清朝末に始まった中国のホテル史
国有化、改革開放政策を経て、今、成熟期に
北京飯店。西側の棟は現在、ラッフルズホテルと貴賓楼飯店になっている
建国飯店。立地条件が良く、今でも外国人旅行者に人気のホテル
その後は、今でも中国屈指の高級ホテルとして営業し続けている、中国初のエレベーター設置の和平飯店南楼(1906年、上海)、北京飯店(1918年、北京)、半島飯店(1928年、香港)、上海国際飯店(1934年、上海)などが登場します。
その後1949年10月1日、中華人民共和国が建国。それを祝う「開国第一宴」が北京飯店で開催されました。中国のホテルは国有化という大きな転換期をむかえたのです。ホテルは宿泊施設としてだけではなく、時々の大きな会議やパーティーなど政治の舞台として使用されました。1978年の改革開放政策時、中国のホテルは137件とわずかなものでした。
1978年の改革開放政策後、中国のホテルは再度、市場経済という大きな変化をむかえることとなりました。1982年、中国初の外資系ホテル・建国飯店(米中合資、北京に現存)オープンのニュースは象徴的なニュースでした。その後、ホテル業界は飛躍的な発展を遂げました。1980年代からは、高いブランド力を有す外資系チェーンホテルが次々と進出したことで、設備、サービス、運営ノウハウなどすべてにおいて“世界レベル”に成長しました。
件数も年々増加、2012年3月発表の『全国五星級飯店名録(全国五つ星級ホテルリスト)』では、中国の五つ星級ホテルの総数は676件。うちわけは、華北地区(北京、天津など)が115件、東北地区(大連、ハルビンなど)が32件、華東地区(上海、杭州など)253件、中南地区(広州、香港など)が182件、西南地区(四川、雲南、桂林など)が63件、西北地区(新疆ウイグル自治区、寧夏など)が31件となっています。更に建設中や建設予定にある五つ星級ホテルが約500件もあり、過去3年のスタークラスホテルの増加率6%に対し、五つ星級ホテルの増加率が15%教という数字をみても、高級ホテルの成増加の勢いが感じられます。
しかし、現実は供給が需要を上回り、2011年1~9月の客室稼働率は60.9%とアジア主要15カ国・地域の中で14位と低迷。高級ホテル進出に見直しを求める声も出てきています。
今後も発展し続ける中国のホテル
高級ホテルが林立する中国都市部(C)PARK HYATT BEIJING
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「北京のホテル」、「上海のホテル」、「香港のホテル」、「マカオのホテル」
また、海外のホテルの基本的な利用方法については「海外ホテルの基礎知識」をどうぞ。お役立ち情報満載です。