貧乏老後を回避するために、できることから始めよう
毎日、必死に働くだけで精一杯。とてもじゃないけど楽しい老後なんて思い描けない……そんな方こそ、今すぐアクションを
「定年退職金なんて期待できない」
「目先の生活に必死で老後資金まで手が回らない」
将来への希望が見えにくくなっている昨今、老後の不安は募る一方でしょう。でも、ただ不安がっているだけでは解決になりません。現役時代のうちから少しでも準備を始めてみましょう。
約8割が何かしら老後の心配をしている
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」平成27年調査結果によると、老後の生活を心配していると答えた世帯は計80.6%。前回調査の82.7%よりは下がったものの、依然として高い水準です。●老後の生活への心配
- 非常に心配である 39.6%
- 多少心配である 41.0%
- それほど心配していない 18.6%
- 無回答 0.8%
自分は本当にもらえる? 公的年金への不信感は根強い
さらに、「老後が心配」と答えた世帯にその理由を聞いたところ、以下のような結果に。前回調査でも上位5つは同じ理由で、回答の割合も前年比で微減あるいは同じでした。読者のみなさんにも、同じ不安を抱いている方はきっと多いでしょう。●老後の生活を心配している理由(複数回答)トップ5
- 年金や保険が十分ではないから 72.5%
- 十分な金融資産がないから 69.5%
- 現在の生活にゆとりがなく、老後に備えて準備(貯蓄など)していないから 41.4%
- 生活の見通しが立たないほど物価が上昇することがあり得ると考えられるから 27.0%
- 退職一時金が十分ではないから 27.0%
公的年金だけでは生活していけない
定年退職後の主な収入源は公的年金(老齢年金)。ただ、それだけでは生活していけないというシビアな現実もあります。同調査でも、半数近くの世帯が「日常の生活費をまかなうのも難しいだろう」と回答しています。●年金に対する考え方
- 日常生活費程度をまかなうのが難しい 47.3%
- ゆとりはないが、日常生活費程度はまかなえる 46.5%
- 年金でさほど不自由なく暮らせる 4.4%
- 無回答 1.8%
なるべく長く働き続けて収入を得る
公的年金がアテにならないとなれば、ほかの収入源を確保する必要があります。同調査でも、約4割が「働き続けて収入を得る」と答えています。●老後の生活費の収入源(3つまでの複数回答)
- 公的年金 79.6%
- 就業による収入 41.3%
- 企業年金、個人年金、保険金 38.7%
- 金融資産の取り崩し 27.9%
- 不動産収入(家賃、地代等) 5.4%
- 国や市町村などからの公的援助 5.0%
- こどもなどからの援助 3.6%
- 利子配当所得 3.1%
- その他 4.2%
なお、会社に就いて働き続ける手もありますが、経験や知識を生かしてシニア起業をするという選択肢もあります。
老後資金をコツコツ貯め、長く働き続けられる心身を養う
ここまで「老後の不安」について様々な調査データをご紹介してきました。「不安だらけで年を取るのが怖い」などと思ってしまうかもしれません。そこで、王道ではありますが、以下に対処法を挙げてみました。●老後資金用の積み立てを始める
月5000円でも1万円でもよいので、積み立てを始めてみましょう。手段としては次のようなものがあります。
- 銀行の自動積立定期
- 個人年金保険
- 401k(企業型・個人型)
- 投資信託の積み立て
現在、30代であれば、60歳までにまだ30年近くあります。40代でも20年、50代でも10年あります。よく言われる「老後資金3000万円」には届かなくても、足しとしては十分頼れる金額になります。
【参考】45歳からでも1000万円! 年代別・老後資金づくりのポイント
●60歳以降も働き続けられる力を身につける
ここでいう「力」が指すのは、いわゆる「スキル」だけではありません。健康な心身を保つことも意味しています。いくら公的年金や自前の老後資金では足りなくても、体を壊してまで働き続けるのは本末転倒。かえって医療費がかかって家計を圧迫することも考えられます。
【参考】定年後も働き続けるため、40~50代が準備していること
「老後が不安」というのは簡単ですが、対策は案外、いろいろとあります。楽しく豊かな老後を迎えられるよう、できることから着手してみましょう。