平成29年度の全国受入額は前年比809億円増の3653億円!

平成20年(2008年)にふるさと納税がスタートしてから平成29年で10年が経ち、10年分の実績がでました。総務省ふるさと納税ポータルサイトから、過去10年間の寄附金額と寄附件数をまとめて表にしてみました。また、寄附金額と寄附件数の前年比および寄附1件あたりの寄附金額を計算し、合わせて載せておきました。
 
ふるさと納税、推移、1年間

ふるさと納税全国受入額の推移


平成29年度(2017年)のふるさと納税による寄附金受入額は、全国で3653億1666万5608円になりました。前年比で809億円も増加しています。寄附件数も1730万1584件で前年比459万件も増加しています。1件当たりの寄附金額は21,115円で前年比微減です。

過去10年を振り返ると、平成25年度までは比較的緩やかな増加でしたが、平成26年度以降に増加のスピードが速まり、最近の4年間で3508億円も増えています。これは平成27年度に「ふるさと納税ワンストップ特例制度(従来税金の控除を受けるために必要だった確定申告が、給与所得者が5団体以内にふるさと納税するような場合に限り確定申告が不要になる制度)」が開始したことや、税額控除できる枠の拡大、マスコミでの取り上げ増加、経験者の口コミ等が要因と考えられます。平成30年度は寄附金額4000億円、寄附件数2000万件を突破するのでしょうか。
 

平成29年度寄附金額トップは大阪府泉佐野市の135億円

ふるさと納税の受入額を全国の団体別(都道府県や市区町村)にランキングし、上位10団体を並べてみました。
 
受入額、自治体、泉佐野市

ふるさと納税受入額ランキング


平成29年度に全国で最もふるさと納税による寄附金を多く集めたのは大阪府の泉佐野市です。泉佐野市は大阪府南部の関西国際空港がある市です。1年間で135億円も集め、過去最高であり、断トツの1位です。泉佐野市だけで全国の3.7%もの寄附金を集めており、寄附件数は86万件で20件に1件は泉佐野市への寄附ということになります。

泉佐野市の次に寄附金を集めたのは宮崎県都農町の79億円で、金額で全国の2.2%、件数で全国の2.5%分を集めています。3番目に集めたのは宮崎県都城市の75億円で、金額で2.1%、件数で3.0%分を集めています。4番目の佐賀県みやき町も72億円と多く、ここまでの4市町で全国の1割もの寄附金を集めています。

寄附金を多く集めている市町の1件当たりの寄附金額は1万円台が多く、全国平均(21,115円)を下回る小口の寄附が多いようです。
 

高知県奈半利町は寄附金が5年間で25万倍!

平成29年度に寄附金を多く集めた10の市町が過去どのくらい寄附金を集めていたかを確認するため、平成24年度以降の寄附金額を確認してみました。参考までに平成28年度に寄附金を多く集めていた5市の推移も載せておきます。
 
受入額、推移、ふるさと納税

受入額の多い自治体の推移


寄附金全体が急増していることから、多く集めている市町も急増しています。泉佐野市の1年前の寄附金額は35億円なので、僅か1年で100億円も増えています。さらに過去に遡ると平成24年度は1902万円しかありません。つまり、平成24年度から5年間で寄附金額は711倍になっています。増加率でみるとさらに上があり、佐賀県上峰町は31万円から67億円へ2万1876倍に、高知県奈半利町は15,220円から39億円へ25万6612倍にもなっています。

一方で昨年2番目に寄附金が多かった長野県伊那市は72億から1年で4億円へ94%も減っています。3番目に多かった静岡県焼津市も51億円から27億円へ47%も減っています。熊本市は昨年熊本地震からの復興を支援する目的で多くの寄附金を集めましたが、1年経って1/3程度に減っています。これほどまでに寄附金額が増減すると、受け入れる市町村等も大変ではないでしょうか。
 

東京都府中市が過去3回も寄附金額で全国1位になっている

最後に平成20年度から平成29年度までの各年で、寄附金の受入額が多い市町村等を10位まで表にまとめてみました。記載の数字は寄附金の受入額(単位:千円)で、主だった都道府県ごとに色分けしてあります。
 
泉佐野市、都城市、平戸市

ふるさと納税受入額10年間のランキング


寄附金額がまだ少ない頃は東京都の区や市が上位に多く、府中市は過去3回も1位になっていますが、最近は入れ替わりがかなり激しくなっています。平成29年度の10市町で3年前も10位以内なのは都城市だけです。また、東北地方太平洋沖地震の後は岩手県・宮城県・福島県の市町村等が上位に入り、熊本地震の後は熊本市が上位に入るなど、復興支援目的でふるさと納税が活用されることもあります。

ふるさと納税は名前に「ふるさと」と付いていても、自らのふるさと(出身地等)に寄附する人は少数派で、実際は寄附することで受け取れる返礼品の内容によって、集まる寄附金額がかなり増減しているようです。ふるさと納税制度に対する考え方は市町村によって様々であり、寄附する人の目的も様々です。総務省はふるさと納税の本来の趣旨から外れて返礼品競争にならないよう注視していますが、10年経った今でも、まだ制度が安定しているとは言えません。総務省や寄附する人、受け入れる市町村等が協力して、持続可能なより良い制度になっていくことを期待しましょう。
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