オリーブオイルやえごま油・アマニ油等の効果やおすすめの料理
あなたはどの油を選びますか?
近年メディアでも多く取り上げられ、美容や健康に良いと注目されているオイル。原料や性質によって栄養成分、使い方、効能に違いがあるのをご存じでしょうか?この記事では、人気のオイルごとに、栄養や効能、料理への使い方など比較解説をしていきます。それぞれの特徴を知って、自分にぴったりのオイルを選んでくださいね。
<目次>
油を構成する脂肪酸とは?
油には、3種類いずれかの脂肪酸が含まれています。脂肪酸は炭素が鎖状に配列した分子構造を持っており、その長さによって「短鎖・中鎖・長鎖」の3種類に分類されます。脂肪酸は体の細胞膜やホルモン生成など身体機能の構成に欠かせない物質であり、それぞれに効能があります。■長鎖脂肪酸
まず一般的なサラダ油、オリーブオイル、えごま油、アマニ油、ラードなどに含まれる長鎖脂肪酸は、体内に吸収されると静脈やリンパ管を通り、脂肪・筋肉・肝臓に運ばれ、一旦貯蔵されます。貯蔵された長鎖脂肪酸は、使用優先度の高いブドウ糖の量が体の中で減少した時に初めてエネルギーとして分解されます。よって長鎖脂肪酸がエネルギーとして消費されるのにはかなり時間がかかります。
■中鎖脂肪酸
ココナッツオイルなどに含まれる中鎖脂肪酸は体内に吸収されると小腸に届き、門脈を通って直接肝臓に運ばれ、ケトン体という成分を作り出してこれがすぐエネルギーになります。消化吸収が早く、体内に蓄積することなくエネルギーに変換されるため、特にダイエット中の方、スポーツ選手の方などに注目されているのはこの所以です。
■その他の脂肪酸
さらに、脂肪酸の分子に二重結合があるものは「不飽和脂肪酸」、ないものは「飽和脂肪酸」と呼ばれます。「不飽和脂肪酸」は二重結合が何個目の分子にあるかで、オメガ3系、オメガ6系、オメガ9系に分類されます。
オリーブオイルの栄養・効能・使い方
■悪玉コレステロールが減少、アンチエイジング効果は女性必見オリーブオイルの栄養成分で注目すべき脂肪酸はオレイン酸です。オレイン酸には血液の流れを良くし、悪玉コレステロールを減少させる働きがあります。動脈硬化や心筋梗塞を予防する効果があることでも注目されています。他に特徴のある成分は抗酸化作用があるポリフェノール。酸化を防ぐ、つまりアンチエイジングの効果があり、加齢によって生じるシミやシワの肌の老化を予防し、症状が出たとしてもそれを改善することができます。
■免疫力を高め、腸内環境を良くする効果も
抗酸化作用は免疫力も高めるので、細胞や血管も丈夫になり病気にかかりにくい体を作ります。同じく抗酸化作用のあるビタミンEや、腸内環境を良くし便秘解消にも効果がある不溶性食物繊維も多く含まれているのでオリーブオイルが健康や美容に良いと言われるのも納得できます。
■サラダ・パスタに使うのがおすすめ
オリーブオイルは少しとろみがある油です。口に入れると独特の芳香を感じ、後味は若干の苦みを感じます。熱に強いので炒め物や揚げ物、またそのまま塩や酢と混ぜてサラダにかけるドレッシングとしても活用できます。パスタ料理やピザにたらして頂くのも良いでしょう。値段は張りますが、不純物が入っていない「エキストラ・バージンオリーブオイル」を使うことをお勧めします。
ココナッツオイルの栄養・効能・使い方
■脂肪を体内に溜めない!ダイエット中の方は必見ココナッツオイルを構成する中鎖脂肪酸はエネルギー消費されやすく、体内に脂肪として蓄積されにくい特徴があり、ぶどう糖より優先的にすぐエネルギーとして分解されます。長鎖脂肪酸とは違い、すぐエネルギーになるのでおのずと脂肪にもなりづらく、体形を気にする方やダイエット中の方は特に注目すべきオイルとなります。中鎖脂肪酸は体の老廃物を排出してくれる効果もあるので、腸内環境を良くし便秘解消にも非常に効果があります。善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす働きもあります。
■保湿効果があり肌を生き生きとさせる
ココナッツオイルには、中鎖脂肪酸の組成のうちラウリン酸という成分が半分弱を占めています。これは母乳にも含まれる成分で、口腔内の抗菌作用や、免疫力を強化したり、粘膜や肌の炎症を抑えたりする働きがあります。保湿効果もあるのでスキンケアにココナッツオイルを薄く肌に塗り込むなどして活用している方もいます。また、ビタミンEを豊富に含んでいるのでオリーブオイル同様、抗酸化力がありアンチエイジングの効果もあります。
■お菓子、カレーや炒め物に使うとアジアンテイストに
ココナッツオイルは24℃以下では白く固形化します。湯せんなどで温めると液状化します。独特の甘い香りを生かしてパンケーキやスコーンなどのお菓子作りにココナッツオイルをバターの代用品として使うのがお勧めです。またカレーに加えたり、炒め物に使ったり。魚やお肉のソテーにするのもOKです。アジアンテイストに仕上がります。
えごま油の栄養・効能・使い方
■血液サラサラ効果が期待できるえごま油はシソ科植物のえごまの種子から抽出される油です。構成される脂肪酸はオメガ3系に属しており、α-リノレン酸を豊富に含んでいます。α-リノレン酸は体内で、青魚に多く含まれる脂肪酸DHA・EPAに変わります。DHA・EPAは血液をサラサラにする作用があり、よって血流を改善し、高血圧、動脈硬化、血栓症、また生活習慣病の予防に効果が高いとされています。
■脳の活性化、アレルギー症状を抑える効果も
オメガ3系脂肪酸は、脳の働きを活性化させるセロトニンの分泌をサポートします。えごま油を継続的に摂取することでセロトニンの分泌を助け、うつ病の予防と改善につなげることができます。また花粉の飛散する時期に起こるくしゃみや鼻水、じんましんなどアレルギーにともなう炎症を抑える作用もあります。
■熱を加えないように調理するのがポイント
いつもの味噌汁がグレードアップ
えごま油は熱に弱く酸化しやすい特性を持っています。サラダやお刺身、カルパッチョ、おみそ汁などにそのままかける、など熱を加えずご使用ください。変わったところでは、ごはんにえごま油と塩、ごま、チーズ、海苔、しらす干しなどを加えたオイルおにぎりはいかがでしょうか。独特の風味が食欲をそそり、冷めても栄養価は変わらず美味しく召し上がれます。
アマニ油の栄養・効能・使い方
■α-リノレン酸により、えごま油と同様の効能が亜麻仁(アマニ)油は亜麻(アマ)という植物の種から取れる油です。えごま油と同様オメガ3系脂肪酸の食用油でα-リノレン酸が豊富に含まれています。認知症や生活習慣病の予防、うつ病の改善、アレルギーの治療に効果があるほか、水溶性と不溶性の食物繊維がバランス良く含まれているので、腸のぜん動運動をサポートし便通を良くしてくれる働きがあります。
■強力な抗ガン作用
α-リノレン酸と並び、特筆すべき効果・効能が期待される成分はリグナンです。リグナンはポリフェノールの一種で腸内細菌によって非常に強力な抗がん物質に変化します。特に女性ホルモンに関わる乳がん、子宮がんなどを予防し、またインフルエンザやヘルペス、肝炎などのウイルスを寄せ付けない免疫システムを形成する働きも持っています。
味に関しては、クセがほとんどなくさらっとした口当たりです。えごま油よりアマニ油の方が若干のとろみを感じます。アマ二油の注意点は熱に弱いことです。またポリスチレン容器にうつすと容器が変質する恐れがあるのでカップラーメンなどの中に直接かけるのは避けた方が良いでしょう。
■冷製ポタージュや冷ややっこなどにおすすめ
酢や塩、しょう油などを混ぜたサラダのドレッシングや冷ややっこのたれ、またピザやパスタにかけたり、卵納豆に混ぜたりするのがおすすめの食べ方です。冷たいポタージュやガスパチョスープにたらして頂くのも良いでしょう。
オイルを購入する内容量や保存する時の注意点
いずれのオイルも未開封時は直射日光を避け、暗くて涼しい場所に保管します。オリーブオイル、ココナッツオイルは、開封後も暗くて涼しい場所に保存しましょう。えごま油、アマニ油に含まれるα-リノレン酸は、熱に弱く酸化しやすいため、炒め物、揚げ物料理には向いていません。よって遮光されている瓶に入っている商品を選び、開封後は冷蔵庫で保管してください。いずれのオイルも開封後は賞味期限にかかわらず6週間程度で使い切るようにしましょう。初めて商品を購入する場合は少量タイプのものを選ぶようにしましょう。健康に良いからとか、酸化しやすいからといって多く摂り過ぎるのは禁物。どのオイルもカロリーが高い油脂類に属します。使い方には十分気をつけましょう。
目的に合ったオイル選びを
オイルごとに、使い方から栄養、保存方法までさまざまな点が異なります。特徴をよく知って、使い道に合ったオイルを選びましょう!【関連記事】