「お酢を飲むと体が柔らかくなる」って本当?お酢と柔軟性の関係

長座の姿勢でストレッチをする女性

地道なストレッチもせずに、お酢を飲むだけで身体が柔らかくなるのなら……。残念ながら、そんなうまい話はないようです

昔からまことしやかに囁かれる「お酢を飲むと体が柔らかくなる」という話……。体が硬い人には気になる話だと思いますが、残念ながら、これは科学的な根拠のない迷信のようです。筋肉の柔軟性を高めることとお酢を飲むこととの直接的な因果関係はないと考えてよいでしょう。

この言い伝えが浸透した理由としては、お酢に含まれている酵素や酢酸の働きが考えられます。酵素はタンパク質を分解します。そのためタンパク質がより多く含まれる筋肉の柔軟性が高まると考えられたのかもしれません。また、酢酸は体内に取り込まれるとクエン酸になります。クエン酸は全身の血流を改善したり、疲労回復を促したりする効果が期待できます。そのため筋肉の柔軟性を「回復させる」という意味で、柔らかくなると言われるようになったとも考えられます。

しかしやはりお酢と柔軟性に直接的な因果関係はありません。お酢を飲むだけで体を柔らかくなるとは考えにくいのです。筋肉の柔軟性を高めるためには、やはり適度な運動とストレッチを行うことが最善の近道なのです。

<目次>  

基本のストレッチ……静的ストレッチと動的ストレッチの違い

それでは、お酢の迷信に頼らずに柔軟性を高めるために、効果的なストレッチはどのようなものでしょうか? ストレッチは、大きく「静的ストレッチ」と「動的ストレッチ」の2つに分けられます。ストレッチは用途に合わせて使い分けた方がより効果的であることが知られていますので、まずはこの2つの違いと使い分けのポイントを押さえましょう。

■静的ストレッチ
体育の授業で習うような柔軟体操を始め、一般的にゆっくりした動作の中で行うストレッチが「静的ストレッチ」です。疲労によって硬くなった筋肉をじっくり伸ばすことができるので、運動後のクールダウンとして行うものは静的ストレッチがおすすめです。

■動的ストレッチ
体を動かしながら関節可動域(関節の動く範囲のこと)を広げていくようなストレッチを「動的ストレッチ」と言います。広く知られているラジオ体操は動的ストレッチの代表的なものです。運動やスポーツを行う前のウォームアップには、動的ストレッチが効果的です。
 

ストレッチは反動をつけすぎずに行うのが基本

伸脚運動を行う人

反動をつけて伸ばすと逆に筋肉が収縮してしまうことがある

体育の授業で行った柔軟体操では、よく反動をつけて筋肉を伸ばすようにしていたと思いますが、実際のところは反動をつけすぎるのは考えものです。筋肉には伸び縮みをチェックするセンサーのようなものがあり、急に強い力で伸ばされると「筋肉が切れるかも!」と防御反応が働いて逆に収縮してしまいます。これを伸張反射と言います。ストレッチはこの防御反応をなるべく起こさないようにしながら筋肉を伸ばしていくことが大切ですので、反動をつけて行ってしまうと筋肉を痛めてしまうことがあります。

動的ストレッチの中にはバリスティックストレッチといってあえて反動をつけ、関節可動域を広げるようにするものがありますが、激しく反動をつけて行うとやはり筋肉を痛める原因となってしまうことがあるため、注意が必要です。
 

「使って伸ばす」ストレッチが、柔軟性UPに効果的!

先述の通り、強く反動をつけるストレッチは筋肉や関節を痛めやすいのですが、エクササイズなどによる筋収縮とストレッチをセットにして行えば、柔軟性が高まることが知られています。これは「使ったら伸ばす」を意識するということ。

例えば、太もも裏の柔軟性を高めたい場合は、ヒップリフトや後ろ歩きなど、太もも裏の筋肉を主に使ったエクササイズを行い、その後に同じ部位をストレッチすると効果的です。筋肉を収縮させると筋温が高まり、より動きやすくなります。そこで同じ部位の筋肉を伸ばすようにすると、柔軟性はより高まりやすくなります。効果としては一時的なものですが、習慣化して続けていると柔軟性の改善につながります。

■太もも裏側の柔軟性を高めるコツ
ヒップリフト

まずはエクササイズでお尻と太もも裏側を鍛える

ハムストのストレッチ

エクササイズ後、太ももの裏側を重点的にストレッチで伸ばす


病院での運動療法の一つに、理学療法士など専門の先生が手で抵抗をかけて筋肉を収縮させ、その後ストレッチを行う「徒手抵抗ストレッチ」というものがあります。これは「ある部位の筋肉を収縮させ、その後伸ばす」という同じ仕組みを応用して行っているものです。

柔軟性を高めるためには、効果的なストレッチを適した順序で行うことが近道です。正しい知識とともに目的にあったストレッチを行い、しなやかな体を手に入れましょう。

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