池袋駅構内

池袋構内の表示。複数路線が利用できることがよく分かる(クリックで拡大)

渋谷、新宿と並ぶ三大副都心のひとつとして、このところ、人気上昇中の池袋。JR東日本、西武池袋線、東武東上線、東京メトロの4社が乗入れており、JR東日本の路線としては山手線、埼京線、新宿湘南ライン、新宿駅起点で東北本線を経由して東武日光線へ直通する「日光」「スペーシア日光」などの特急、高崎線直通の「あかぎ」、東海道本線直通の「スーパービュー踊り子」、総武本線・成田線経由で成田空港駅へ向かう「成田エクスプレス」などが利用できる。このうち、特急、成田エクスプレスは日常的な通勤利用の路線とは言いにくいところもあり、ここでは取り上げない。また、東京メトロの路線としては池袋始発の丸ノ内線、有楽町線、副都心線の3本がある。

都電

大塚駅の脇にある都電大塚駅前停留所。料金は一律大人170円(IC利用で165円となる)

もうひとつ、池袋駅からは少し離れたところに都電荒川線の東池袋四丁目駅がある。これを利用すると、ご存じのようにこの路線は唯一残る路線で荒川区の三ノ輪橋停留場から新宿区の早稲田停留場までを結んでいる。東京メトロ副都心線、有楽町線、千代田線や山手線など複数の路線とも交差しており、使いようによっては意外に便利。豊島区役所が都電駅の近くに移転したこともあり、池袋は駅から区役所周辺まで広がりつつある。

ということで、ここでは山手線、埼京線、湘南新宿ライン、西武池袋線、東武東上線、東京メトロ丸の内線、同有楽町線、同副都心線、都電荒川線を取り上げ、お勧め駅を勝手にピックアップする。なお、駅名の後の自治体名は駅の場所のみならず、駅から徒歩10分圏にある自治体も含んでいる。

山手線大塚駅(豊島区、文京区):池袋隣接、場所によっては歩いても

神社

飲食店街の中にある大塚天祖神社。昔の巣鴨村(今の豊島区の半分ほど)の総鎮守として長い歴史を誇る

都電隆盛の時代には春日、上野方面への路線の駅があり、デパート、映画館、寄席もあって、池袋よりも賑やかだった大塚。南口から少し離れたところには料亭、芸者置屋、待合の三業が許可された大塚三業地があり、昭和30年代から40年代の最盛期には料亭85軒を数えるほどだったとか。今もごくわずかながら、当時の名残りがあり、どことなく色っぽい雰囲気がある。駅の南北には飲食店を中心にした商店街が広がり、安くてボリュームある外食が楽しめる。エスニック系、個人経営の店が多く、夜遅いのもうれしいところ。一方で歴史を感じさせる神社もあり、9月の例大祭には100基に及ぶ神輿が巡行するそうで、地元民となって参加するのも楽しそうだ。

池袋駅の隣に立地しているだけに、場所によっては自転車はもちろん、歩いての通勤も可能。また、山手線はここで都電荒川線と交差しており、これも利用できる。勤務先が区役所周辺なら、都電荒川線利用での通勤も可だろう。

参考記事はこちら。
大塚、山手線と都電が交差する池袋隣接の街

埼京線十条駅(北区、板橋区):活気と安さの商店街で有名

十条銀座商店街

長いアーケードが続く十条銀座商店街。メインストリート以外にもいくつか横に入る通りもある(クリックで拡大)

活気と安さで知られる十条銀座商店街と、都内では数少ない大衆演劇が楽しめる篠原演芸場があることで知られる十条。十条銀座は品川区の戸越銀座、江東区の砂町銀座と並んで東京三大銀座商店街とも言われており、訪ねて比べてみるのも面白い。いずれの銀座も安さには定評があるが、十条銀座商店街のお惣菜系の安さは特筆もの。1個10円のチキンボール、1本50円の焼き鳥(セール時は40円などということも)など、圧倒的に安いのだ。家賃だけでなく、生活費全般を抑えて、でも便利な場所に住みたい人にはお勧めだ。ただ、逆にしゃれた雰囲気はあまりなく、実質本位。路地も多く、昭和の下町という雰囲気の街である。

惣菜店の行列

一説には唐揚げ厳選区とも言われる十条。それ以外にもコロッケや焼き鳥、焼き魚その他様々な惣菜が安く売られている。本文と写真がリンクしていないがご容赦を(クリックで拡大)

と言いつつ、最近は多少だが、しゃれた店も出てきており、個人的にお勧めはスティックにチョコレートが着いたホットスティックチョコレートで話題の「Bonnel Cafe(ボンヌカフェ)」。チョコレートをホットミルクに浸して溶かしながら食べるというか、飲むというもので、定番味のほか、季節限定の味もあり、お土産などにも喜ばれる。

湘南新宿ライン大宮駅(さいたま市大宮区):歴史、公園、緑地もある豊かな住環境が魅力

埼玉県の経済の中心地、大宮。JR京浜東北線、埼京線・川越線、湘南新宿ラインなどの6路線に加え、東北新幹線、東武野田線なども利用できる池袋同様の交通の要所でもあり、独自の歴史も。特に東口側には大宮の地名の由来と言われる日本でも指折りの古社、武蔵一之宮樋川神社、通称「おひかわさま」こと氷川神社があり、森閑とした雰囲気。氷川神社に隣接した大宮公園は総面積67.9haと広大で、野球場、陸上競技場、体育館に小動物園など各種施設があり、埼玉県でもっとも利用者数が多い公園。桜の名所としても知られており、その数1200本以上。休日は地元でのんびりという人にはうってつけの場だ。

その反対側、西口は1980年からの再開発で生まれた街でシンボルは西口目の前にあるホールやコンベンション会場などを備えた複合ビルソニックシティ。各種イベントなども開かれており、東口側とは異なる休日の楽しみ方ができそうだ。個人的には駅としては隣駅になるものの、鉄道好きにはたまらない鉄道博物館がお勧め。近所に住んで年間パスを買えば鉄道漬けの暮らしが実現するかも。

参考記事はこちら。
大宮、東西で表情が異なる、埼玉経済の中心地

西武池袋線大泉学園駅(練馬区):タワーもあれば牧場もある多彩な街

大泉学園駅前

アニメの街練馬区の中でも一番いろいろなキャラクターが揃う、楽しい街が大泉学園だ(クリックで拡大)

駅名に学園とあるものの、大学の無い街、大泉学園。ここ10年ほどで駅周辺にタワーが増えて、風景は変わってきており、商業施設も増加、利便性がアップしている。その一方でバス通りには桜並木が続き、少し離れると農協の農産物直売所があったり、都内唯一牧場があってアイスクリームが食べられたりとのどかな雰囲気も残されている。もうひとつ、大泉学園で有名なのはアニメの街であること。駅前に最近できたタワーには地元のスタジオで生まれたキャラクターが並べられており、格好の撮影スポット。好きな人なら一緒に並んで写真を撮るのも楽しい。個人的には何度か、漫画家の松本零士先生宅にお邪魔したことがあり、要塞のような家だったのが印象的。

西武新宿線、中央線方面、東武東上線方面にと数多くのバス便が出ており、吉祥寺や西荻窪方面などバス利用が早くて便利という意外な面も。そうしたバス便エリアを狙えば家賃も安くなる。

大泉学園、水と緑と桜、タワーにアニメの街


東武東上線大山駅(板橋区):下町っぽい、安さ自慢の2つの商店街が人気 

八百屋の店頭

野菜の安さにはびっくりする。各地の産物を置くアンテナショップなどもあるハッピーロード大山(クリックで拡大)

東武東上線沿線でも最も活気のある商店街ハッピーロード大山、遊座大山があり、物価の安さでは評判。わざわざ電車に乗って買い物に来る人がいるほどで、お勧めは生鮮食料品、中華系お惣菜や日用雑貨。商店街が分かりやすいホームページを作っている点も評価したい。近年はラーメン店が増えており、ひそかな激戦区だ。また、遊座大山商店街を抜けた辺りに板橋区役所があり、ここからは都営三田線板橋区役所前駅も利用できる。日比谷、大手町など都心のオフィスに直結な上、三田線は比較的混雑度が低い路線。利用しない手はない。

ただし、池袋まで3駅、6分と近いにも関わらず、各駅停車しか止まらないため、タイミングが悪いと通過電車を眺める羽目に。夏冬は辛いので、時刻表を見てから出るようにしたい。

大山、便利で安い、活気ある商店街が魅力の街

丸ノ内線新大塚駅(豊島区、文京区):散歩、レトロな喫茶店が楽しい

新大塚駅

春日通り沿いにある新大塚駅。坂を下っていくと大塚駅に至る(クリックで拡大)

豊島区と文京区の境、山手線大塚駅から歩いて10分ほどの高台にあるのが東京メトロ丸ノ内線新大塚駅。駅周辺には多少店はあるものの、通り沿いを除けば静かな住宅街で、猥雑な雰囲気もある大塚駅周辺に比べるとそれが特徴。図書室もある大塚公園、お茶の水女子大や文京区の教育の森公園、護国寺なども散歩圏で、ゆったりした暮らしを望む人向き。駅近くには都立大塚病院もあり、安心な場所でもある。

ところで面白いのはあまり店の数がないにも関わらず、昔風の喫茶店率が高いところ。いかにも昭和なプリンやホットケーキが名物の店などもあり、毎日の暮らしを楽しくしてくれそうである。

有楽町線小竹向原駅(練馬区、板橋区):西武池袋線江古田も利用可

東京メトロの有楽町線、副都心線と、西武鉄道の西武有楽町線が乗り入れ、駅名は本当は西武有楽町線小竹向原駅となる。住宅地の中に作られた駅で、周辺の開発などはまだまだこれからといった様子。駅近くにはスーパー、ドラッグストア、ファミレスなどがあるものの、商店街などは特にない。ただ、学生街として知られる西武池袋線江古田が徒歩圏で、江古田まで出れば飲食店その他も揃っており、2駅使えると考えればそれほど不便ではない。武蔵野音大などがあるせいで、楽器可物件が多い地域で、そういう観点での選択もありかもしれない。

緑道

小竹向原駅から環七までの緑道。駅を降りたところに駐輪場が整備されている(クリックで拡大)

また、環七通りも近く、こちらも通り沿いには大型店がある。環七までの緑道はきれいに整備されており、散歩も楽しい。

江古田・小竹向原、大学と市場、美容院の街

副都心線雑司ヶ谷駅(豊島区、文京区):レトロな雰囲気漂う門前町

鬼子母神境内

鬼子母神境内で開かれている手創り市。多くの人出で賑わい、最近は会場も増えた(クリックで拡大)

池袋エリアとして取り上げている都電荒川線東池袋四丁目駅から二つ目の鬼子母神駅と隣接してあるのが東京メトロ副都心線の雑司ヶ谷駅。都電には東池袋四丁目と鬼子母神駅の間に都電雑司ヶ谷という駅もあるので、間違えないよう注意が必要。ここは子育ての神様のとして知られる鬼子母神があり、江戸時代には浮世絵にも描かれるほど賑わった場所。しばらく忘れられていたが、副都心線開業もあり、ここ10年ほど変化が続いている。きっかけになっていたのは境内で毎月、開かれている手創り市、鬼子母神通り商店睦会で隔月開かれるみちくさ市や参道にあった古い建物を利用したカフェ、区の雑司が谷案内処なる案内所など。池袋からこのエリアにかけて点在する個性的な古書店も引き金だ。

とはいえ、イベントがあれば若い人が増えるものの、全体としてはまだまだ昔懐かしい雰囲気が残っており、そうした佇まいが好きな人なら気に入るはず。散歩のつもりで訪れてみてはどうだろう。

雑司が谷、都心近くの静かな歴史と寺社の街

都電荒川線王子駅前停留所(北区):桜、寺社に滝もある江戸の行楽地

王子稲荷

王子稲荷神社。この辺りは土地の高低差が大きく、急な坂を登ったところに寺社がある(クリックで拡大)

都電荒川線が京浜東北線、東京メトロ南北線と交差するのが王子(都電の駅名は王子駅前停留所)。江戸時代の王子は桜の名所だった飛鳥山、参拝客が絶えなかった王子神社、王子稲荷神社、夏に涼を求めて人が集まった名主の滝公園などといった複数の名所に恵まれた一大行楽地で、今も街を歩くと参拝客に人気だった久寿餅屋、卵焼き店などの名残りを見ることができる。現在は複数路線の利用できる利便性に加え、北区役所を始めとした区の施設が集まる、住みやすい場所になっている。

北とぴあからの眺望

比較的鉄分の少ない私でさえ興奮する眺望。鉄道好きの方にとっては素敵な眺望だろう(クリックで拡大)

個人的なお勧めは区役所北とぴあ展望ロビーからの眺め。東北・上越新幹線をはじめ、様々な鉄道を眺めることができ、鉄道好きなら何時間でもいられるはず。また、女性一人には入りにくいが、駅近くにある平澤かまぼこ王子駅前店もこの街らしい一軒。

町屋駅周辺

京成線、東京メトロ千代田線に都電荒川線が利用できる町屋。しかも利用しやすい距離に三駅が集中している。写真は2014年撮影(クリックで拡大)

個人的にはちょっと時間はかかるものの、千代田線と交差する町屋駅(荒川区)もお勧め。下町の人情、物価の安さ、銭湯などと魅力が多く、特に飲みを伴う外食好きには楽しい街だ。

参考記事はこちら。
王子、江戸の行楽地転じて北区の中心地
町屋、再開発後賑わう荒川区の中心商業地区

平坦な土地なので徒歩圏も広い池袋

要町から池袋

要町駅から池袋駅方面。緩やかな坂になってはいるが、辛いほどではない(クリックで拡大)

渋谷と違い、駅周辺に高低差が少ないのが池袋の特徴。また、新宿のようにタワーが並ぶ街区がないこともあり、池袋は駅からの徒歩圏が広い。中でもお勧めは駅から山手線の外側、西側の、山手通を越えた辺り。町名では要町、千早、高松など。特に要町は有楽町線の駅もあり、歩いても10分ちょっと。通り沿いに店がある大通りを歩くことになるので、夜間でも心配なく歩ける。

このエリアは小規模な一戸建てが中心のエリアで、大きな建物は通り沿いのみ。のんびりした住宅地で、ところどころに個店が点在。池袋からさほど離れていないにも関わらず、静かで穏やかな雰囲気になるのが不思議だ。

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