注意!大きすぎる画面はNG。動画酔いは大問題!
近年は薄型大画面テレビが手頃な価格で手に入るようになりました。折角だから、「できる限り大画面で映画も満喫したい!」と思いがちですが、そこには大きな落とし穴が!視野を覆い尽くす“大き過ぎ”の大画面は、乗り物酔いのような「動画酔い」を引き起こす可能性があり、健康上も好ましくありません。
メーカーのカタログや電器店の店頭などでは、「視聴距離=画面の高さx3倍」を目安として紹介していますが、これは、映画など高品位な映像を”最大サイズ”で楽しみたい際の限界値と考えるのが妥当です。
*ガイド記事:「テレビ設置のコツ(画面サイズと適正視聴距離)」
スポーツ、ドラマ、バラエティーなど、一般的な放送番組を映像を視聴する場合は、「薄型テレビの人間工学設計ガイドライン」(一般社団法人日本人間工学会薄型テレビの視聴に関する人間工学ガイドライン検討委員会)が参考になり、端的には、画面サイズに応じ、画面の高さの4倍~6倍が快適に感じると結論づけられています。
では、この研究結果を噛み砕いて、一人暮らしに最適なテレビの画面サイズを考えてみましょう。
最適な画面サイズの選び方
適正な画面サイズは、“視聴距離”によって決まります。先述のガイドラインから、視聴距離と適正な画面サイズの関係を整理すると、以下のようになります。
表の見方ですが、例えば視聴距離が1.8mなら、左列の黄色ハイライト部“視距離”の180cmから右に辿り、突き当たった緑色ハイライト上部の数値が、適正画面サイズ(インチ)で、この場合「26型」と分かります。なお、空欄の場合は、近接する緑色ハイライトのどちらを選んでも問題ありません。
結局、何インチがオススメ?
上記表を元に、一人暮らし部屋を想定して最適な画面サイズを考えてみましょう。■4畳半なら、「19型~26型」
4畳半の場合、確保できる最大視聴距離は約2.5mです。日常的な視聴距離が1m~1.5m程度と仮定すると、適正な画面サイズは、「19型~26型」と言えます。
できるだけ大画面で視聴距離も目一杯確保する覚悟なら、最大46型も不可ではありません。
■6畳間・8畳間なら、「26型~32型」
6畳間や8畳間で確保できる最大視聴距離は約3.5mです。日常的な視聴距離が1.8m~2m程度と仮定すると、適正な画面サイズは、「26型~32型」と言えます。
部屋のレイアウト、つまりテレビ設置位置とソファの距離が決まっていて、常時2.5m程度の視聴距離が確保できるのであれば「42型~46型」もオススメです。
なお、適正に感じる画面サイズには個人差があります。
もしあなたが、映画館でスクリーンに近い席が好みなら、画面は大きめでも構いません。逆に、後方席が好みなら、小さめの画面を選びましょう。
さいごに
一人暮らしを切っ掛けに「憧れの大画面テレビを独り占め」と思いつつ、欲張って大きすぎるサイズを選ぶと、カメラの動きが激しいバラエティー番組などで目が疲れたり、動画酔いを起こす可能性があり、結果、テレビを見なくなってしまったり、小さいサイズに買い替えが生じて無駄になる可能性もあります。コツは欲張らずに小さめの画面を選ぶ事。映画視聴時などで大画面の迫力を得たい時は、画面に少し近づくだけで随分印象が変わるものです。
ほか、模様替えの際にテレビを移動させたり、再び引っ越すことを考えると、一人で"持てる"のも重要。製品にもよりますが、32型以下なら6kg前後以下と軽量で一人でも扱い易いと言えます。
この記事を参考に、適切な画面サイズを選び、快適で楽しいテレビライフを満喫してください!
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<引用>
日本オーディオ協会「ホームシアター映像 調整 ・環境 ガイドライン」