スパッカナポリで必見!ジェズ・ヌオーヴォ教会

piazza gesu

ジェズ広場とジェズ・ヌオーヴォ教会 (c)Ewa Kawamura


ユネスコ世界遺産ナポリの旧市街、スパッカナポリ(ナポリを分断する最も細長い通り)で最大のピアッツァであるジェズ広場を飾るのが、このジェズ・ヌオーヴォ教会(新イエズス教会)です。もともとあったイエズス会派の教会、ジェズ・ヴェッキオ教会(古いイエズス教会)に対して、16世紀末に建立が始まりました。外観はルネッサンス様式の痕跡も多いですが、内部はナポリ・バロックの黄金期を証明する豪華絢爛な装飾で、目が眩むこと間違いないでしょう。

外観の見どころ

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ジェズ・ヌオーヴォ教会のファサードを飾るダイヤモンド切りの積み石 (c)Ewa Kawamura


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ジェズ・ヌオーヴォ教会の玄関枠上の大理石飾り (c)Ewa Kawamura

建物の基本設計は、1584年、イエズス会士の建築家ジュゼッペ・ヴァレリアーノら。ヴァレリアーノは、その敷地に建っていた15世紀末の貴族の館を取り壊さず、外壁と門枠を保存しながら教会にデザインし直しました。その外観の特徴は、灰色のピペルノ石をダイヤモンドのように鋭角カットした石積と、白大理石のレリーフで飾られた玄関の門枠で、これらはフィレンツェ風ルネッサンス様式です。そこにバロック様式で、ブロークン・ペディメント(割れ破風)と天使やイエズス会の紋章の彫刻が、17世紀末に付け加えられました。

内部の見どころ

Cacciata di Eliodoro

フランチェスコ・ソリメナによる玄関裏内部壁画《ヘリオドロスの追放》(1725年)(c)Ewa Kawamura


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中央の身廊から主祭壇をみる (c)Ewa Kawamura

当時、宗教改革によるプロテスタントの広がりを危惧したカトリック教会が、「反宗教改革」を標榜。信者の信仰心をさらに強化させるため、ミサに集中できるような工夫がなされた空間設計になっています。そのため、教会の平面の形は、長細い一般的な十字架(ラテン十字)ではなく、上下左右対称のギリシャ十字に似せたものとなっています。中心の天井には17世紀初頭に円蓋(ドーム)が載せられますが、のちに火災や地震で何度か作り替えられました。なお玄関裏内部壁のフレスコ画は、ナポリ派の名だたる画家フランチェスコ・ソリメナ筆による《ヘリオドロスの追放》(1725年)です。

ナポリ・バロックの立役者コジモ・ファンザーゴ

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左翼廊にある聖イグナチオの礼拝堂(Wikimedia、IlSistemone氏撮影)


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大理石象嵌細工の柱のディテール (c)Ewa Kawamura

この教会の素晴らしい内部装飾は、ナポリ・バロックを代表する建築家コジモ・ファンザーゴによる功績が大きいです。彼は、彫刻と大理石象嵌細工に長けていて、1630年、床や柱に多色大理石の象嵌細工をほどこして、花と唐草模様で優雅に飾りました。左翼廊にある最も重要な「聖イグナチオ礼拝堂(Cappella di S. Ignazio)」は、イエズス会の創設者イグナチオ・デ・ロヨラに捧げられたものですが、これもファンザーゴのデザインで、礼拝堂の壁龕におかれたダヴィデ像(左)と預言者エレミア像(右)もファンザーゴ自身の作品です。

carlo gesualdo

カルロ・ジェズアルドの肖像(16世紀、作者不詳)

さらに、この聖イグナチオの礼拝堂付近の床には、16世紀のナポリで活躍したマドリガーレ音楽の大家で有名な作曲家、カルロ・ジェズアルド(1613年没)の墓がありますので、ここはクラシック音楽ファン必見のスポットでもあります。

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■Chiesa del Gesù Nuovo(ジェズ・ヌオーヴォ教会)
見学時間:8:30~12:30、16:30~19:00
住所:Piazza del Gesù Nuovo, Napoli
TEL:+39 081 557 8111




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