お詫びとお礼、同じ言葉ばかり使っていませんか? 

メールや手紙では、お礼やお詫びの言葉も気付かぬうちに同じ言葉ばかりが続いてしまうことも!

メールや手紙では、お礼やお詫びの言葉も気付かぬうちに同じ言葉ばかりが続いてしまうことも!


「このたびは、カタログをご覧いただきありがとうございました」「早速にご注文いただきありがとうございました」
「このたびは本当に申し訳ございません」
「まことに申し訳ございませんでした」

話し言葉よりも、手紙やメールの中でこのように「ありがとうございます」や「申し訳ありません」など、同じ言葉ばかりが続いてしまいますと案外目立つものです。言葉の意味としては決して間違いではありませんから、相手に失礼をしてしまうという類のものではありませんが、大切な場面でよく使う言葉だけに、ときには少し表現を変えたいということもあるものです。また、おわびや断りなどは特に、言葉の使い方次第で受ける印象も変わってきます。こちらの気持ちを伝え、相手に失礼のない適切な言葉を使い分ける意味でも、よく使う言葉も見直して、ときには少し表現を換えてみましょう。

まずは、「ありがとう」を気持ちやお礼の内容で言い換えます。
 

相手へのお礼の気持ち……メールや手紙の内容で使い分け・文例

■相手のおかげという気持ちを述べる
文例:「おかげさまで無事に終了することができました」
「おかげ」とは、相手から受けた力添えや親切のことをいいます。「おかげで」や「おかげさま」の形で相手へ感謝の気持ちを述べるような場合に使われます。

■相手の助けに対してお礼を述べる
文例:「お力添えをいただき感謝申し上げます」
「力添え」とは、助けることの意。助力、援助。

■すべて相手のおかげという気持ちを述べる
文例:「これもみなひとえに田中様のご尽力のおかげと感謝申し上げます」
「ひとえに」とは、それに尽きるというような意味。

■その他のお礼の言葉

お心遣いをいただきありがとうございます/お心にかけていただき恐れ入ります/ご配慮いただき感謝申し上げます/ご親切にありがとうございます/
何とお礼を申し上げてよいやら言葉も見つからないほどでございます/心より御礼申し上げます……など。
 

相手へのお詫びの気持ち……メールや手紙の内容で使い分け・文例

■自分の考えが甘い、足りなかったことをわびる
文例:「自身の浅はかさを恥じる思いでございます」
「浅はか」とは、考えが浅い意。思慮の足りないようす表します。浅慮。

■注意が足りなかったことをわびる
文例:「不行き届きな点、まことに申し訳ございません」
「不行き届き」とは、注意が行き届かない、注意が足りないことを表します。

■自分の手順が悪かったことをわびる
文例:「不手際をおわび申し上げます」
「不手際」とは、手際が悪いこと。物事のやり方や処置が悪いことの意。
そのために、良くない結果を招いたような場合に使われます。

■恥ずかしい気持ちを表す
文例:「このたびの○○、まことに汗顔の至りで何と申し上げてよいか……」
「汗顔の至り 」とは、恥じて顔に汗をかくような様子、気持ちを表します。赤面。

■それができず相手に悪いという気持ちを表す
文例:「お引き受けできませんこと、まことに心苦しい限りでございます」
「心苦しい」とは、相手に申し訳ない気持ちを表します。

■なんとか許してほしい気持ちを表す
文例:「失礼の段、なにとぞご海容ください」
「海容」とは、海のように寛大な心での無礼や過ちなどを許すこと。類:「宥恕」

■その他のおわびの言葉
まことに申し訳なく心よりおわび申し上げます/深くおわび申し上げます/
責任を痛感いたしております/手落ちと申すよりほかなくまことに申し訳ございません/このたびの非礼どうかお許しくださいますようお願い申し上げます/どうか悪しからずご了承ください……など。

力添えも尽力も、そのことのために力を貸すこと力を尽くすことですから、意味もよく似ています。「お力添えいただき感謝いたします」「ご尽力に感謝いたします」のように、相手の力、厚意に対してのお礼でもよく使われます。
言葉の種類としては、「お力添え」は和語・大和言葉。「尽力」は漢語で表した表現と言えます。
⇒和語(大和ことば)と漢語は「話題の大和(やまと)言葉って?粋な効果と使い方」をご参照ください。

同じお礼やおわびでも、どのような点についてどのようにうれしかったか、助かったかなど、具体的に述べることも気持ちを伝える工夫のひとつです。よく用いる言葉もその意味を理解して、ときには表現を少し換えてみましょう。

<その他の言葉の言い換え>
少々、案外など、いつもの言葉を大和言葉に変えてみる

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