総合口座通帳、じっくり見たことありますか?
普通預金通帳として使っていることが多い総合口座通帳、活用できている?
「総合口座と書いてあるけれども、使っているのは普通預金だけ」という方もいらっしゃいますが、実は便利な機能「当座貸越(とうざかしこし)」(自動融資)を利用することができます。通帳の裏表紙などに、普通預金の口座番号だけでなく、定期預金や貯蓄預金、公共債(国債等)の預かり番号を記載する欄があると思います。総合口座の説明が書かれていることもあるので、ぜひ一度確認してみてください。(銀行によって表示内容は異なります。)
当座貸越って何?
当座貸越とは、総合口座として定期預金や積立定期、国債等の公共債を預け入れることで、普通預金の残高が不足した時でも、その定期預金等を担保にして、不足額を自動借入することができる仕組みです。(銀行の立場から見ると「貸す」ので、「貸越」となります。)当座貸越の条件の一例をご紹介します。
例えば、Aさんが、総合口座に普通預金50万円と、総合口座定期100万円×2本(計200万円)を預けているとします。通常、キャッシュカードでお金を引き出せるのは、50万円までですが、総合口座定期を合計200万円預けているので、その90%(180万円)まで、普通預金の残高を越えて引き出す(借りる)ことができる、というものです。仮に定期預金の金利が、1本目が0.03%、2本目が0.025%だった場合、金利が低い0.025%の定期から先に担保として充当され、その場合の貸越利率は0.525%(0.025%+0.50%)となります。
Aさんが、急な出費で70万円現金が必要だとしても、満期前の定期預金を解約することなく、キャッシュカードで70万円引き出すことができます。(その場合、普通預金通帳の残高は「▲(マイナス)20万円」と表示されます。)消費者金融やカード会社のカードローン、キャッシングを利用すると、数%~10%以上の金利がかかりますが、総合口座の当座貸越なら1%未満で借りているような状態、といえるでしょう。
普通預金に入金があると、自動的に当座貸越の元金が返済されます。当座貸越の利息については、日割計算とする金融機関が多いですが、利息が普通預金から引き落とされる日は、「半年ごと(2月と8月など)」や「毎月所定の日」など、金融機関によって異なるので、ご注意ください。
*定期預金の解約等で、担保残高がゼロになる場合は、その時点で貸越元金と貸越利息を支払う必要があります。
*貸越利率や借り入れできる限度額(極度額)などの条件も、金融機関によって異なりますので、必ずご確認ください。
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