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マイナス金利時代でも使える!? 総合口座定期の活用法(2ページ目)

銀行で口座を開設すると渡される通帳は、「総合口座通帳」と記載されていることが多いですが、「普通預金通帳として使っているだけ」という方も多いようです。今回は、「総合口座定期」の活用方法について解説します。

平野 直子

執筆者:平野 直子

ふたりで学ぶマネー術ガイド

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マイナス金利時代、総合口座定期がタンス預金よりも使えるってホント?

タンス預金が増えているらしいけれど……

タンス預金が増えているらしいけれど……

コラム「マイナス金利時代、家計のお金をどこに回す?」でも紹介しましたが、日銀の追加金融政策として「マイナス金利」が導入され、普通預金や定期預金の金利が軒並み大幅に引き下げられました。限りなくゼロに近い金利なので、「銀行に預けるメリットを感じられない」と思われる方も多いと思います。「急な入用の時でも、キャッシングやカードローンは利用しない。夜間休日等でATM利用手数料を取られるくらいなら、タンス預金でいい。」と思う方もいらっしゃるかもしれません。(実際、自宅用に金庫を購入する人も増えているそうです。)急な入用のために、ある程度自宅に現金を置いておくのはやむを得ないと思いますが、泥棒や自然災害に遭ってしまった場合などを考えると、大金を自宅に置いておくことは、あまり勧めできません。

「残高不足で引き落としできなかった!」に備える

「普通預金にある程度預けて、あとはタンス預金」という場合でも、保険会社の保険料引き落としやクレジットカードの決済、住宅ローンの返済などがある日までに、普通預金に入金する時間が取れなかったり、入金し忘れてしまって引き落としが出来なかった! となると大変なことになります。引き落としができなかったことで、「請求書が送られてきて、振込の必要が出た」だけでなく、「遅延利息が発生した」「信用情報に記載されてしまった」というケースも耳にします。このような場合でも、総合口座定期にいくらか預けていれば、その定期等を担保に普通預金から自動的に借入をすることができます。「万が一、普通預金の残高が足りなくても、大事な引き落としは実行される」というリスク対策として活用することもできます。リスク分散、という意味でも、引き落とし口座となっている普通預金に、総合口座定期として、いくらか預けてみてはいかがでしょうか?

定期預金が総合口座になっているかどうかを確認するには?

総合口座定期は、銀行等の窓口やネットバンキング等で作成することができますが、既に定期預金口座を持っている方は、総合口座にセットされているかどうか、確認してみましょう。主な確認方法は、以下のとおりです。

●総合口座通帳の裏表紙などに、定期預金の番号が記載されているかどうか確認
●ネットバンキング機能が使える場合、ログインをして、引出可能額を確認
(例)下の図表の場合、定期預金(C)は、普通預金(A)と総合口座にセットされています。そのため、定期預金残高の90%(=450,000円)が、普通預金(A)の残高105,123円に加算されて、引出可能額は、555,123円となっています。一方、普通預金(B)の引出可能額は、残高と同じく、200,123円となっています。

ガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)

ガイド平野が図表作成(クリックすると拡大表示されます)


定期預金があるのに、総合口座にセットされていない場合は、手続きをすることでセットできる場合があります。「総合口座にセットできる預金等の種類」や「定期預金を自動継続扱いにする必要がある」「総合口座は、1人1口座までとなっている」「貸越できる上限金額」など、金融機関ごとに条件がありますので、口座がある支店等に、ぜひ問い合わせてみてください。

当座貸越は、「当座の間」だけに!

引き落とし口座をまとめて、総合口座定期もセットしておこうか!

引き落とし口座をまとめて、総合口座定期もセットしておこうか!

自分の定期預金等を担保に、普通預金の表面残高を越えて引き出せる、というのは大変便利ではありますが、あくまでも「当座の間」の利用としましょう。ときどき、「ほぼ1年中、普通預金残高がマイナス」という方もいらっしゃいます。いくら超低金利で借りている、といっても、「定期預金金利よりも高い金利で借りている」ことには、変わりありません。そのような場合には、一旦定期預金を解約して、マイナス残高を解消し、日々の家計管理を見直すことをお勧めします。マイナス金利時代、プラス思考で家計を改善できますように!

【関連リンク】
●マイナス金利時代、家計のお金をどこに回す?
●2015年の家計改善、住宅ローン借換えにチャレンジ!
●家計簿で「見える化」だけでは、家計改善はできない!
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