住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅を購入したときの確定申告 2018年申告版(4ページ目)

住宅の購入などをした人は、確定申告によって税金の還付などを受けることができます。住宅ローンを借りて購入、建築、リフォーム工事をしたときの「住宅ローン控除」のほか、認定長期優良住宅や認定低炭素住宅を購入または建築したとき、親などから資金の贈与を受けたときにも一定の控除や特例がありますから、忘れずに確定申告をするようにしましょう。

執筆者:平野 雅之


相続時精算課税制度の確定申告

2003年から導入された「相続時精算課税制度」は、贈与段階における税負担を大幅に軽減し、将来の相続時において相続税で精算しようとするもので、「相続税・贈与税の一体化措置」ともいわれます。

通常の非課税枠は2,500万円ですが、「住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置」により、取得した住宅の種類に応じて一定の上乗せがされています。

2017年(平成29年)に贈与を受けた場合、住宅取得資金贈与による非課税枠の上乗せ金額は、省エネルギー性、耐震性またはバリアフリー性を備えた良質な住宅が1,200万円、それ以外の一般住宅が700万円となっています。

ただし、2015年以降の非課税枠の判定は贈与を受けた時点ではなく、購入、建築、リフォームなどの「契約締結時期」により判断されることになってますからご注意ください。

「相続時精算課税制度」による2,500万円枠と「住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置」による上乗せ枠を合算して、住宅取得資金の贈与を3,700万円または3,200万円(贈与を受けた資金を使って2017年に契約をした場合)までを非課税とすることができます。

また、通常の「相続時精算課税制度」では「親の年齢が60歳以上」(2015年の改正で「65歳以上」から引き下げ)という条件があるものの、住宅取得資金の贈与のときは親の年齢に関係なく適用することができます。

一方、通常の暦年課税制度による贈与の非課税枠(110万円)に「住宅取得等資金の贈与に係る非課税措置」による非課税枠を上乗せすることもでき、合計1,310万円または810万円(贈与を受けた資金を使って2017年に契約をした場合)の贈与までは無税となりますから、それ以下の贈与金額であれば相続時精算課税制度を選択する必要はありません。

なお、いったん相続時精算課税制度の適用を選択すると、それ以後は取り消しができないので注意が必要です。

なお、相続時精算課税制度について詳しくは ≪相続時精算課税制度と住宅取得資金の贈与≫、通常の贈与について詳しくは ≪覚えておきたい相続と贈与の基本≫、住宅取得資金の贈与について詳しくは ≪住宅取得資金贈与の特例における非課税のポイント≫ をご参照ください。


相続時精算課税制度の主な適用要件

(上乗せされた非課税枠を利用する場合)

自分の父母(父母が亡くなっている場合の祖父母を含む)からの住宅取得資金贈与であること
 
上乗せ分の1,200万円または700万円については金銭による贈与であること
 
贈与を受ける子は20歳以上であること
 
贈与を受ける子の(贈与を受ける年の)合計所得金額が2,000万円以下であること
 
贈与を受けた資金を使って新たに住宅またはその敷地を取得し、贈与を受けた翌年の3月15日までに入居すること
  (注)すぐに入居できることが明確であれば、若干は期日を延ばせます。
  (注)2011年度の税制改正により、贈与された資金を、建築に先行して取得する土地の代金に充てる場合でも適用できることになっています。
 
取得をした住宅の登記上の床面積が50平方メートル以上であること
 
中古マンションなど(耐火建築物)の場合は、取得日時点において築後25年以内であること、または築後25年超のもので地震に対する安全性の基準に適合することが証明されていること、あるいは既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていること
 
木造の中古一戸建て住宅など(非耐火建築物)の場合は、取得日時点において築後20年以内であること、または築後20年超のもので地震に対する安全性の基準に適合することが証明されていること、あるいは既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていること
 
上記に該当しない場合、一定の申請に基づいて購入後に耐震改修工事を実施した既存住宅であること
 
増改築などの場合には、その工事に要した費用が100万円以上であり、増改築後の住宅の床面積が50平方メートル以上であること
 
「質の高い住宅」による非課税枠の割増しを受ける場合には、断熱等性能等級4もしくは一次エネルギー消費量等級4以上であること、耐震等級2以上もしくは免震建築物であること、高齢者等配慮等級3以上であることのいずれかについて、住宅性能証明書、建設住宅性能評価書、長期優良住宅認定通知書などにより証明がされたものであること

なお、相続時精算課税制度における一般の非課税枠(2,500万円)のみを利用して贈与された資金を住宅取得などに充てるのであれば、取得する住宅などについて何ら制限を受けません。ただし、その場合には「親の年齢が60歳以上」という制限が加わりますから注意が必要です。


相続時精算課税制度の申告で用意する書類

(相続時精算課税選択の届出と贈与税の申告)

贈与税の申告書
 
「相続時精算課税選択届出書」
 
贈与を受けた子の戸籍謄本・抄本、または戸籍の附票の写し
 
贈与をした親の住民票の写し、または戸籍の附票の写し
 
「相続時精算課税の計算明細書」
 
贈与を受けた子の住民票の写し(取得した住宅へ入居したことを証明する書類)
 
取得(または増改築)した住宅の登記事項証明書
 
工事請負契約書の写し(増改築の場合)
 
耐震基準適合証明書または住宅性能評価書の写し、あるいは既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類(築後25年を超える耐火建築物または築後20年を超える非耐火建築物の場合)
 
取得後に耐震改修工事をすることについて一定の申請に基づく証明書(該当工事をした場合)
 
住宅性能証明書、建設住宅性能評価書の写し、長期優良住宅認定通知書の写し、認定長期優良住宅建築証明書などのうちいずれか(省エネ性、耐震性、バリアフリー性による非課税枠の割り増しを受ける場合)

なお、この特例を受ける場合など、贈与税に関する2018年の申告期間は2月1日(木)から3月15日(木)までとなっています。


page2 ≪住宅ローン控除
page3 ≪認定長期優良住宅、認定低炭素住宅の特別税額控除
page4 ≪相続時精算課税制度≫
page5 ≪住宅取得等資金贈与の非課税制度

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