鎌倉でハイキングを楽しみながらご利益を授かる!
北鎌倉から大仏の裏手の尾根道を通り、鎌倉の人気観光名所である大仏や長谷観音がいらっしゃる長谷エリアに抜ける「葛原ヶ岡(くずはらがおか)・大仏ハイキングコース」。ハイキングコースを歩きながら、様々なご利益を授かります!
このハイキングコースは、山歩きが楽しいだけでなく、縁結び、金運、仕事運アップなどにご利益があるとされる神社やお寺をお参りしながら、最後には、大仏や長谷観音にも行くことができるという、とてもありがたいコースです。
鎌倉のハイキングコースのルートは、こちらの地図(濃いグリーンが葛原ヶ岡・大仏ハイキングコース)を参考にしてください。
葛原ヶ岡(くずはらがおか)・大仏ハイキングコースは濃いグリーンのルート 出典:鎌倉紀行
鎌倉ハイキングコース・観光名所のイラストマップ
北鎌倉駅に集合!
今回の旅に同行してくれたのは、All About編集部のM恵さん。10:00にJR横須賀線の北鎌倉駅前で待ち合わせの約束でしたが、途中で電車が遅れたそうで、息を切らせながら「お待たせしました~」とやってきました。JR横須賀線の北鎌倉駅
私は、それくらいのことでは怒りませんから、焦らなくて大丈夫ですよ!(笑)
さて、駅前の県道を左手へ歩いて、まずは浄智寺というお寺さんに向かいます。この道は、昔の「鎌倉街道」で、鎌倉と地方を行き来する、多くの旅人が行き交ったことでしょう。
しばらく歩くと、道の右側に昔懐かしい円筒形のポストがあり、このポストが浄智寺への曲がり角の目印。
鎌倉市内では、まだたくさんの円筒形ポストが現役で活躍中!
以前、鎌倉市内にある円筒形ポストの写真を全部撮影して本にするというイベントをやったときの調査によれば、現在も、鎌倉市内で30本の円筒形ポストが、現役で使われているそうです。(「かまくら駅前蔵書室」調査による)
浄智寺のユニークな表情の布袋様
ポストが目印の角を曲がると、間もなく浄智寺という鎌倉五山第四位の由緒あるお寺があります。風情たっぷりな、浄智寺参道の石段
このお寺の鎌倉石のすり減った石段は、正面に中国式の鐘楼門が見え、風情たっぷり。じつは、この石段は、木村拓哉さん主演の『武士の一分』という映画のロケで使われたこともあります。
浄智寺のご本尊は、それぞれ過去・現在・未来を表す阿弥陀(あみだ)、釈迦(しゃか)、弥勒(みろく)の「三世仏」。お堂の中に三体の仏様がまつられています。
布袋尊に会いに、岩のトンネルを抜けて
ご本尊をお参りした後、建物の裏手にまわり、お庭を歩いた先にある岩肌をくりぬいたトンネルを抜けると、そこには、とてもユニークな表情をした布袋(ほてい)尊がいらっしゃいます。
布袋尊は、七福神の一人で、昔の中国の後梁王朝(907~923年)の時代に実在した禅僧。予知能力にすぐれ、占いが必ず当たったことから、未来仏である弥勒菩薩の化身ともいわれました。
浄智寺の布袋尊を囲んで、筆者とM恵さん
浄智寺の布袋尊は、「鎌倉・江の島七福神めぐり」の布袋尊に指定されているので、とくに正月は、多くの人々がお参りしています。
お腹をさするとご利益があるとされ、皆がなでて行くので、お腹のあたりが黒くなってしまっています。でも、決して、腹黒いわけではありませんよ!
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■浄智寺
住所:鎌倉市山ノ内1402
アクセス:JR北鎌倉駅下車徒歩8分
地図 → Google マップ
源氏山に向かい、いざハイキングコースへ
浄智寺を出たら、境内の横の道をさらに奥へ向かって歩いて行きます。しばらくすると、階段が現れ、いよいよハイキングコースに入ります。自然豊かなハイキングコースを歩いて
鎌倉のハイキングコースは、よく整備されているので歩きやすいですが、木の根が張っていたり、落ち葉が堆積していて滑りやすい場所もあるので、スニーカーやトレッキングシューズなどを履くようにしましょう。
山道に入って10分も歩くと、「天柱峰(てんちゅうほう)」という大きな石碑が立っている岩場があります。
この場所は、建武元(1334)年に、浄智寺の住職になった竺仙梵僊(じくせんぼんせん)というお坊さんが、景色を大変好んだという場所。
山のパワーをたっぷりといただきます
現在は、周囲が木々に覆われ、眺望を楽しむことはできませんが、パワースポットであるといわれます。山のパワーをたっぷりといただいて、この後の山歩きに備えましょう。
天柱峰から、さらに10分ほど歩くと源氏山(標高93m)の一角にまつられている葛原岡神社の境内に到着します。
葛原岡神社で縁結びのご利益を
葛原岡神社は、初夏にアジサイが咲くことで知られるほか、縁結びにご利益があるとされ、最近は若い人たちが多く訪れるようになりました。境内には、「縁結び石(男石、女石)」がまつられているなど、いかにも"縁結びスポット"という感じです。
ハート型の絵馬に願い事を書くM恵さん
そして、絵馬も、なんとハート型! M恵さん、絵馬を購入して願い事を書いているようです。一体、どんな願い事を……。それは聞かないことにしましょう。
さて、源氏山に来たなら、絶対にはずせないのが、鎌倉幕府を開いた源頼朝の銅像。頼朝さんと一緒のポーズで、記念写真をパチリ!
頼朝さんと記念写真!
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■葛原岡神社
住所:鎌倉市梶原5-9-1(源氏山公園内)
アクセス:JR鎌倉駅西口下車徒歩35分、またはJR北鎌倉駅からハイキングコース経由
地図 → 葛原岡神社HP
銭洗弁財天で金運を!佐助稲荷で仕事運を!
次に目指す、銭洗弁財天は源氏山から少し坂道を下りたところにあります。銭洗弁財天の入口
入口はトンネルになっていて、トンネルを抜けた先の岩壁に囲まれた空間が、神社のご神域になっています。まるで、秘密の隠れ家のようです。
銭洗弁財天のご利益は、金運アップ。境内奥に湧いている水でお金を洗うと、お金が何倍にも増えるとされ、多くの人が訪れる鎌倉の人気スポットです。
境内の湧水でお金を洗うと、増えるとされる
ちなみに、銭洗弁財天でおまつりしている宇賀福神は、蛇の体に人の頭をもつ水の神様。そのため、とくに巳(み)の日は霊験あらたかだとされ、遠方からの参拝者も多いそうです。
さて、銭洗弁財天のご利益をいただいたら、境内入口まで戻り、さらに坂道を下りて、しばらく住宅地の中を歩いて行きます。
ちょっと分かりづらいかもしれませんが、下の写真でM恵さんが立っている場所から奥に向かって歩いて行くと、佐助稲荷神社の参道に入ります。
佐助稲荷神社参道への曲がり角
最近、京都の伏見稲荷神社の朱色の鳥居が並ぶ「千本鳥居」が、外国人観光客に人気があるそうですが、佐助稲荷神社の参道も、鳥居の本数こそ、伏見稲荷に比べれば少ないものの雰囲気が似ています。
M恵さん、思わずスマホを手にして記念撮影!
佐助稲荷神社参道の鳥居をスマホで撮影!
佐助稲荷神社は別名「出世稲荷」ともいわれ、ご利益は仕事運アップ。源頼朝は、この神社の神様のお告げに従い旗揚げして、やがて将軍まで昇り詰め、鎌倉幕府を開いたという伝説もあります。
さて、お参りを済ませたら、拝殿の裏から本殿への石段を上り、さらに本殿左手の道を進みましょう。この道は、大仏方面へのハイキングコースと合流します。
佐助稲荷神社の裏手から大仏ハイキングコースへ合流する道は、少し歩きづらいので注意!
この道は手すりやロープにつかまりながら歩く、やや険しい道なので、足腰に自信のない人は無理せず、いったん源氏山まで戻れば楽に歩ける道があります。
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■銭洗弁財天
住所:鎌倉市佐助2-25-16
アクセス:JR鎌倉駅西口下車徒歩25分、またはJR北鎌倉駅からハイキングコース経由
地図 → Google マップ
■佐助稲荷神社
住所:鎌倉市佐助2-22-12
アクセス:JR鎌倉駅西口下車徒歩15分、またはJR北鎌倉駅からハイキングコース経由
地図 → Google マップ
森の中のカフェで一休み!樹(ITSUKI)ガーデン
さて、ハイキングコースに合流したら、ここからしばらくは、森林浴を楽しみながら木々の間を歩いて行きましょう。木の葉が枯れた冬なら、木々の間から海が見える場所もあります。
山道を10分ほど歩くと、山の中だというのに、何やら看板が立っています。「Cafe Terrace 樹(ITSUKI) Garden」と書いてあります。ちょっと行ってみましょうか。
山の中に、カフェの看板が!
看板の先の階段を下りていくと、パッと視界が開け、そこには屋外テラスのカフェが広がっています。
CafeTerrace樹ガーデン(いつきがーでん)
こちらのカフェは、1980年の創業。この場所は、もとは別荘として利用していた場所でしたが、「ハイカーの憩いの場として開放しよう」と、カフェをはじめたそうです。
山の中腹にあるレンガ造りのテラス席は眺望も良く、秋から冬にかけては、木々の向こうに富士山が見える日もあります。
アップルパイとフルーツハーブティー
メニューはアップルパイなどのデザートや飲み物、パスタなどのランチメニューも用意されているので、ハイキングの途中のちょっとした休憩にも、食事にもいいですね。
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■CafeTerrace樹ガーデン(いつきがーでん)
住所:鎌倉市常磐917
アクセス:鎌倉駅西口下車徒歩15分、またはJR北鎌倉駅・江ノ電長谷駅からハイキングコース経由
営業時間 → カフェテラス 樹ガーデンHP
地図 → Google マップ
ゴールを目指して
腹ごしらえも出来たので、午後のハイキングを続けましょう!と張り切って歩きはじめたものの、10分ほど歩くと、「大仏坂トンネル」の脇の石段でハイキングコースは終点!「大仏坂トンネル」の脇の石段でハイキングコースは終点!
もし、まだ歩き足りないという人は、写真の石段上から、「大仏切通(きりどおし)」への分かれ道があるので、そちらを歩いてみてもいいでしょう。
「切通」というのは、人工的に山の尾根を掘り下げて通した道のことで、山に囲まれた鎌倉には「大仏切通」を含めて、代表的な切通が7ヶ所あり、昔の街道の雰囲気を味わうことができます。
「大仏切通」方面への分かれ道の道標
「切通」へ行かない場合は、「大仏坂トンネル」からトンネルをくぐらずに反対方向に5分ほど歩くと、鎌倉大仏を本尊とする高徳院の門前に出ます。
さらに、大仏のすぐ近くには、こちらも人気の観光名所である「長谷寺」もあるので、あわせてお参りするのもオススメです。
長谷寺から江ノ電(江ノ島電鉄)の長谷駅までは徒歩5分。江ノ電で鎌倉駅まで戻れば、今日の鎌倉散歩はおしまいです。わずか4時間歩いただけなのに、ずいぶんたくさんのご利益をいただけました!
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