「ふるさと納税制度」で確定申告しなくてもOKの「ワンストップ特例」
出身地や応援したい自治体へ気軽に寄附できる「ふるさと納税制度」。節税はもちろん副産物としてもらえる返礼品へも注目が集まっていますね。さらに確定申告しなくても節税メリットを受けられるワンストップ特例が平成27年より実施されたにことでより注目が集まっています。しかし、一方で便利で手軽なはずのワンストップ特例にマイナンバー制度が影響しているのも事実です。ふるさと納税を利用して、ワンストップ特例で節税メリットを受けたい人への注意点を取りまとめてみました。
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ふるさと納税ワンストップ特例のメリットと注意点
ふるさと納税の仕組みとは
ふるさと納税とは、寄附金控除の仕組みを通じて税金の負担軽減ができる制度のひとつです。出身地や応援したい任意の自治体に寄附をすることにより、結果として、原則、自分が負担する本年分の所得税と翌年度分の住民税が軽減されるので「ふるさと納税」という呼称が定着したというのが実情です。ただし、ワンストップ特例を活用する場合は所得税は軽減されず、その分も含めた控除額の全額が、住民税から控除されますので、その手続きに必要な情報が市区町村に共有されているかがポイントとなります。ワンストップ特例とは
従来、ふるさと納税で節税メリットを受けるためには、確定申告を行う必要がありました。ただし、
- 確定申告を行う必要のない給与所得者等であること
- 1年間の寄附先自治体が5以下であること
ワンストップ特例をうけるための手順
ワンストップ特例を受ける場合の流れと仕組みは以下のとおりです。- ふるさと納税を行った自治体に「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出(上図 1)
- 住所地の自治体に税額軽減に必要な情報が連絡(上図 2)
- ふるさと納税を行った翌年、住所地の住民税から、節税額が全額減額(上図3)
ワンストップ特例とマイナンバー制度はどこで関連?
一方、平成27年年末より、マイナンバーが割り振られ、税と社会保障と災害対策の分野で活用されることとなっています。ワンストップ特例を活用したいのであれば、ふるさと納税を行った自治体に郵送で「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を提出しなくてはならないのですが、この「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」にマイナンバーを提出することにより、「ふるさと納税を行った自治体が複数ある場合の情報共有」や「本人確認」あるいは「なりすまし防止」の対策となります。マイナンバー提示時の注意点
具体的な手続きとしては、マイナンバーを記入した寄附金税額控除に係る申告特例申請書をふるさと納税を行った自治体送ることになるのですが、それと同時に、- 「個人番号の確認の書類」のコピー
- 「本人確認の書類」のコピー
この場合、以下の3パターンにわかれます
■個人番号カードを持っている人
・・・個人番号カードの表面と裏面のコピー
■通知カードを持っている人
・・・通知カードのコピーと運転免許証やパスポートなど写真・氏名・生年月日または住所が確認できるもの
■個人番号カードも通知カードも持ってない人
・・・個人番号が記載された住民票の写しと運転免許証やパスポートなど写真・氏名・生年月日または住所が確認できるもの
とされています。
つまり、運転免許証やパスポートなどがない方は通知カードのコピー、あるいは個人番号が記載された住民票の写しだけでは本人確認が不可となるので、ふるさと納税でワンストップ特例を活用するためには早めに個人番号カードを発行してもらう必要があります。
ワンストップ特例を受けた後に確定申告する際の注意点
ワンストップ特例はこのように便利な制度なのですが、「医療費控除を受けたい」とか「住宅ローン控除を受けたい」といったように、ワンストップ特例申請後に何らかの事由により確定申告の提出をしたい人がいるとします。その場合、ワンストップ特例申請を行った自治体も含め、すべての自治体の節税手続きを確定申告書の記載内容内に含めてください。たとえば、
- 1年間の寄附先自治体が5以下であること
この場合、A、B、C、D、Eの5つの自治体すべてのふるさと納税の節税手続きを確定申告でやり直す必要が出てきます。
もちろん、確定申告書自体にマイナンバーの記載をもとめられますし、その場合の「個人番号の確認」「本人確認」の方法は上記のとおりとなります。
ワンストップ特例申請を利用する場合も、確定申告を利用する場合も、今後このように、税制にも徐々にマイナンバーが影響してくるでしょう。
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