2017年は酉(とり)年
2017年(平成29年)は酉年で、動物にあてはめると鶏になります。そこで、酉と鶏に関する豆知識を紹介しますので、年賀状や新春の話題にご活用ください。※本来、干支は十干と十二支を組み合わせたものなので、2017年の干支は「丁酉」(ひのととり)となりますが、一般的には十二支のほうをさすため、ここでは「酉」をとりあげます。
十二支としての酉について
・十二支の10番目。・酉の方位は西。
・酉の刻は、午後6時およびその前後2時間。
・酉の月は旧暦8月。
毎年11月の酉の日に行われる「酉の市」では、名物の縁起熊手で、新年の開運招福、商売繁盛を願います。
→「酉の市」の由来と楽しみ方
酉年生まれの特徴
洞察力があり、多くの才能に恵まれている。頭の回転が速く、几帳面で集中力や持続力があり凝り性な反面、こだわりが強いので理想やプライドが高く、妥協が苦手だといわれています。酉という字の成立ち
酉の字は酒を醸す器の象形文字で、「酒」のもとの字です。収穫した作物から酒を抽出する、収穫できる状態である、成熟した状態などを表すため、「成る」「実る」「成熟」の意味があります。こうしたことから酉を用いた字には、酒、酢、酸、酩酊、発酵、醤油などがあります。鶏についての豆知識~文化的特徴
「鳥」ではなく「鶏」なので、年賀状に漢字やイラストを入れる際にはご注意ください
日本の文献で最初に鶏が登場するのは『古事記』で、天照大神(天照大御神)が天の岩屋戸に隠れてしまい世界がことごとく闇になったとき、八百万神が常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)を鳴かせて、天照大神を呼び出す話があります。この「常世長鳴鳥」が鶏=ニワトリです。鶏はまさに天照大神や太陽を迎えるもので、神聖なものとされていました。現在でも、神宮(伊勢神宮)の鶏は神鶏と呼ばれ、式年遷宮の際、「鶏鳴三声(けいめいさんせい)」という遷宮を象徴する儀式があります。また、鶏のいる神社も多くみられます。
やがて、奈良・平安のころに闘鶏が行われるようになり、江戸時代には採卵、食用されるようになって身近な生き物となりました。ニワトリの語源は、庭のトリだといわれています。こうした経緯もあり、鶏は日本画にも多く登場しています。あの伊藤若冲も好んで鶏を描いていますね。
ニワトリの鳴き声
日本語では「コケコッコー」と表現しますが、他国では違うのでいくつか紹介します。音をカタカナ表記にするとこのような感じです。【日本語】 コケコッコー
【英語】 クックドゥードゥルドゥー
【フランス語】 コッコリコー
【スペイン語】 キキリキ
【ドイツ語】 キッケリキー
【イタリア語】 キッキリキー
【中国語】 コーコーケー
【韓国】 コッキオ
鶏にまつわることわざ、慣用句
●鶏群の一鶴(けいぐんのいっかく)/群鶏の一鶴/鶏群の孤鶴/野鶴の鶏群に在るが如し多くの凡人の中に一人だけ抜きん出て優秀な人がまじっていることのたとえ。
●鶏口牛後(けいこうぎゅうご)/鶏口となるも牛後となるなかれ
大きな集団や組織の末端にいるよりも、小さな集団や組織の長として活躍するほうがよいということ。鶏口とは鶏のくちばしのことで、小さなものの頭のたとえ。牛後とは牛の尻のことで、大きなものの末端のたとえ。
●鶏を割くに焉んぞ牛刀を用いん(にわとりをさくにいずくんぞぎゅうとうをもちいん)
小さなことを処理するために、大物を用いたり大げさな手段を取る必要はないということのたとえ。また、適用の仕方が正しくないことのたとえ。
●甕裡醯鶏(おうりけいけい)
見識が狭く世間知らずな者のたとえ。甕裡は甕(かめ)の中のこと、醯鶏は酒つぼなどに湧く小さな虫のことで、甕の中に湧く小さな虫の意から、世の中を知らない小人物のたとえになった。
●嫁鶏随鶏(かけいずいけい)
妻が夫に従うことのたとえ。嫁鶏は嫁いだ雌鶏のことで、雌鶏が雄鶏に従うの意から、妻が夫に従うことのたとえになった。
●家鶏野雉(かけいやち)/家鶏をいとい野雉を愛す
平凡で古いものを嫌い、珍しく新しいものを好むことのたとえ。また、家にあるものより外にあるものを好むこと。家で飼っている鶏を嫌い、野性の雉(きじ)を好むという意から。
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