今後も利下げがあるかもしれない「マイナス金利政策」。教育資金の準備にどのような影響をもたらすのか、考えてみましょう。

マイナス金利政策でどうなった?

マイナス金利時代

マイナス金利でも教育資金はしっかり準備

2016年2月、「物価上昇率2%」を実現するための手段の1つとして、日銀による「マイナス金利政策」がスタートしました。マイナス金利が適用されたのは、銀行が中央銀行である日銀に資金を預ける際の「当座預金」の金利で、新規に預ける分が▲0.1%になり、現在も続いています。

銀行は日銀に預けると金利を支払わないといけないため、預けずに企業や個人への融資を増やそうとします。そうなると貸出金利も下がり、企業が設備投資をしやすくなったり、個人がローンで住宅などを買いやすくなることが期待されます。マイナス金利政策によって世の中にお金が回り、景気回復や物価上昇につなげることが当初の狙いでした。今後も、状況によってはさらなる利下げを行なう可能性もあるようです。

金融商品への影響は?

マイナス金利政策により、金融商品にも影響が現れています。

1つは預金金利。一時期は、多くの銀行が普通預金の金利を0.001%、定期預金金利も0.01%へと下げた銀行もあります。その後やや金利は上がったものの、今後、マイナス金利の幅が拡大することがあれば、預金金利はまたすぐに下がるかもしれません。

金利だけでなく、ATMの時間外引出しやコンビニATM無料の回数が減ったり、振込手数料無料の回数が減るなど、サービスが低下した銀行もあります。これもマイナス金利政策の影響です。

もう1つは、国債利回りに連動する金融商品です。長期国債(10年物)の利回りは2016年10月5日現在▲0.063%で、学資保険や終身保険をはじめ国債中心に運用されている貯蓄型保険には大きな影響があります。しかも、2017年4月には標準利率引下げが予定されており、貯蓄型保険はもう1段の値上げも見込まれています。

教育資金への影響と注意点

マイナス金利が続き、金利がさらに低下した場合、教育資金への影響はどのように現れてくるでしょう。教育資金準備に活用される金融商品への影響や注意点について確認してみましょう。

●定期預金(自動積立定期など) ↓
預金金利は低いもののマイナスではないので、流動性ある資金として一部は定期預金も活用しましょう。今後さらに金利が下がると見込まれるなら、金利が低くても預入期間は長めに設定しておいた方がいいかもしれません。

●学資保険 ↓
主に国債等で運用されている学資保険は、マイナス金利の影響で貯蓄性は低下しました。しかも貯蓄型保険に影響する標準利率が2017年4月に引下げられることが決まっており、貯蓄性はかなり悪化が見込まれます。元本割れがないことを確認して加入しましょう。

●低解約返戻金型終身保険 ↓
学資保険同様、マイナス金利の影響と標準利率引下げの影響を受けます。加入するなら値上げ前の今のうち(2017年3月まで)かもしれません。元本割れがないことを確認して加入しましょう。
今後は、保険会社から外貨建終身保険を学資保険代わりに勧められる可能性が高いです。利用する際には、為替リスクがあることを理解して利用しましょう。また、後述の通り、リスクのあるものは3割までに抑えた方が無難です。

●財形貯蓄(住宅財形・一般財形) ↓
財形貯蓄もマイナス金利の影響を受けます。しかし、給与からの天引きによる積立は教育資金準備の重要なポイント。金利が低くても、確実に貯める方法として利用価値はあります。

●個人向け国債 →
最低金利が0.05%と設定されているため、教育資金の運用先としてもいま利用が広がっています。特に、「変動10」なら金利が上がれば適用金利も上がる可能性があるため、10年程度預けるなら◎。

●積立投資信託(ジュニアNISAまたはNISA活用) →
価格変動リスクのある投資信託はリターンも狙える半面、元本が目減りするリスクもあります。リスクを軽減するには、時間を分散させて積立をすることが1つの方法。投資信託の積立をする場合は売買手数料がかからず、信託報酬も低めの各種インデックスファンドが候補になるでしょう。

今後は、教育資金を投資性のもので運用することを勧められる機会が増えるかもしれませんが、割合としては教育資金全体の3割以内に抑えたいもの。3万円積立をするなら、投信積立を1万円に抑える形です。
ジュニアNISAもしくは親のNISAを上手に活用するといいでしょう(詳しくは後述)。

●外貨積立 →
将来、留学に行く可能性があるなら外貨積立をするのも1つの方法です。当然ながら、行く可能性がある国の通貨で行いましょう。為替手数料が低くて済む銀行、そして使う場合に使いやすい銀行で積立をするといいでしょう。リスクがあるため、投信積立も含め、教育資金全体の3割以内に抑えましょう。

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