タブレットPC/タブレットPC活用術

Kindle Unlimitedを使ってわかったKindle Fireの凄さ

Amazonのプライム・ビデオとプライム・ミュージックにKindle Unlimitedが加わって、映画を観る、音楽を聴く、本を読むの娯楽がすべて定額で楽しめるようになりました。これらのサービスに最適化された「Fireタブレット」は、他社には作れない最良のコンテンツプレイヤーなのでご紹介します。

傍島 康雄

執筆者:傍島 康雄

タブレットPCガイド

Fireタブレットに魅力を感じなかった理由

何度か使う機会があったもののAmazonのFireタブレットは、ふたつの理由で魅力を感じていませんでした。

ひとつは、Fireタブレットに搭載されている「Fire OS」のUI。Fire OSはAmazonがAndroidをカスタマイズしたOSで、「Fire OS 4」までのホーム画面はiTunesのカバーフロー風でこれが苦手でした。見た目は華やかですが、扱うコンテンツの種類と数が増えると、目的の物を探し出すのが面倒で不満がありました。

しかし、Fire OS 5からは、Androidのホーム画面に近い使い勝手になりこの不満は解消されました。
FireOS 5のホーム画面

FireOS 5のホーム画面


もうひとつは、コンテンツを楽しむごとに支払う費用。当たり前のことではありますが、都度発生すると躊躇してしまうことがあり、存分に楽しめていませんでした。しかし、プライム会員向けの「プライム・ビデオ」と「プライム・ミュージック」に加えて、月額980円で読み放題の「Kindle Unlimited」がはじまったことで状況が一変。観る、聴くに加えて「読む」も定額で思う存分コンテンツを楽しめるようになり、心理的な壁が取り払われたのです。


コンテンツが主役のタブレット

Fireタブレットの主役はアプリではなくコンテンツです。そのため、Fire OSにはコンテンツを引き立てて、これを集中して楽しむための仕掛けが用意されています。

たとえば、ホーム画面にある「最近のコンテンツ」は、直近に利用したコンテンツの履歴が表示されます。ここでは、再生したビデオや再生した音楽、読んだ本、使ったアプリなどが同列に扱われて、最近使ったものから順に表示されます。

たとえば、Kindleで読んだ本の続きを読む場合は、最近のコンテンツで目的の本をタップするとアプリが起動して続きから読めます。同じ要領で、映画や音楽も最近のコンテンツから続きを楽しめるのです。
ホーム画面の最近のコンテンツ

ホーム画面の最近のコンテンツ

これがiPadだと、Kindleアプリを起動してからの操作になり、常にアプリを意識する必要があります。Fireタブレットは、コンテンツだけを意識していれば良く、コンテンツプレイヤーとなるアプリは脇役扱い。生産性向上にタブレットを使うのであればアプリは重要な道具となるので、これが主役になるのは当然です。

しかし、Fireタブレットのように、コンテンツを再生するのが主目的であれば、これに没頭できる作りになっているのは理にかなっています。

また、複数巻にまたがるマンガの1冊を読み終えると、確認画面が表示されて続きの巻を読み進められるのも便利なポイント。端末に続きがなければ、Kindleストアにアクセスしてダウンロードできる導線があり、Amazonのサービスがストレスなく使えるように気が配られています。
続き物は、読み終えると「続きを読む」が表示される

続き物は、読み終えると「続きを読む」が表示される

これが作れる会社は多くない

Fireタブレットの価格は8GBのモデルであれば1万円を切る8,980円。プライム会員であれば4,000円オフの4,980円で購入できます。この価格を考えれば、作りが良く十分な速度なので不満はありません。7インチディスプレイの解像度は1024 x 600(171ppi)で今どきのスペックではありませんが、映画を観たり写真を確認するには十分な品質です。
画面のアップ。フォントのドットが見て取れる

画面のアップ。フォントのドットが見て取れる


低価格タブレットでは、音声再生系にコストダウンのしわ寄せがおよびます。Fireタブレットは、モノラルスピーカーながらも十分の音量と品質で再生されます。
モノラルスピーカーながら十分な品質

モノラルスピーカーながら十分な品質


Fireタブレットは、端末単体で見ると「~にしては」の前置きが多くつきます。しかし、その価値は端末単体で見るのではなく、サービスを含めて見るべきです。ただし、サービスの維持費が必要で、Amazonプライムの年間3,900円に加えて、Kindle Unlimitedの年間11,760円を加えると合計で15,660円。これを高いと感じるかは人それぞれですが、筆者はコンテンツの数と品質ともに満足しており、納得して使っています。

Fireタブレットは、観る・聴く・読むのサービスを自社で抱えて、物販を主とするAmazonだからこそ開発して販売できたものでしょう。これと同じ端末が作れたとしても商品として成立する会社は多くありません。
Fireタブレット

Fireタブレット

端末のサブスクリプションに期待

筆者は、Fireタブレットをハードウェアとして売るのではなく、定額費用を支払うことで最新のFireタブレットが使えるサブスクリプションサービスが提供されれば、ぜひ使ってみたいと考えています。

サービスはコンテンツの品質や数も重要ですが、使っている時の応答速度や映像・音声の品質は、端末性能が担っている部分でもあります。ここまでをAmazonが提供するサービスの範囲となれば、もう追従できる会社はないでしょう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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