6.大学駅(Stazione Universita') ★★★
カリム・ラシッドによる幾何学デザインが魅力のナポリ地下鉄1号線の大学駅のエスカレータ部分の天井 (c)Ewa Kawamura
2011年開業した大学(ウニヴェルシタ)駅。この駅は、他の駅のように複数の作家の現代アート作品を展示するのではなく、一人のアーティスト、エジプト出身のカナダのインダストリアルデザイナーであるカリム・ラシッドが一手に内装を担当した、最もポップで斬新なデザインの駅です。未来にタイムスリップしたような空間が体現でき、駅そのものが芸術作品になってます。ウンベルト1世通りに面するナポリ・フェデリコ2世大学法学部キャンパスに近く、サレルノ・アマルフィ方面に行けるSITA社バスの始発停留所とインマコラータ港へも便利な立地にあります。
未来の世界と見紛うナポリ1号線大学駅 (c)Ewa Kawamura
カリム・ラシッド・ワールドで統一された大学駅 (c)Ewa Kawamura
7.トレド駅(Stazione Toledo) ★★★
トレド駅の地上部にもトレドにちなんだ騎馬像(William Kentridge作)が。 (c)Ewa Kawamura
近年、世界で最も美しい地下鉄駅と話題のトレド駅のエスカレータ部分の天井 (c)Ewa Kawamura
世界で最も美しい地下鉄と評判で、頻繁に紹介されている駅。2012年9月17日に開業しました。立地は、ショッピング街のトレド通り(ローマ通り)に面しているので、お買い物に便利で、スパッカナポリ、ジェス・ヌオーヴォ教会、王宮、ガレリア、サン・カルロ劇場、プレビシート広場といった観光スポットへも徒歩で行けます。トレド駅で最も有名なのは、天空か深海にいるかのような錯覚を起こさせるエスカレーター下方の空間ですが、他にもコンコースなどに現代アーティストの様々な作品が飾られていて、どれもすごく素敵で必見です。
16世紀ナポリがアラゴン家に統治されていた時代の城壁の跡が発見され、内装に生かされている (c)Ewa Kawamura
古(いにしえ)のナポリをモチーフにしたモザイク壁画(William Kentridge作) (c)Ewa Kawamura
設計はスペイン人建築家オスカル・トゥスケッツによるもので、古(いにしえ)のナポリ人の風俗をモチーフにしたモザイク壁画(改札付近とエスカレータ入口)は、南アフリカ出身の新進気鋭の現代アーティスト、ウィリアム・ケントリッジが担当しました。駅の外に置かれている鋳鉄製のモダンな騎馬像も彼の作品です。なおこの駅には、治安の悪さで知られるスペイン地区に出る入口(Montecalvario方面出口)もあり、じつはオシャレな現代アート写真の壁画のある地下道でつながっているのですが、現在ここは閉鎖されています。
トレド駅のエスカレーター入口の壁画(William Kentridge作) (c)Ewa Kawamura
現在閉鎖されているトレド駅のモンテカルヴァリオ方面出口に続く地下道の壁には顔写真アート(Oliviero Toscani作)が (c)Ewa Kawamura
<参考サイト>
■ANM社のアート地下鉄紹介ページ:Metro Art / Le Stazioni dell'Arte