アート好き必見! ナポリの地下鉄Linea1(1号線)

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世界で最も美しい地下鉄駅といわれるナポリ地下鉄1号線トレド駅のエスカレータ部分の天井 (c)Ewa Kawamura
 

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カリム・ラシッドによるポップで近未来的なデザインが魅力のナポリ地下鉄1号線の大学駅 (c)Ewa Kawamura

現在ナポリには3本の地下鉄路線が走っています。とくに利用者の多いのがLinea1(1号線)とLinea2(2号線)で、近年よく話題に上るのが、現代アートを多用して美しいと評判の1号線です。ナポリの丘陵地ヴォメロ(Vomero)を横切っているため、ナポリっ子たちからは通称「丘の地下鉄(Metropolitana Collinare)」と呼ばれています。じつは2号線のほうが歴史がずっと古く、こちらは1925年に開通したイタリア最古の地下鉄ですが、今回ご紹介するのは、現在も路線拡張中で新しい、アートな駅が自慢の1号線。見ごたえ度順に、代表的な7つの駅の見どころと周辺の観光スポットをみていきましょう! 
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ナポリ地下鉄1号線マテルデイ駅のホームの壁画アート(Anna Gili作)。 (c)Ewa Kawamura


※以下、各駅の見ごたえ度を三ツ星満点(★~★★★)で表示!


1.ヴァンヴィテッリ駅(Stazione Vanvitelli) ★

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ナポリ地下鉄1号線の最古のヴォメロ駅に入るナポリの地下鉄。奥の壁にはモザイク壁画(Isabella Mosca Ducrot作)が。 (c)Ewa Kawamura


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ヴァンヴィテッリ駅のコンコースの壁に掛けられた現代アート写真。 (c)Ewa Kawamura

1号線のなかで最も古い駅で、ナポリの丘陵地ヴォメロの中心ヴァンヴィテッリ広場と住宅街(Colli Aminei)を結ぶため、1993年に開業しました。といってもこの駅に現代アートが飾らたのは、路線拡大とアートな駅が増えてきた2005年。ヴァンヴィテッリ広場からは、ショッピング街のスカルラッティ通りが直結。もう一つのショッピング街ルーカ・ジョルダーノ通り、ナポリの王宮やガレリアのある中心へ行けるケーブルカー駅もすぐ近くにあります。ヴァンヴィテッリ駅から徒歩で行ける主な観光スポットは、サンテルモ城、サン・マルティーノ修道院(美術館)、公園ヴィッラ・フロリディアーナと園内の陶器博物館です。
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ヴァンヴィテッリ駅ホームのモザイク画(Isabella Mosca Ducrot作)、駅の設計はMichele Capobiancoによる。 (c)Ewa Kawamura



2.ダンテ駅(Stazione Dante) ★

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イタリアの中世の詩人ダンテの作品から引用した文章を使ったダンテ駅の電光アート。 (c)Ewa Kawamura


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鋳鉄に靴や古着をはさんだアートなダンテ駅の壁面(Jannis Kounellis作) (c)Ewa Kawamura

ナポリの下町に近い、ダンテ広場の真上にある駅で、2002年に開業しました。広場の中心にはイタリア中世の大詩人ダンテの立像があり、駅の内部で最も目立つ位置の壁面には、ダンテの『饗宴(Il Convivio)』(1307年)からの引用文を使った電光アート(Joseph Kosuth作)が飾られています。もちろん他にも様々なアーティストの作品がある駅です。歩いて行かれる最寄りの観光スポットは、スパッカ・ナポリ、トリブナーリ通りの人気ピッツェリア群、プレゼピオ(クリスマス飾りの人形)の工房が集中するサン・グレゴリオ・アルメーノ通りなど。
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ナポリ地下鉄1号線ダンテ駅の壁面アート(Nicola De Maria作) (c)Ewa Kawamura



3.ガリバルディ駅(Stazione Garibaldi) ★

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ナポリ中央駅前にある地下鉄1号線ガリバルディ駅 (c)Ewa Kawamura


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巨大な文字で駅名の書かれた地下鉄ガリバルディ駅のホーム (c)Ewa Kawmaura

どちらかというと建築好きにおススメな駅で、有名なフランス人建築家ドミニク・ペローの設計で、ホームや内装のアートは他の駅と比べると質素です。中央駅に面するガリバルディ広場の地下にあり、将来ここにショッピングセンターも併設されます(現在工事中)。少し歩きますが、地下鉄2号線の同名駅にも乗り換えができます。なお今回紹介しなかった最も新しい地下鉄路線である6号線(2007年開通、現在も拡張工事中)も現代アートで飾られていて、将来は1号線の市役所(ムニチピオ)駅まで到達し、そして最終的にはナポリ・カポディキーノ空港までつながる予定です!
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ドミニク・ペロー設計の地下鉄ガリバルディ駅のエスカレータ (c)Ewa Kawmaura



4.博物館駅(Stazione Museo) ★★

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考古博物館の目玉「ファルネーゼ家のヘラクレス」彫刻のレプリカがある博物館駅。(c)Ewa Kawamura


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巨大な古代彫刻「カラーファ家の馬の頭部」のレプリカが飾られている博物館駅 (c)Ewa Kawamura

2001年に開業。博物館(ムゼオ)駅の名のとおり、国立考古学博物館の真横の立地にあり、地下鉄2号線のカブール駅とも地下通路で直結しています。さすがイタリアを代表する建築家ガエ・アウレンティ(日本では東京のイタリア文化会館を設計)のデザインだけあって、静謐(せいひつ)かつ大胆な空間がとてもスマート。考古学博物館収蔵の有名な古代彫刻のレプリカ(「フェルネーゼ家の牡牛」、「ファルネーゼ家のヘラクレス」など)や、ナポリの大御所写真家ミンモ・イヨーディチェの素晴らしい作品も随所に多くみられるので、国立考古学博物館と合わせてぜひこの駅も見学したいところです。
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考古学博物館収蔵の古代彫刻をモチーフにしたアート写真(Mimmo Jodice作)が架かる博物館駅 (c)Ewa Kawamura
 


5.マテルデイ駅(Stazione Materdei) ★★

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ナポリ地下鉄1号線マテルデイ駅のホームの壁画アート(George Sowden作)。 (c)Ewa Kawamura


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マテルデイ駅の外観、駅周辺の屋外にもアート作品が点在しています (c)Ewa Kawamura

2003年に開業。周辺は住宅街で、駅名のマテルデイはその地区の名前でもあります。今回リストに挙げていませんが、1号線のもう一つのアートな地下鉄サルヴァトール・ローザ駅と同じ建築家によるものなので、雰囲気が似ていますが、ホームの壁に掛けられたアートをはじめ、こちらのほうがポップで華やかで、ソル・ルウィットといった世界的有名アーティストの作品もあり、開業年も2年新しいだけあって、あか抜けてよりオシャレです。最寄りの観光スポットは、凝灰岩の石切り場跡を利用してつくった、無数の骸骨が置かれている「フォンタネッレの墓地(Cimitero delle Fontanelle)」ですが、ナポリ観光の上級者・リピーター向けです。
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マテルデイ駅のエスカレータ部分にある陶器タイルのモザイク壁画(Luigi Ontani作)には、海の中にナポリの化身プルチネッラの姿がみえる (c)Ewa Kawamura

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ナポリ地下鉄1号線マテルデイ駅ホームにある偉人たちの顔を並べたアート壁画はINNOCENTE (Dino Scardoni)作。 (c)Ewa Kawamura


次ページでは、さらにアート度がパワーアップする、2011年以降に開業したナポリ地下鉄駅をみていきましょう。もちろん、あの有名駅もでてきます!