エフェソスの構成資産3. 聖母マリアの家
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聖母マリアの家。マリアの命日である8月15日には世界中から多くの巡礼者が訪れている
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聖母マリアの家の黒いマリア像。黒い理由はハッキリしないが、アルテミスなどの地母神と一体化したためなどといわれる
アン没後の1881年、彼女の言葉を頼りに司祭らが古代都市エフェソスの南7kmほどの丘の上を探索していると、それらしい建物を発見。1891年には1世紀のものと思われる遺跡が出土した。
1951年、アンの証言に基づいて聖母マリアの家が再建された。1896年にはローマ教皇(法王)レオ13世が訪問し、1950年にはピウス12世が聖地として公認。1967年にパウロ6世が訪れると巡礼地として広く認知され、世界中から多くの巡礼者を集めるに至る。
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聖母マリアの家の願いの壁 (C) Jose Luiz Bernardes Ribeiro
聖母マリアの家はパワースポットとしても人気を集めており、「聖なる泉」の水は幸福・癒やし・豊穣を与える奇跡の力を持つといわれ、「願いの壁」に望みを託した紙や布を貼り付けるとその願いが叶うといわれている。
エフェソスの構成資産4. チュクリチ古墳
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まだまだ謎が多いチュクリチ古墳。2015年には9000年前の装飾品が発見されて話題になった (C) N. Gail (OeAI)
5層ほどからなる村落跡で、最古の層は石のプラットフォームと泥壁によって築かれており、紀元前7000年ほどまで遡る宝石類が出土している。この頃から土器や石器を用い、ヒツジやヤギ・ブタなどの家畜を飼育して定住生活を行っていたようだ。
紀元前5000~前2500年ほどの青銅器時代の層からは青銅の刀剣や大理石を用いた装飾品・日干しレンガの住居跡、紀元前2500~前1200年のエーゲ文明の層からは彩色陶器や交易品が発見されるなど、それぞれの層からさまざまな時代の遺物が発掘されている。
まだまだ未発掘部分も多く、新たな発見が期待されている。