モンハンの次回作はPS4でワールド!
グラフィックが美しくなって、肉焼き機も何か未来的に!?
今でこそほとんどのゲームがオンラインに接続してなんらかのサービスを受けることができますが、当時は家庭用ゲーム機をオンラインに接続している人自体が相当に稀、よほどのゲーマーでなければ手を出さないようなものでした。
それでもモンハンはそのゲーム性が口コミで評価され、約30万本を販売、これはオンライン主体のゲームだったことを考えると大変な売上です。その後、プラットフォームをPlayStation Portable(以下PSP)に移行すると、オンラインの代わりに携帯機であるPSPを持ち寄ってアドホック通信で遊ぶスタイルが大流行し、これが定着して今のモンハンのイメージを作ります。
というわけで、携帯機のイメージが非常に強いモンハンですが、次の最新作は据え置きハードで登場する「モンスターハンター:ワールド」です。海外では、PlayStation4(以下PS4)、Xbox One、PCで、国内ではPS4で発売されます。さてさて、これほど携帯機で定着した感のあるモンハンですが、なぜ次回作は据え置きハードで出るのでしょうか?
モンハンは3DSで世界に出ようとしていた
モンハンと言えば、PSPで一気に跳ねたタイトルでした
PSPというハードも似たところがありまして、国内ではニンテンドーDS(以下DS)には及ばないものの、それこそモンハンシリーズをキラータイトルとして台数を伸ばしたハードでした。しかし、海外では、不人気なハードだったんですね。
ここで、国内での需要を満たしていたモンハンは、海外に出るべく、海外に強いハードを選択することになります。それがニンテンドー3DS(以下3DS)ですね。PSPに比べて、DSは海外でも非常に好調なハードでした。当然、後継機となる3DSも、海外でのシェアが期待できるハードだったわけで、そこにモンハンシリーズがPSPから移籍した形になります。
携帯機で、かつ、海外でも戦えるプラットフォームとして3DSを選択したモンハンですが、だから一気に海外市場で受け入れられるかというと、そう簡単ではありませんでした。
モンスターハンター4Gは初の欧米100万本を突破しているが
3DSで一定の成果はあったものの、全体の販売本数は伸びきれず
しかし、100万本で目標達成、カプコンは満足したかと言えば、おそらくそんなことはないでしょう。
モンハンシリーズの全世界販売本数を見てみると、モンスターハンター4Gは410万本なんですが、これはモンスターハンターシリーズの歴代第3位です。第2位はというと、同じく3DS用タイトルとして発売された「モンスターハンタークロス」です。では、第1位はというと「モンスターハンターポータブル 3rd」で、これはPSPタイトルなんですね。
つまり、モンハンは、PSPから3DSに移行して、海外販売において一定の成果は得たものの、その後の国内家庭用ゲーム市場の縮小などの余波を受けて全体としては伸びきれていない、というのが現状です。
これをもって、PSPから3DSへの移行はビジネス的に間違いだった、という評価を簡単にすることはできないのですが、少なくとも日本より遥かに大きい海外市場によってさらなる成長を、という結果でなかったことは間違いありません。
据え置きハード全盛の海外へ再挑戦
3DS向けにはダブルクロス、そして海外にはワールドを展開します
PS4、Xbox One、そしてPCとマルチで発売するハイエンドのモンハン、ということになれば、3DSよりもはるかに多いプラットフォームで展開できることになります。これによって、海外の大きな市場で躍進する、これがモンスターハンター:ワールドが狙っているところだと考えられます。
ニンテンドー3DSユーザー向けには「モンスターハンターダブルクロス」が2017年3月18日に発売。2017年8月25日には、これをさらにニンテンドースイッチへと展開する「モンスターハンターダブルクロス Nintendo Switch Ver.」を発売します。一方で海外を見据えたハイエンドのモンハンとしてモンスターハンター:ワールドが展開されると、こういうわけです。こう考えると、名前に「ワールド」を冠しているのも納得という感じではないでしょうか。
国内においては、PS4の最強の助っ人となる
もしかすると、1番喜んだのは国内のPS4ユーザーかもしれません(イラスト 橋本モチチ)
一方で、このチャレンジがより確実に歓迎される市場もあります。それは、国内のPS4市場です。日本では開発費の高騰などの問題からコンテンツの減少を招き、据え置き市場は劇的な縮小を余儀なくされていますが、PS4は少しずつ大作が集まるようになり、軌道に乗り始めているところです。
PS4の国内向けビッグタイトルというのは、「METAL GEAR SOLID V: The Phantom Pain」、「ペルソナ5」、「FINAL FANTASY XV」など、国内だけでなく海外でも売り上げを見込めるものが多く、ここにモンスターハンター:ワールドが加わるという形が見込めます。
2016年のペルソナ5、FINAL FANTASY XVに続いて、2017年は「ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて」、さらに2018年にモンスターハンター:ワールドが来るとなれば、PS4にとってはとても良い流れが作れることになります。
海外市場を狙ったモンスターハンター:ワールドではあるんですが、その恩恵が国内市場にもたらされ、PS4を盛り上げてくれれば、こんなに嬉しいことはないですね。新しい、迫力のあるモンハンを、楽しみにしていただければと思います。
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