ホンダの量販燃料電池車「クラリティ フューエル セル」がデビュー

ついにデビューしたクラリティ フューエル セル。トヨタ・ミライとの違いは?

ついにデビューしたクラリティ フューエル セル。トヨタ・ミライとの違いは?


トヨタ・ミライに続く世界で2番目の量販燃料電池車『クラリティ フューエル セル』(フューエル セル=燃料電池)が発表された。写真を見て頂ければわかる通り、デザインはお世辞にもカッコ良いと言えない。フロントがアコード級のセダン風で、リアは大衆車的ハッチバック形状。デザインテイストからすればヒョウタンツギのようである。

一方、使われている技術についていえばミライと全く同等レベル。世界レベルでも他メーカーの追随を許さないほど高い。唯一の違いは完全市販したミライに対し、クラリティの場合は顧客に権利を渡さないリースという点だ。つまりミライは買ったお客が、勝手にラリー車として仕立ててドイツを走らせることも出来るけれど、クラリティだとホンダの許可が必要となる。

また、ホンダのリリースを読み解けば「定員と航続距離で20%程度勝っている」とある。なるほど定員はミライの4人の対しクラリティは5人。航続距離650kmに対し750kmという。ただ、広いトランクスペース持つミライと違い、クラリティのトランクスペースは狭い。カタログ上で100km差の航続距離も、実燃費差で考えると50km程度か。

すでにプロタイプの試乗を済ませているけれど、興味深いことにパワー特性がミライと若干異なる。ミライは水素と反応させるための空気を通常のファンで行っているため、アクセル全開時に割と元気な送風音を出す。その代わり送風量の調整を素早く出来るためアクセルレスポンスは良好。全日本ラリーに出ても不満は無かった。

クラリティはターボファンという静かで効率が良い反面、レスポンスに弱点を持つ送風機を採用している。通常の街中走行なら全く気にならないレベルながら、全開追い越し加速の鋭さはミライに届かない。ただし、全開加速が始まれば絶対的な出力でクラリティ優勢。0~100km/h加速なら好勝負か。いろんな意味で甲乙付け難く、当然の如く世界ダントツだ。

202万の補助金で、同等サイズの国産車と変わらない価格に!

燃料電池の将来に夢を託したい企業はぜひ名乗りを

燃料電池の将来に夢を託したい企業はぜひ名乗りを


価格はミライの723万6千円に対しクラリティ766万円。とはいえ、ミライだと31万3200円もするナビを付けなければならないため、実質的な価格差で10万円程度か。もっと言えばクラリティだとリースのみ。価格は官公庁や企業などと契約する時の目安。どちらも202万円の補助金を使うことにより、同等サイズの国産車と同じくらいの価格になる。

こう書くと「税金のムダ使いだ」みたいなことを言う人もいるけれど、そもそも自動車ユーザーから信じられないほど多岐&多額の税金を徴収している。本来なら自動車関係の税金は目的税じゃなければならないのに、一般財源になってしまった。その中から次世代のクリーンエネルギー技術を育てるための還付をしているようなもの。

ちなみに移動の道具としての燃料電池の評価といえば、やはり補助金を投入して育成していかなければならない段階だと考える。性能は普通のガソリン車と全く同じレベルながら(静粛性は電気自動車に匹敵する)、何より水素充填施設が圧倒的に不足しています。埼玉県以北には無いし、神奈川から西に向かうと愛知県の岡崎まで無し。

燃料電池技術が進み、水素社会になれば国産エネルギーだって作り出せる。燃料電池は将来性のある赤ちゃんのようなもの。もしかしたらモノにならない可能性もあるけれど、有志で育てていくべきだと思う。クラリティを育てるための有志の募集枠は当面200。多少は不便かもしれないが、将来に夢を託したい企業はぜひ名乗りを!

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