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ホッとすると痒くなる!じんましんはストレスが原因?

急に赤いブツブツができて、かゆくなることはありませんか? 職場が変わるなど環境の変化や、受験などをきっかけに起こることが多いストレス性の「じんましん」について、皮膚科医の平 嘉也子先生にお聞きしました。

早川 景子

執筆者:早川 景子

スキンケア・ボディケアガイド

緊張から解放されたときに出てくるかゆみと赤みは
「じんましん」の可能性大

ホッとするとかゆくなるのは、じんましんが原因?

ホッとするとかゆくなるのは、じんましんが原因?

「家に帰ってきてホッとしたら、急に下着や靴下が触れている部分がかゆくなってきた」という経験はありませんか?

皮膚科医の平 嘉也子先生も、同じような経験をされたそうです。

「医学部の学生として、臨床実習で初めて病院で研修したときです。新しい環境での実習は緊張の毎日でした。研修が始まり、しばらくしたら、夜中に全身がかゆくて起きてしまうことが続いて。掻いてしまうのですが、朝にはかゆみが治り、でも、また夜になるとかゆくなって……。それが1ヵ月くらい続いたので、おかしいなと思ったのですが、そのことを考えている暇もなく過ごしていたら、ある日かゆみがなくなっていることに気がついて。自然に治っていたのですね。あれはストレス性のじんましんだったのだろうと思います」。

大人に多いのが、ストレスや疲労に伴う「じんましん」

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じんましんの原因は多種多様。なかにはストレスや疲労に伴うものも。


ストレスが原因でじんましんが出ることがあるのでしょうか?

「じんましんは一般的には”アレルギー“という印象があると思いますが、アレルギーではなく、からだの過敏性が亢進した状態で出ることも多いです。また、まれに体内に潜んでいる基礎疾患も原因になることもあります。もっとも多い原因を簡単に上げますと以下などありますが、実はもっと色々な要因があります。じんましんの原因は多種多様であり、原因が特定できないことが多いのが特徴です。原因不明で特発性のじんましんも少なくありません(詳しくは公益社団法人日本皮膚科学会のホームページ*をご覧ください)」。(平先生)

○じんましんの原因の中でもよく見られるもの
・アレルギー性(食品・食品添加物・薬・ほこり・花粉)
・物理的刺激(圧迫・摩擦・寒さ・暑さ)
・自律神経の乱れ(不安・疲労・ストレス・発汗)
・接触性(金属・化学物質・香料)
・感染性(細菌・ウイルス・カビ)
・基礎疾患(膠原病、悪性腫瘍など)

「なかでも、来院される成人のじんましん患者さんで意外と多いのがストレス(アドレナリン性じんましん)や疲労に伴うじんましんです。ストレスや緊張から解放されたときに出ることも多いです。だいたい夕方以降、家に帰ってホッとしたときに出ることが多いですね」。(平先生)

赤みやかゆみが一度きれいに消えるのが、じんましんの特徴

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その赤みとかゆみは「じんましん」かもしれません。

そもそもじんましんとはどのような病気なのでしょうか?

「じんましんとは、からだの中や外から加わるさまざまな刺激の過敏性の亢進状態です。皮膚の表面に蚊に刺されたようなブツブツができたり、環状や地図状に赤く腫れたりします。重症の場合は息が苦しくなることも。通常は1時間から数時間、繰り返しかゆみが出てくるのが特徴です。1ヵ月以内に治るものを急性じんましん。1ヵ月以上に渡って繰り返すものを慢性じんましんといいます」。(平先生)

そして、湿疹などとの大きな違いは「特殊なじんましん以外は、一般的には跡形もなく、いったんその日のうちにひいてしまうのがじんましんの定義です。湿疹や虫刺され、ニキビ、アトピー性皮膚炎は表皮の問題なので、皮膚表面がカサカサしたり皮が剥けたり、色素沈着になるなど、普通は跡が残ります。それに対してじんましんは真皮の血管の反応なので、跡に残らないというのが特徴です」。(平先生)
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真皮にある肥満細胞(マスト細胞)が何らかの刺激を受けるとヒスタミンなどを放出。このヒスタミンが皮膚の毛細血管に作用すると血液成分が血管外へ漏れ出して、皮膚にブツブツ(膨疹)や赤み(紅斑)、ミミズ腫れを生じます。また、知覚神経に作用してかゆみを生じます。これがじんましんです。 (イラスト協力/塩野義製薬株式会社http://www.shionogi.co.jp/wellness/diseases/hives.html)


治療は原因除去と内服薬、ときには漢方も

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皮膚のかゆみ、赤み、ブツブツが気になるときは、早めに皮膚科で診てもらいましょう。


では、じんましんが出たら、どのようにしたらいいのでしょうか?

「早めに皮膚科で診てもらいましょう。じんましんと湿疹・皮膚炎の治療の大きな違いですが、湿疹・皮膚炎は外用、ときには内服薬ですが、じんましんは皮膚の血管の反応が原因なので、内服薬が主体ということです。治療にはヒスタミンなどの炎症物質を抑える薬(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤)が処方されるのが一般的です。これを続けて飲み続けることが大切ですが、きちんと服用していても、原因が取り除かれないままでいると、じんましんを繰り返すことになります。診察時に原因と考えられることがわかった場合は、それを取り除く努力も大事です。たとえば、食品によるアレルギーが原因ならそれを食べないように気をつけ、温熱じんましんでしたら熱いお風呂に入らずシャワーにする。疲労が原因だと思われた場合はできるだけリラックスするのと同時に規則正しい生活を心がけるなど、といったことです」。(平先生)

また、漢方薬を処方することもあると平先生はいいます。

「充分な問診をはじめ、患者さんの舌を診たり、お腹を触ったりして漢方を選んでいきます。また、じんましんに関係ありそうな症状がないかを探したり、患者さんのお話から不眠やストレスなどが関係していないかも確認します。弱っている胃腸に効くものや免疫を高めるもの、不眠に効くものも使いますが、色々な方面から治療していくので漢方治療は奥が深く、一言では説明できません。ただ、これがとても効いて、早く治ることもあります。特に、ストレスが関係しているじんましんには、私は漢方薬も一緒に処方するケースがよくあります」。

じんましんのかゆみで辛いときは、患部を冷やすと少しはかゆみが楽になるそうです。また、アルコールや香辛料が強いものはかゆみを増すので、なるべく控えましょう。

職場や生活環境が変わったとき、受験などでストレスを感じやすいときは、ストレス性のじんましんも起こりやすくなるそうです。かゆみや赤み、ブツブツが気になるときは、早めに皮膚科で相談しましょう。

*公益社団法人日本皮膚科学会 皮膚科Q&A蕁麻疹https://www.dermatol.or.jp/qa/qa9/index.html

*記事監修/平 嘉也子(ひら かやこ)
平 嘉也子先生

平 嘉也子先生

ひら皮膚科クリニック院長。アメリカ ワシントン州生まれ。佐賀大学医学部卒。順天堂大学アトピー専門外来、都内の病院やクリニックで勤務の後、2015年ひら皮膚科クリニックを東京・下北沢に開院。日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医。臨床皮膚科学会、日本美容皮膚科学会、東洋医学学会会員。






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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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