七夕とは……星座や生き方の教えになる子供への説明方法
7月7日の「七夕」には、願い事を書いた短冊を笹の葉につるします。織姫と彦星の星伝説で有名な日本の伝統行事です
七夕は「しちせき」とも言われ、桃の節句や端午の節句のように、1年間の重要な節句をあらわす五節句の一つになっています。この七夕の由来を子供に伝える時、天文に興味を抱かせたり、生き方の教えになるように説明する方法をお伝えします。
<目次>
日本の神事と中国のお祭りが合わさった現在の七夕
日本では昔7月7日に、身を清め神様をお迎えする行事があり、その時、供える神聖な布を織りあげていた機械を「棚機」(たなばた)と呼んでいました。そして中国では、同じく7月7日に、織り物や裁縫の上達を祈願して「乞巧奠(きこうでん)」というお祭りが行われていました。そのお祭りが日本に伝わり、たなばたの行事と合わさり、今の七夕の元になったという説が最も一般的です。
■子供に説明する「七夕」の由来
「昔、日本と中国で、織り物についてのよく似たお話があって、それらが合わさって今の七夕になっていったのよ」と、話せば分かりやすいでしょう。
織姫と彦星の「星伝説」ストーリー
機織りが上手な娘「織姫」と働き者の牛飼い「彦星」が恋に落ちました。それから二人は遊んでばかりいるようになり、それを見ていた神様は怒って、二人を天の川の両岸に引き離しました。ですがあまりにも悲しむ二人を見て、神様は可哀そうに思い、真面目に働けば1年に1度、7月7日に会うことを許しました。そしてその日、カササギが連なり、天の川に橋を作り、二人を会わせてくれるというものが、星伝説の簡単なストーリーです。
子供への説明は「星座」への興味と「働く事」の大切さを
「あの輝ている星がデネブ、織姫ね。そしてあの星がアルタイル、彦星」このような会話の中で、子供は「星」に興味を持ち、将来天文学を深める道を志すかもしれません
■真面目に働く事の大切さを伝える
「織姫と彦星は遊んでばかりいて、働かなくなったの。だからね、新しい布が織れず、着るものが無くなっていったり、牛が病気になって、皆困ってしまったのよ。だから神様が怒って、二人を天の川の両岸に引き離したの。
でも真面目に働けば、1年に1度会わせてくれる日があって、それが7月7日。その日、たくさんの鳥が羽で、天の川に橋を作って、二人を会わせてくれたそうよ。
真面目に働くってとても大切なことなのね」と話してあげると、「働く」ということを考えるきっかけになるかもしれませんね。
■星座から天文に興味を持たせる
「夏に夜空を見上げると、明るく輝いている3つの星が見えるでしょう。この星を結んで『夏の大三角』って言うの。
わし座の『アルタイル』が彦星
こと座の『ベガ』が織姫
はくちょう座の『デネブ』は天の川に橋を架ける鳥、と言われているの」と、夜空を見上げながら「今年の七夕は織姫と彦星、無事に会えるかしらね……」など、会話をしていくと、星への興味もぐっと湧くでしょう。
手習いの上達を願って書いた短冊
昔中国で行われていた乞巧奠は、織り物や裁縫の上達を祈願していた事から、習い事などの上達を願い、それを短冊に書くようになりました。そして竹は真っすぐに、天に向かって、勢いよく成長することから笹に願い事をつるせば、神様に届くと言われていました。■短冊への願いは、子供の「上達したい」という意欲を引き出すように
「昔は、機織りやお裁縫が上手になりたい、と願うお祭りだったの、だから上手くなりたい事を短冊に書いて、お願いすれば叶うって言われているのよ」
「神様に届きやすいやすいように、天に向かってグングン伸びる竹の葉の笹に短冊を飾るの。○○ちゃんが上手になりたい、っていう願い、神様にきっと届くよ」
「何が上手になりたい?」
「何か頑張って取り組みたいことある?」と、話しかけてあげると、子供の「上達したい」という意欲も高まるでしょう。
また、入学前の子供には、短冊に願い事を書きたい、という気持ちを文字への練習の意欲に繋げるのもいいですね。
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七夕の飾り物の意味
短冊以外の飾りものにも、それぞれにも意味が込められています。子供と一緒に作りながら、意味を説明してあげましょう。■ちょうちん
願いを書いた短冊や、心を明るく照らしますように
■輪つなぎ
抱いた夢がつながっていきまように
■ねじりあみ
魚がたくさん摂れ、海の恵みが受けられますように
■折り鶴
元気で長生きできますように
■巾着
お金がたまりますように
■お星さま
星に願いが届きますように
「七夕」は興味の動機づけが自然にできるチャンス!
七夕は祭りとしても、深く愛着があり、日本三大七夕祭りとして、仙台(宮城県)、平塚(神奈川県)、安城(愛知県)で盛大にお祭りイベントが開催されます。子供と一緒にお祭りに行く事も、思い出深い七夕となるでしょう。日本で広く定着している「七夕」、親の言葉がげしだいでは、子供がさまざまなことへ興味を抱くきっかけになったり、学びにつながるチャンスにもなります。
親子で笹飾りを作りながら、七夕との由来を紐解いて、実り多き七夕をお迎えください。
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