大手マンションデベロッパーの一角「三菱地所レジデンス」は、このほど「ザ・パークハウス グラン 麻布仙台坂」プロジェクト発表会を行った。「ザ・パークハウス グラン」は同社シリーズ最高峰に位置付けられるブランドである。これまでの供給実績は、南青山、三番町、千鳥ヶ淵等といずれも都心人気立地に限定される。
「ザ・パークハウス グラン 麻布仙台坂」は港区南麻布1丁目、最寄り駅は地下鉄南北線等「麻布十番」駅で、現地までは徒歩9分である。総戸数11戸、地上5階・地下2階建て。専有面積は全戸120m2超かつ角住戸。
立地の特長を3点に絞って解説する。
南麻布アドレスの魅力
まずは、生活利便性の高い麻布十番エリアに程近いことである。現代にできた商業地でなく、更科堀井や豆源など100年以上の歴史を有する老舗がある商店街は東京でも稀だろう。これは近くの古川に船着場が設けられ、善福寺の参道が賑わったことに由る。江戸時代ならではの都市交通網と生活風俗が繁華街を興した例は麻布十番以外に神楽坂が該当する。いずれもマイホーム候補として根強い人気がある街だ。次に、現地が高台に位置すること。南麻布は善福寺(山号「麻布山」)の南一帯に広がるが、地勢は北側が高く、南に向かって下り斜面となる。元麻布から南麻布かかる高台の閑静な邸宅街は、中高層建物も少なく、じつに落ち着いた街並みである。
最後は、大使館が集積するエリアの一画であることだ。さまざまな国籍の人が集まる場所は、教育機関や商業、住宅など多方面の施設等に影響を及す。それが他にはない街の個性となるのだが、例えば賃貸住宅市場ではホームパーティが可能な広い住戸のニーズが生まれやすい。ちなみに彼らをメインターゲットにしたのが有名なホーマットマンションシリーズである。
エリア個性を理解すること
「青山と麻布では顧客層に違いがありますか?」プロジェクト発表会ではこんな質問が出た。販売責任者曰く、「それは明確」。「例えば南青山は年代層の幅が広く、番町は狭域傾向が強い」そうだ。各エリアの特徴を深く知ることは、そこで得ることのできる暮らしのイメージを具体化するばかりでなく、資産性に関する要素を熟知することでもある。
リーマンショックからアベノミクスまでの期間は、高級マンションといえど総額(グロス)を抑制した面積帯が多くの割合を占めた。つまり、今後しばらくは「好立地×築浅×面積が広い住戸」は相対的に希少性を孕んでいる可能性がある。まずはエリア個性にあった商品企画かどうか、そしてそれは市場にどれだけ存在しそうか。そんな見方ができるようになれば大きく間違った判断は回避できるのではないだろうか。
画像はすべて三菱地所レジデンス提供
【関連記事】
「ザ・パークハウスグラン麻布仙台坂」記者発表会の様子