ココナッツオイルに次ぐトレンドオイル「ギー」!
注目の「ギー」とは、インド発祥のバターオイル
「ギー」は、英国『TIME』誌が選ぶ世界でもっとも健康にいい食品50に選定されたこともあり、海外ではマドンナやカーダシアン姉妹を始めとするセレブや、日本ではローラがインスタグラムで紹介するなど、健康志向でトレンドに敏感な人達が美容法として取り入れています。
そこで今回は、ココナッツオイルの次にくると注目オイル「ギー」について、その特徴や栄養成分、美容やダイエットに活用したいときの食べ方や取り入れ方、レシピなどをくわしく紹介します。
「ギー」とは?
「ギー」とは、インド発祥のバターオイルで、牛、水牛、ヤギなどのミルクでできたバターから、水分やタンパク質を取り除いた純度の高いオイルのことをいいます。そんな「ギー」は5000年前から神聖なオイルとされていて、伝統医学であるアーユルヴェーダやマッサージとしても使用されるほか、ヒンドゥー教の礼拝では神像を清めたり、お供え物にされるなど、宗教的な儀式にも使われてきた大切なオイルです。
さらに、バターに比べて腐敗しにくく、酸化しにくいのが特徴なので、保存食としても古くから作られてきました。
「ギー」の栄養成分
アーユルヴェーダでは万能オイルと言われる「ギー」
では、なぜ低カロリーなわけではない「ギー」がダイエットや美容・健康に役立つのか? その理由としては、以下の栄養素が大きく関係しています。
・中鎖脂肪酸
・短鎖脂肪酸
・共役リノール酸
・ビタミンA
・ビタミンE
ダイエットや美容・健康効果を高める栄養素について解説します。
■中鎖脂肪酸
中鎖脂肪酸は、摂取すると小腸で分解・吸収され、速やかにエネルギー源として使われるため、脂肪として蓄積されにくくなります。
中鎖脂肪酸の多いココナッツオイルについて、最近では「実は健康に良くないのでは?」という意見も出ていますが、美容の観点や適度な範囲での使用(1日30cc以内)を考慮すれば良いと言えるでしょう。もちろん、無理して必要以上に摂取することはありません。
■短鎖脂肪酸
短鎖脂肪酸は、中鎖脂肪酸よりも分解されやすく、体脂肪になりにくい脂肪酸の一つです。ギーに含まれる短鎖脂肪酸の「酪酸」という成分が腸内環境を整えてくれます。酪酸は、他のオイルには含まれない乳製品特有の成分です。
短鎖脂肪酸はヒトの大腸で食物繊維やオリゴ糖などが発酵する際に生成されるのですが、食事等で摂取することでさらにその働きをサポートできます。
■共役リノール酸
共役リノール酸は、脂肪の分解や燃焼に不可欠な酵素「ホルモン感受性リパーゼ」に働きかけて、脂肪燃焼を促進します。また、筋肉の成長を促して代謝を高めるため、脂肪が燃えやすく、脂肪を溜めにくい体を作ります。
■ビタミンA
油に溶ける性質を持った「脂溶性ビタミン」の一つで、粘膜や肌の新陳代謝を促し、肌の健康を維持します。
■ビタミンE
ビタミンEは「若返りのビタミン」と呼ばれる「脂溶性ビタミン」の一つ。抗酸化作用が高いため、アンチエイジング効果が期待できます。
「ギー」の効果
正しい摂取方法でダイエットや健康にも期待!
■ダイエット効果
「ギー」に含まれる栄養素には脂肪分解、燃焼、抑制、代謝アップなど、ダイエットを効率的に行うために作用する成分が豊富に含まれています。
■腸内環境を整える効果
酸性に弱い悪玉菌の増殖を抑えることができるので、ダイエットには重要な腸内環境を整えたい人にもおすすめです。前述の通り、ギーに含まれる酪酸は、腸内の善玉菌の増殖を促す効果もあります。
免疫細胞の70%が腸内にいるこるため、腸内環境を整えれば、ダイエットだけでなく健康や美容の面にも役立ちます。
■アンチエイジング効果
ギーに含まれるビタミンA、ビタミンE、共役リノール酸は抗酸化作用があるため、体内の酸化、つまり「サビつき」を防止し、肌の健康を維持し、ハリ・ツヤを保つ効果も期待できます。
※出典:「ギー」の栄養成分、効果効能
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3215354/
http://www.healthline.com/nutrition/ghee#section4
「ギー」の食べ方・食事への取り入れ方
まずは食べ方を紹介しましょう。「ギー」はインドの伝統医学であるアーユルヴェーダでは、健康的な消化活動をサポートすると言われていて、海外セレブのコートニー・カーダシアンは毎朝最初にギーを飲んで摂取し、代謝を上げるように心がけているそうです。
ただし、摂取することで、胸やけや炎症、発疹などの症状があらわれた場合は使用を中止しましょう。
■白湯、ホットミルク、コーヒー、ココアに
朝の白湯やホットミルクなどにギーを小さじ1杯加えます。また、コーヒーに混ぜればバターコーヒーになりますし、ココアに混ぜると濃厚な風味が楽しめます。
■トーストやパンに
いつものトーストやパンにバターやマーガリンの代わりとしてギーを使えば、バターを凝縮したような甘く香ばしい香りを楽しめます。
■サラダのドレッシングに
オリーブオイルを活用するのと同じ感覚でサラダにかけて使うと、コクがあるのにさっぱりと食べることができます。
■調理用の油に
炒め油の代わりにしたり、風味付けにかけたり、様々な料理に使えます。
■避けた方がいい組み合わせ、食べ合わせ
アーユルヴェーダでは「ギー」を摂取する際、ハチミツや魚を同時に摂取すると、それぞれの作用が打ち消しあったり、相性が良くないと言われています。
ガイドは、コーヒーにギーを混ぜた「バターコーヒー」を朝飲むことが多いのですが、これを飲んだ日は昼過ぎまで空腹感をあまり感じることがありません。また、ドレッシングに加えるなど継続して取り入れることで、腸の調子が良く安定しているように感じます。
「ギー」の塗り方や、美容やボディケアへの取り入れ方
次に、美容の活用法を紹介します。敏感肌などの場合は、事前にパッチテストをすると安心です。塗布することで、肌に炎症、発疹などの症状があらわれた場合は使用を中止しましょう。■マッサージオイルに
顔を優しくマッサージし、終わったら拭き取るか軽く洗い流すと、保湿効果を実感することができます。
■まぶたに塗る
目の疲れを感じるときはまぶたに薄く塗るのもオススメです。
■おでこに塗る
温めたギーをおでこに塗ると、鎮静作用が働きリラックスできます。
ガイドは、眼精疲労が気になった際に、まぶたとおでこにギーを塗るようにするのですが、甘い香りを感じながらリラックスすることができます。
「ギー」の作り方
自分で作ってみるのもオススメです
【材料】
・発酵無塩バター
・鍋(アルミ製の鍋は避ける)
・油こし紙(キッチンペーパーや清潔なガーゼ)
・ギーを入れる耐熱容器(煮沸消毒しておく)
【作り方】
1. 発酵無塩バターを鍋に入れる
2. 弱火でゆっくり溶かす
3. 水分やタンパク質が泡となって出てきたら、フツフツする状態で引き続き煮詰める
4. 20分ほど経過すると少しずつ透明になりなすが、引き続き煮詰める
5. 30分から40分経過して小さな細かい泡が出てきた際、茶色の沈殿物と黄金色の液体が見えたら火を止める
6. 油こし紙でろ過し、冷めたら完成
【注意】
・濁ってしまうので煮詰めている間は混ぜない
・保存容器のフタは完全に冷めてからする
【保存方法】
高温多湿、直射日光を避け、常温保存で2か月から3か月程度で使い切る
「注目のギーとは! ギーのダイエット効果と取り入れ方」は以上です。
古くから活用されている「ギー」は栄養価が高く、ダイエットや健康にも効果的に活用できます。ただ、たくさん食べたからと言って痩せたり、健康になるわけではありません。過剰摂取は止めるようにしましょう。正しく取り入れて、「ギー」の効果を実感してみてはいかがでしょうか。
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