マイナンバー法違反で逮捕者がでている!
1月からパートやアルバイトを含む全従業員のマイナンバーを法定調書に記載して税務署や年金事務所に提出しなければなりません。12月中に総務へマイナンバーを出すように言われている方も多いでしょう。会社がマイナンバーを管理しないけといけませんが、気になるのが漏えいです。さっそくマイナンバー法違反で逮捕者が出ています。香川県の会社員がマイナンバー法違反で逮捕されています。好意を抱いていた女性宅に侵入し、住居侵入罪の容疑で逮捕されました。ところがスマホを調べたら女性のマイナンバーの写真が出てきたことからマイナンバー法違反で追送検されました。
他にも東京の会社員が勤務先のネットワークを通じて女性社員のパソコンに侵入。女性が利用していたネットのデータ保管サービスに保存されていたマイナンバー通知カードの画像を不正取得した疑いで逮捕されました。会社員はこの通知カードの画像を同僚2人とグループ化した社内チャットに公開していたのが社内調査で発覚しました。
マイナンバー法には違法行為と罰則が規程されています。香川県、東京都での逮捕は「人を欺き、暴行を加え、または脅迫や財物の窃取、施設への侵入、不正アクセス行為等によりマイナンバーを取得」が該当し、3年以下の懲役又は150万円以下の罰金となりそうです。
マイナンバー法は個人情報保護法よりも厳しい
マイナンバー法とよく似た法律に個人情報保護法があります。個人情報保護法では取り扱う個人情報が過去6か月以内のいずれの時点において5,000人を超えた場合は個人情報取扱事業者となります。企業が個人情報漏えいを起こしてしまえば、関係者への迅速な連絡や原因追究、再発防止などの手をうたなければなりません。さらに大手企業なら記者会見、中小企業ならホームページで経緯説明が求められます。
個人情報保護法では刑事罰が間接罰になります。事業者が個人データ取扱規定を定めていても、定めただけで運用上、モニタリングせずに個人情報漏洩事件が起きてしまったような場合、主務大臣(監督官庁)は個人情報取扱事業者に対し、必要な措置をとるように勧告できます。また対策を講ずべき期間も設定されます。
勧告が出た後に個人情報取扱事業者が勧告を守らないような場合、次は命令になります。個人の重大な権利利益を害するような緊急措置の場合は緊急命令になります。この命令や緊急命令に従わなかった場合に刑事罰となり6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金になります。
マイナンバー法は違反に対して即座に刑事罰
個人情報保護法に対してマイナンバー法は厳しく、故意の不正取得に対してはただちに刑事罰を科す直接罰になっています。マイナンバー法で一番厳しいのが個人情報ファイルの提供違反で4年以下の懲役又は200万円以下の罰金となります。また個人情報保護法のように5,000人という事業者の制限はなく、従業員を雇用している全ての事業者が対象となります。社員がマイナンバー不正取得すれば、不正取得をした個人に対する刑事罰はもちろん、その雇用主である事業者に対しても罰金刑の処罰があります。これを両罰規定と言っています。
故意ではなく過失での情報漏えいでは罰金を科されることはありませんが、民事の損害賠償請求や特定個人情報保護委員会から勧告、指導がはいります。また企業名公表により社会的な信用を失うという多くのデメリットが発生します。
従業員がマイナンバーの入ったUSBメモリーを名簿屋へ持ち込み発覚したら、個人情報ファイルの提供違反第1号となり、全国紙に社名がデカデカと載るでしょう。
個人情報保護法ではYahoo! BB顧客情報漏洩事件が起き、殺到する苦情対応や500円の金券配布や再発防止などで、ソフトバンクBBの被害総額は結局、100億円を超えてしまいました。しっかり従業員教育とマイナンバー管理をしましょう。
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