ミュージカル/ミュージカル・スペシャルインタビュー

小池徹平、ミュージカルに夢中【気になる新星vol.25】(4ページ目)

TVドラマや映画、音楽と幅広い活躍の傍ら、13年に『メリリー・ウィー・ロール・アロング』でミュージカルに初挑戦した小池徹平さん。以来次々と目覚ましい成果を挙げ、ミュージカル界にとっても非常に頼もしい存在となりつつあります。初春には名作『キャバレー』に出演する彼にとって、ミュージカルの魅力とは?*17年7月のコメントを追加掲載しました*

松島 まり乃

執筆者:松島 まり乃

ミュージカルガイド

17年7月インタビュー
『キャバレー』、TVドラマ『リバース』の思い出、
そして今、抱くヴィジョン

小池徹平undefined86年大阪府出身。TVドラマ『シバトラ』『ちかえもん』映画『ホームレス中学生』等俳優として活躍するほか、ウエンツ瑛士とのデュオWaTで音楽活動も展開、NHK紅白歌合戦にも出場(16年に解散)。初舞台は『シダの群れundefined純情巡礼編』。undefined (C)Marino Matsushima

  (C)Marino Matsushima

(最新作である『デスノート』についてのコメントはこちら

――昨年のインタビュー以降のお話をうかがいますが、まず年初には長澤まさみさん、石丸幹二さんとの共演が話題となった『キャバレー』がありました。

「その前に、先日はAll Aboutミュージカルの賞をいただいて有難うございました」

――勝手に選んでしまってすみません(笑)。しかも一般社会的には違和感があるだろう“新星賞”で……。

「いえ、僕はミュージカルの世界ではまだ新人なので。嬉しかったです」

――さてさて、『キャバレー』で演じられたクリフ役はバイセクシャルということもあって、とっぽいおぼっちゃまというより、クールな面が印象的でした。ご自身としてはいかがでしたか?

「確かにバイセクシャルな役で、作品自体そういうものがとりこまれてる部分がありましたね。僕は身近にバイセクシャルの友達がいなかったけど、公演をきっかけにお話しすることができて、根本的に(ヘテロセクシャルとは)考え方が違う部分もあるんだなと発見があって、変に抵抗感なく演れてたかなと思います。でもことさらにそこがフォーカスされている作品というわけではなくて、クリフは(長澤まさみさん演じる)サリーに出会ってからはどんどん彼女にのめり込んでいっていました。僕自身が作品に対して客観的だったのかもしれません」

――この春放映されたドラマ『リバース』では、その死の真相に主人公たちが迫ってゆくというキーマン、広沢を演じていらっしゃいました。初回から既に亡くなっている設定でしたが、彼の生前の何気ない言葉が10年以上経っても友人たちを勇気づけている、しかし最終回近くで“自分を空っぽに感じる”とも吐露するシーンもあって、闇の部分も抱えた人物像が興味深かったです。

「すごく難しい役でしたね。回想でしか出てこない役で、みんなの心の中にしか生きていないという儚さがあったり。みんなが広沢の一言で救われていたけど、こちらからしたらそんなつもりで言ってたわけじゃない。自分も悩んで、苦しんでたのを外には出さずに、神秘的でなんでもできて、みんなから羨ましがられて……と思われないといけない役で、変に意識するとおかしくなるし、とても難しかったです。見せたくない部分には蓋をしてたけど、あけてみれば人間ぽくて、なんでも器用にこなせるように見えるかもしれないけど、実は好きなものに熱中できる皆が羨ましい。どこかで“無理しなくてもいいんだ”と思っている自分もいて。撮影ではよく監督に“かっこよくしないでください”と言われて、別にそういうつもりはないんだけど、“今のかっこよかったから、もう一回お願いします”と。監督が一つ一つ、細かく指摘して下さったので、すごく頼って演じていました」

――今年は『デスノート』の後、『ロッキーホラーショー』という、また全然違う作品に出演されますね。何とも広い振り幅ですが、ご自身で意識されての選択でしょうか?

「『デスノート』の時もそうでしたが、“意外とこういう役やるんだ”というものをやるのが好きなんですよ。自分で言うのもなんですけど、けっこう男臭い部分があって、なんでもやりたいし、(『ロッキーホラーショー』のような)イっちゃってる役もやりたいんですよ。振り幅というか、何にでもなりたい、何にでも挑戦したいと思っています」

――前回のインタビューで、“まずは自分の力をつけて、目標とする地点に辿り着きたい”とおっしゃっていましたが、今はそのどのあたりまで来たという感覚でしょうか?

「辿りつきたいところが変わってきてるのかな。ちょっとずつ、目的地を変えちゃってるかもしれません。今はどんどん、いろんなところを歩いてみたいですね。もちろん常に歩み続けてるし、いろんな景色がミュージカルの世界とかテレビの世界を歩かせてもらっていると目に入ってくるから、ああここも行きたいなとか、目的地が、大幅には変わらないけど、距離が伸びていっているような感じというか。伸ばしたくなってくるんですよ」

――アスリートですね(笑)。

「(そのままでは)満足できないんですよ」

――余談ですが、この前ウエンツ瑛士さんに取材しましたら、ご挨拶のはじめに“この前、小池のインタビューをしてくださって有難うございました”とおっしゃられてびっくりしました。思わず“ご家族の方ですか”とお答えしてしまいましたが。

「まぁまぁまぁ(笑)、家族に近いですよ。身内みたいなものなんで。互いのことはよくわかってますね。『デスノート』の再演も、いつかはわからないけど、来てくれると思います」

――同じ世界にそういう存在がいて、素敵ですね。

「そうですね。本当に長いこと苦楽を共にしている仲間なので。今も解散はしましたけど彼の活動も逐一見るし、頑張っている姿を見ると嬉しくなるし。本当にできた人間だと思うので、彼は。不器用だし、ちょっとダメな部分もあるけれど(笑)、真面目なんです。素敵な相方というか、今は組んでないけど相方だと思ってるし。やっぱり家族ですかね」

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