「一人で抱え込んで、結局ダウンしてしまう人」になる前に……

壁に寄り添う婦人

1人では抱えられない課題を1人だけで抱えていませんか?

人が生きていく中では、一人では本当にどうにもならないほど負担の大きい時期があるものです。仕事や出産、育児もそうでしょうし、病気や身体機能の低下などで他人の手を借りなければならない瞬間も多くの人に訪れます。さらには、震災や事故などの避けようのない事態も、いつどこで発生するか分かりません。

このような大変な時期は誰の人生にもあるものですが、他人に迷惑をかけることや、つらい顔や苦しい顔を見せることに抵抗が強い人は、一人で苦しみを抱えてしまいがちです。

しかし1人で頑張ってしまうと、周囲の人は抱えている苦しみになかなか気づけず、手を貸すことができないものです。結果的に、極限まで一人で頑張りすぎてしまい、心身の健康を崩してダウンしてしまう人が少なくありません。

「迷惑をかける」と思う前に知っておくべき「ヘルパーセラピー原則」

一人で抱え込んで頑張ってしまう人は、周りに対して過剰に心配してしまう傾向があるようです。自分が窮状を訴えたときに助けてくれそうな相手に対し、「迷惑をかけてしまうかも?」「忙しい相手の時間を奪ってしまう」と思って、困っていると伝えるのを躊躇ってしまうことも少なくありません。

そんな人にはぜひ、人間には「困っている人を見たら手を貸してあげたい」「誰かのために、自分自身を役立てたい」という本質的な欲求があることを覚えておいていただきたいです。

医療や福祉の領域には、「ヘルパーセラピー原則」という言葉があるのをご存知でしょうか? これは、リースマンが提唱した概念で、「援助をする人が最も多くの援助を受ける」ということを意味します。つまり、誰かを助けようとする人にとっては、困っている人の役に立つことが、とても大きな喜びや充足感につながる行為になるのです。

熊本地震や東日本大震災では、たくさんの人がボランティアとして現地に向かいました。これも、ヘルパーセラピー原則に基づく心理だと考えられます。

では、「上手に他者に頼れる人」になるには、どのようなことを心がけるとよいのでしょう? 次のページでそのヒントをお伝えします。