ストレス

怒りっぽいのは性格? クレーマー、鬼ママへの対処法(2ページ目)

クレーマー? 鬼ママ? 「責任者を出せ!」「ダメって言ってるでしょ!」 と人前でも大声でどなったり、ささいなことで苛立ちを隠せなくなる人はいるものです。すぐ感情的になる人に、人は冷やかな視線を向けがちですが、その怒りの裏に隠れているのは傷ついた気持ちかもしれません。怒りの理由を理解して、怒りを鎮める効果的な対応法を考えてみましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

怒っている人は、理由なく怒っているわけではない!

怒りを抑えられない女性

彼女が苛立ちを抑えられない理由を理解していますか?

相手に怒りを向けているということは、やはり相手の何かが、彼らを傷つけているのだと考えられます。

たとえば、サービスを「正確」に提供していたとしても、そのときの態度がぞんざいだったり、機械的だったりすると、それを受ける側は自分が尊重されていないように感じて傷ついてしまいます。何度も注意しているのに、子どもがいたずらや粗相を繰り返すと、「子どもとはそういうもの」と頭で分かっていても、やりきれなさを感じて傷ついてしまいます。

したがって、怒っている人に対しては、その「怒り方」を見るよりも先に、見えない「傷つき」に注目することが大切です。「何に対して憤っているのか、理解したい」「その気持ちを教えてほしい」という姿勢で、傷つきの中身を真摯に聞いてみるといいでしょう。

怒っている人は何を要求しているのか?

怒っている人の言い分を聞いてみると、彼らの不満や要求は割とシンプルであると感じることがよくあります。

たとえば、「対応が遅い!」と文句をつける人も、その言い分に耳を傾けられ、怒りの気持ちが受け止められれば、それだけで怒りが鎮まることは多いものです。

子どもに「ダメでしょ!」と怒鳴りつけている母親も、子育てのつらさややりきれなさに耳を傾けられ、共感されれば、子どもを怒鳴りつけることも少なくなります。

怒りの前の感情に注目すれば、怖くはない

怒っている姿に冷たい視線が向けられたり、怖がられたりして、その怒りの奥にある傷ついた感情が無視されたままでいると、怒っている人の苛立ちは高まり、より声高に不満を訴えるようになってしまうようです。

「怒っている人」に対しては、過剰に怖がらず、彼らの怒りの前に湧いている傷つきに注目することが大切。彼らの言葉に正面から耳を傾け、どんなことに傷つき、何が必要なのかを聞かせてもらうと、彼らが怒らずにはいられなかった理由が理解できると思います。

そして、「その気持ちを理解したい」「言い分を聞かせてもらいたい」という聞く側の真摯な思いが相手に伝わると、相手の怒りの感情は自然に解けていくでしょう。レッテルを貼って元々の性格の問題だと見離してしまうのではなく、理解して対応する姿勢をもつことで「怒りっぽいあの人」の見え方は変わってくるかもしれません。
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