を選びがちです。カロリーや脂質を抑えたいときに上手に活用するのは良いのですが、腸内環境を整えるという観点では、その食品が「本物」で、「生きた微生物を含んでいる」ということのほうが重要です。

例えば、昔の人は多くがスリムでしたが、実は1回の食事量やカロリーは現代に比べて多いぐらいでしたが、保存技術や流通の問題から、かなり食事が不規則で、季節により食事内容が大きく変わっていました。間欠的断食、つまり、食事を短い時間に集中させて食事の間隔をあける「8時間ダイエット」、カロリー摂取量を通常の25%に制限する日を週に2日つくる「5:2ダイエット」、特定の食材を数ヶ月絶つ食事法(肉断ちダイエットなど)は、食事の多様性について認識を高めるのに役立つという意見もあります。これらが、現代における「ダイエット法」と合致するのが興味深いですね。


痩せやすい腸内細菌をつくるための心得

摂取する食品の種類は多く!

摂取する食品の種類は多く!


さらに、腸には頭部以外で2番目に広大な神経系があることから、第2の脳と呼ばれています。それを考えれば、私たちは自分の腸にもっと耳を傾け、腸が喜ぶ食材をバラエティ豊かに摂るように心掛ける必要があるのも納得です。

そのためにも、自分の腸に住む細菌を庭の手入れをするよう世話することが大事だとし、庭の土に肥料を与えるようにプレバイオティクス(食物繊維やオリゴ糖類)等の栄養を与え、プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌)等の新しい種をまきましょう。

そうすれば、腸内細菌の数が増えて多様性が最大限に高まり、腸が健全で豊かな状態になることで、ダイエットや美容・健康にも役立つでしょう。

【参考資料】

 




※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ダイエットは個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮したうえで、正しい方法でおこなってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。