映画/おすすめ映画

2016年5月公開のオススメ映画ランキング(3ページ目)

2016年5月の映画は洋画邦画ともに、実に個性的なラインナップ! しかもどれもこれもクォリティが高く、ハズレなしです。ランキングを見ながら、5月の映画鑑賞のスケジュールを立ててくださいね!

斎藤 香

執筆者:斎藤 香

映画ガイド

やっぱり傑作!是枝監督の最新作

『神様メール』(2016年5月27日公開)


ベルギーのブリュッセルに住む神様(ブノワ・ポールヴールド)の部屋に忍び込んだ娘のエア(ピリ・グロワーヌ)は、神様が決めた人間たちの余命をPCから送信してしまった! そこから起こる騒動を描いたファンタジー。

神様は邪悪だけど、その娘は天使のような女の子。彼女が神の束縛から脱出し、余命を伝えられた人々のもとで幸福の手ほどきをする……という設定がおもしろい! また残された命で幸福を追求する人々の姿は、死を描いているのに爽やかで素敵です。

宗教や信仰に詳しい人が見れば、また感想も違ってくるかもしれない。でもこの作品は、人の運命とか人と人の相性など、日常にもある見えない魔法を見せてくれるところが魅力。ラストシーンの美しさは特筆ものですよ!(公式サイト

監督:ジャコ・ヴァン・ドルマル 出演:ブノワ・ポールヴールド、カトリーヌ・ドヌーヴ、フランソワ・ダミアン、ヨランド・モロー、ピリ・グロワーヌほか


『64(ロクヨン)』(前篇/2016年5月7日公開)


昭和天皇崩御により7日で幕を閉じた昭和64年に起きた身代金誘拐殺人事件。当時の担当刑事三上(佐藤浩市)が、広報官として警察内部や記者クラブとの攻防に苦しみながらも、解決できなかった誘拐事件に再び関わっていく姿を描いた、横山秀夫の同名ベストセラー小説の映画化。(前後編作品で後編は6月11日公開)

前編は身代金誘拐事件の全貌とかかわった警察関係者の心の傷、そして広報官へと異動になった三上と記者クラブの争いなど、事件だけでなく警察内部を描いているところが興味深い。また演技巧者がズラリ揃っていますから見ごたえあります。

中でも目を引くのは、本作のNHKドラマ版で永山絢斗が演じていた東洋新聞の記者役を、映画版では永山の兄、瑛太が演じていること。兄弟で同じ役! 兄も負けずに好演です。 (公式サイト

監督:瀬々敬久 出演:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、夏川結衣、緒形直人、窪田正孝、坂口健太郎、瑛太、永瀬正敏、三浦友和ほか


『海よりもまだ深く』(2016年5月21日公開)


自称・作家の良多(阿部寛)と別れた妻、息子、実家の母と姉との交流を描いた是枝監督の家族ドラマ。

団地に暮らす母(樹木希林)の元に集まる家族。狭い部屋だからこそコミュニケーションが厚く、懐かしさを感じます。
良多は本当にズル賢くて努力を放棄したダメ男だけど、母親の接し方が、長女(小林聡美)と息子とは微妙に違って、やはり息子に甘いんですね。だからこういう男になったのかな~と。なにしろ演出も演技も上手いから、すんなりこの映画の世界に入って行けるし、まるで知り合いの家族を見ているような気持ちに。

家族あるあるが満載で、誰の胸にも共感を抱かせるはず。是枝監督の新たな傑作、団地で育った人などたまらないですよ。(公式サイト

監督:是枝裕和 出演:阿部寛、真木よう子、小林聡美、リリー・フランキー、池松壮亮
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