依頼文の書き方を解説! お願い文は内容を明確に、相手の気持ちや都合を考慮して
こちらの願い事や依頼の内容を明確に記すとともに、自分本位になることのないよう納得してもらえるように礼をつくすことが大切
とはいえ、相手のところへ出向くというのは、時に相手の時間を拘束してしまうことにもなります。そのような点からも、あらかじめ電話を入れたうえで追って手紙を出すということも多いですね。相手が都合のよいときに読むことができ、相手の時間を奪わないという点は手紙のよさといえますが、注意すべき点もあります。
<目次>
依頼文やお願いの手紙を書く時の注意点
- 相手に何らかの手間を掛けるわけですから、はがきよりも封書が望ましい
- 依頼の内容が何であるか、はっきりと伝える
- 品物やお金に関する依頼は、内容や品物の種類や数、金額、返済の期日などを明記する
依頼状の書き方文例1:本の借用をお願いする場合
拝啓 すっかり秋めいてまいりました。その節はお邪魔しまして、お言葉に甘えすっかり長居をしてしまいまして、失礼をいたしました。楽しいお話の数々に、つい時間が経つのも忘れてしまいました。
さて、その折に「必要な時はいつでもどうぞ」とおっしゃってくださった○△古典全集ですが、出来ましたら第3巻のみお貸し願えませんでしょうか(※1)。
本棚にあったはずと思っていたものが見当たらず、卒論のテーマとも関連があったものですから困り果ててしまいました。済み次第すぐにご返却申し上げます(※2)。
急な勝手なお願いでまことに申し訳なく存じますが、来週もしご都合のよろしい日がおありになりましたら、お訪ねいたしますので、ご都合のほどお教えいただけましたらありがたく存じます(※3)。
またお電話をいたしますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
お尋ねとお願いにて失礼いたします。
敬具
■ポイント・注意点
※1 何に対しての依頼、お願いなのか、相手にわかりやすいように明確に記しましょう。
※2 依頼するにいたった経緯や状況なども延べましょう。返却日がはっきりわかるようならばそれも明記して、お金の場合などは特に「来月の給料日後、○○日には必ず振り込みにてお返しいたします」など、確実に返済する旨や期日を明記することも重要です。
※3 自分の都合だけを述べて相手の負担や迷惑にならぬよう、相手の都合を考えることも礼儀です。お金などプライバシーに関するような内容の場合は必ず封書で依頼し、もしも断られたとしても、「勝手なお願いをいたしまして」「お心を煩わせてしまいまして」「ご返事をいただきまして」などのお礼やおわびの返事も出したいものです。お願いして終わりではありませんから、相手の厚意や気遣いに対する感謝の気持ちも忘れずに。
依頼状の書き方文例2:恩師へ披露宴の祝辞を依頼する場合
拝啓 秋の深まりを感じる頃となりました。○○先生にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。本日はお願いがございましてお手紙申し上げた次第でございます。
後日案内状がお手元に届くかと存じますが、このたび、ゼミの先輩である○○○○さんと結婚式を挙げることとなりました。
つきましては、たいへん厚かましいお願いではございますが、先生にぜひひと言お言葉を賜りたくお願い申し上げます。
急な上にこちらの勝手なお願いでまことに恐縮に存じますが、どうかよろしくお願い申し上げます。
かしこ
依頼状の書き方文例3:親戚へ保証人を依頼する場合
拝啓 ひと雨ごとに春らしくなってまいりました。皆様お元気でお過ごしのことと存じます。本日は折り入ってお願いがございましてお手紙申し上げた次第です。
実は、先日ちょっとお話いたしましたが、長女の○○子も無事に御地○○大学に入学が決まりました。自宅から通うことは無理なため大学近くのアパートを借りることになったのですが、その契約に保証人、できれば近くの方があればという話がございました。
つきましては、契約に際し連帯保証人をお引き受け願えませんでしょうか。
ほかにお近くで信頼して頼める方もおらず、失礼を承知でお願いする次第でございます。毎月の家賃は私どもが責任をもって振り込みます。
決してご迷惑をおかけすることのないようお約束申し上げますので、どうか事情お察しいただきまして、ご承諾くださいますようお願い申し上げます。
もしもご承諾いただけましたら、ご都合のよろしいいときに近々書類を持ってお伺いしたいと思っております。
こちらの勝手なお願いでたいへん恐縮に存じますが、どうかよろしくお願い申し上げます。またお電話いたしますが、まずは書中にてお願い申し上げます。
敬具
依頼状の書き方文例4:伯父へ借金を依頼する
拝啓 すっかり秋らしくなってまいりました。伯父様には毎日お忙しくお過ごしのことと存じます。さて、本日は折り入ってお願い申し上げたいことがあり筆をとりました。
実は、来月は住宅ローンのボーナス返済月にあたるのですが、この冬のボーナスがひと月ほど遅延することになってしまいました。そんなこともあろうかといくらか蓄えてはいたのですが、そこにきて今回の急な怪我、入院などで少々出費がかさみまして、今月はどうにも追いつかない状態でおります。
こんなことで、まことにお恥ずかしく、またたいへん不躾なお願いで申し訳なく存じますが、二十万円ほどご用立ていただけませんでしょうか。
ボーナスの入金が確認でき次第、必ずご返済いたします。
勝手なお願いでたいへん申し訳ございませんが、どうかお助けいただきたく、切にお願い申し上げます。
敬具
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