ヨーグルトで腸活……正しいヨーグルト習慣を身につけよう!
乳製品売り場にはところ狭しと様々なヨーグルトが並べられています。加糖か無糖、フルーツやソースが入っているなどの味の違いや、免疫力を強化したり、ダイエットにも効果があったりと乳酸菌にも特徴や効能がそれぞれあり、健康のためにヨーグルトを食べる習慣を持つ方が非常に増えてきました。
昨今、「腸活ブーム」を受けてヨーグルトへの注目が高まっています。今回はヨーグルトの栄養や効能、種類、おすすめの食べ方などをご紹介します。
<目次>
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の効能
■そもそも乳酸菌ってなに?乳酸菌とは、発酵することで乳酸が生成される菌のことです。ブドウ糖・オリゴ糖・乳糖といった糖質を栄養にし、発酵が行われます。乳酸菌は善玉菌の代表格で、近年様々な効能があると注目されるようになりました。
厚生労働省が定めた規格において、ヨーグルトは発酵乳に分類されます。ヨーグルトの成分は、無脂肪固形分が8%以上、乳酸菌が1mlあたり1000万以上、大腸菌群が陰性のものと定められていますが、乳酸菌の種類は特に決められていません。
日本の伝統食材でもある味噌、醤油、納豆、また洋の朝食に欠かせない、ヨーグルト、チーズといった乳製品、ビール、日本酒、ワインなどのアルコール飲料もすべて乳酸発酵の工程を経てできたものです。普段の食生活に欠かせない食材が多く挙げられます。
腸内環境を整える
乳酸菌が腸内で増えると、乳酸や酢酸という有機酸が代謝物として作られます。有機酸は腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌の増殖を抑えてくれるのです。また有機酸は腸のぜん動運動を促す働きがあるので、結果、便秘予防にも役立ちます。
おなかを下した場合でも、乳酸菌を摂ることによって、体内に保有している善玉菌の増殖を助けたり、免疫力を高めて病原菌となるウイルスから体を守ったりする働きがあるので、適度な摂取をおすすめします。
昨今ではメタボリック症候群による生活習慣病を改善したりガン予防やアンチエイジングなど、様々な効果が期待できると注目されています。
■乳酸菌はダイエットや健康にいい?
近年、乳酸菌は花粉症やアトピー性皮膚炎、ぜんそくなどのアレルギー疾患を抑える働きがあることもわかりました。また血中の善玉コレステロールの数値も適正に保ち、中性脂肪の値を低下させる効果が期待できることも立証されています。
乳酸菌が作る乳酸には、カルシウムの吸収を促す働きもあります。お年を召した方は特に骨粗鬆症になる懸念があるので、日ごろの食事から積極的に乳酸菌を摂取する必要が出てきます。
ヨーグルトを摂るタイミング
■毎日食べるべきか、間をおいて食べるべきか?乳酸菌は摂取しても体内にすべて摂取した分が居続けるわけではなく、胃酸や胆汁によって、その大部分が死滅してしまい、体外に排出されるものも多々あります。ですから日々の食事やおやつなどのタイミングで毎日継続的に摂取することをおすすめします。
体内で死滅した乳酸菌は、腸内に住んでいる常在善玉菌のエサになるので、結果的には善玉菌を増やすのに貢献します。生き残った乳酸菌もまた、常在善玉菌と戦いながらも、数日間、腸内で生活していくことになりますが、やはり毎日ヨーグルトを食べることで腸内環境を常にいい状態に保つことが賢明です。
■食後に摂取するのがおすすめ
おやつ代わりにフルーツもトッピングして
ですので朝はヨーグルトだけにしている、ダイエット中だからと小腹を満たすときにはヨーグルトを食べている、という方は食べるタイミングを調整することが必要でしょう。
また発酵食品は時間が経つほど効果が増すように感じられますが、時間の経過と共に減っていく菌が多いとも言われます。きちんと商品の製造年月日を確認し期限内に食べることも大切です。
乳酸菌の種類・市販のヨーグルトの選び方
ひと口に乳酸菌と言っても、種類はさまざま。ヨーグルトに含まれる乳酸菌の菌種や菌株によって、体に及ぼす効果も働きも変わってきます。一般的によくヨーグルトに入っている4つの乳酸菌の働きと種類をご紹介します。1.おなかに優しく働き、ピロリ菌の発生を抑える菌
おなかに優しいヨーグルト
また、胃がんの原因菌にもなるピロリ菌の活動を抑える働きもあります。ピロリ菌だけを減らす特性があるので、おなかに優しく作用し、下痢などにもなりにくいメリットがあります。ガセリ菌SP株、LG21乳酸菌などがこの種類に属します。
(例) 「ナチュレ 恵 megumi」、「明治プロビオヨーグルトLG21」など
2.腸内フローラのバランスを整える菌
腸内フローラのバランスを整える
(例) 「明治ブルガリアヨーグルト LB81プレーン」など
3.アレルギー症状の緩和、免疫力の向上などが期待される菌
「ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・クレモリス」という乳酸菌。カスピ海ヨーグルトの独特の粘りは、この菌が出すEPSという成分によるものです。生きたまま大腸まで届き、整腸効果だけでなく、アレルギー症状の緩和、免疫力の向上、美肌といった様々な効能が期待されます。
クリームチーズのようなさわやかな酸味が特徴のヨーグルトです。低温で発酵させていて衛生管理が難しいため、タネ菌としてのご利用はお控えください、と商品の表記に記載されています。
(例) 「カスピ海ヨーグルト プレーン」、「明治プロビオヨーグルトR-1」など
4.花粉症症状の緩和が期待できる菌
つらい花粉症の時期に
アレルギー症状、特に花粉症の症状を緩和させる働きがあります。自然な甘みがあり、そのままでも食べやすいのが特徴です。
多量に摂取してもその分効果が見られるというわけではなく、1日に摂取する目安量は決まっています。商品ごとに記載してある注意事項を確認しましょう。
(例) 「ダノンビオ ヨーグルト」、「ナチュレ 恵 megumi」、「BifiX ヨーグルト」など
■自分に合った菌を摂るのが大事
ヨーグルトに含まれている菌の効果を得るためには、まずは自分に合ったヨーグルトを見つける必要があります。乳酸菌の種類によって効能や体への働きに違いがあるので、ヨーグルトの容器に表示されている文言を参考にしましょう。
テレビや雑誌等のマスメディアで話題になっている種類のヨーグルトであっても、実際に自分で食べてみなければその効果はわかりません。いろいろと試してみることをおすすめします。
試し方の例としては、1種類のヨーグルトを1日あたり100~150g程度、2週間ほど続けてみる(商品によって異なります)と、そのヨーグルトと自分との相性がわかります。例えば、便通が改善された、肌の調子が最近良い、風邪を引きにくくなった等といった効果を感じられたら、そのヨーグルトは自分に合ったものだと言えますね。
低カロリーが魅力の水切りヨーグルト
■水切りヨーグルト/ギリシャヨーグルトとは?ギリシャヨーグルトは「水切り」という行程を経てできているので、水分が抜けており、クリームチーズとカッテージチーズの中間くらいの固さです。
同量の一般的なヨーグルトに比べてたんぱく質やカルシウムの含有量が高くなり、また水分と一緒に糖質も抜けるため低カロリーというのが大きな魅力で、高タンパク・低糖質を意識して食事を取っている方にはおすすめです。
乳酸菌ももちろん豊富ですので整腸作用、そしてダイエットやむくみ予防にも効果が期待される嬉しい食材です。
■水切りヨーグルトのレシピ/作り方
<作り方> 1.ボウルにザルをのせてペーパータオルを敷き、プレーンヨーグルト150gをのせます。 2.ラップをかけ冷蔵庫で2時間ほど保存すると水気がザルの下に落ち、ヨーグルトが柔らかめのカッテージチーズのような塊となります。50gほどの水気がなくなります。
■水切りヨーグルトと相性の良い組み合わせ
フルーツと合わせ濃厚なスムージーにしてもok
水切りしてあるのでパンがビチャビチャになりません
お菓子を作るにあたって、甘みが欲しい場合は、砂糖ではなくオリゴ糖を選ぶようにしてください。野菜や果物、はちみつ等に多く含まれているオリゴ糖は胃酸に強く、効力が衰えないまま腸に運ばれます。腸内細菌を増やし、便通を整える働きがあるので、乳酸菌同様おすすめの食材です。 またにんにくやたまねぎにはオリゴ糖のほか硫酸アリル等のイオウ化合物が多く含まれ、こちらも腸内に溜まった老廃物等を排泄する作用があります。野菜のディップやイタリアンの料理等にどんどん取り入れてみてもいいかもしれません。
乳酸菌は毎日食べ続けることが望ましいので、日によって食べたい好みの味に変えてみるのもいいですね。
ホットヨーグルトは効率よく乳酸菌が摂れる
乳酸菌の力を維持しながら適度に温めて仕上げるホットヨーグルトが近年話題になりました。ホットヨーグルトは、免疫力をアップさせ細菌やウイルスに負けない体を作るための摂取法としてまさにおすすめです。冷たいヨーグルトを適度に温めることで、乳酸菌を生きたまま効率よく腸内に届けることができます。またヨーグルトを体内の温度に近づけて温めて食べることで腸が急激に冷えることがありません。冷え性の方、冷たいものや乳製品をとるとお腹がゆるくなりやすい方にもおすすめです。
おやつや軽食にぴったりです
乳酸菌の消化吸収も高まるホットヨーグルトも、ぜひ食卓に取りいれてみましょう。
上手に取り入れて、自分に合ったヨーグルト生活を!
ヨーグルトの種類や調理法によって、効能や働きはさまざま。自分に合ったヨーグルトを見つけ、無理のない範囲で上手に生活に取り入れてみてくださいね。【関連記事】