新プラットフォーム“SUBARU GLOBAL PLATFORM”を初採用
スバルはニューヨーク国際オートショーで今秋に発売される次期型インプレッサをお披露目した。このクルマ、単なるモデルチェンジではない。少なくとも今後10年間主力となるプラットフォームを採用しているのだった。ちなみにプラットフォームという概念は非常にわかりにくいけれど、車体の基本構造だと思えばいいだろう。
プラットフォームで衝突安全性や、走りの基本性能、車重、生産コスト、搭載できるエンジンなどが決まってくる。もちろんユーザーからすれば見えないトコロ。どんなプラットフォームだろうと、コストパフォーマンスが良くて安全なクルマがいい。ということで私はプラットフォームについちゃメーカー側の事情だと思っている。
気になるのは「良いクルマかどうか」。現在開発中ということで試乗出来る段階ではないものの、関係者の話を聞くと「ハンドル握れば誰にでもわかるほど質感が高い」という。どういうことか? 平均的な日本車からベンツやBMWに代表されるドイツ車に乗り換えると、誰でも「いいね!」と感じることだろう。では、なぜ感じるのだろう。
これはけっこう難しい。ボディの剛性感や、路面からのインフォメーション(数値で表すと振動やピッチの長い揺れ)によるものだと言われているが、美味しいラーメンと普通のラーメンの差のようなもので、金属とゴムと樹脂というドイツ車と同じモノを使っていても、大きな違いが出てしまう。高い価格を付けているレクサスですら届かない。
ドイツ車の質感を日本車の価格で買えるなら嬉しい
スバルの新型プラットフォームは、ドイツ車のように「走り出した途端に良さがわかる」というレベルだという。吉永社長が記者会見の席上で「はっきりわかる!」と明言しているのだから本当にそうなんだろう。しかも現行のインプレッサと同等の車両価格で売る計画だという。ドイツ車の質感を日本車の価格で買えるなら嬉しい。
デザインは写真を見て頂ければわかる通り、現在のスバル車を少し進化させたような雰囲気。地味だという意見も出ているようだけれど、ボクシーでなかなか良いと思う。特にカッコ良いと思うのは5ドアHBボディ。全体のバランスや、細部の仕上げが今までのスバル車より圧倒的にレベルが高く、5ドアHBベースの『XV』も期待出来そう。
やや物足りない感じなのが組み合わされるエンジンだ。今や環境対応性の高いハイブリッドやディーゼルなど必須の時代。この分野でスバルは大きく出遅れてしまっている。新型インプレッサの発表資料を見ると、パワーユニットについての説明が無い。何か隠し球を持っているのだろうか? それとも当面現在の2リッターで勝負するのか。
燃費の良いパワーユニットが採用されるのなら、新型プラットフォームの実力を存分に発揮できることだろう。逆に燃費が期待値に届いていなければ、日本市場で大暴れすることは難しいかもしれません。もちろん今やスバルにとって一番大きなマーケットになっているアメリカ市場は、今のパワーユニットで十分勝負出来ると思う。
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