改めて「公社債投資信託」とは

マイナス金利の公社債投信への影響

マイナス金利の公社債投信への影響

マイナス金利に関する報道等を見聞きしていると「公社債投資信託」と「公社債投信」が同義語で使われているケースがありますので、改めて「公社債投資信託」とは?というところからお話ししましょう。

「公社債投資信託」とは、運用対象に株式を一切組み入れず、あるいは将来的にも組み入れる予定がない投資信託を指しています。

極端な話、1単元でも株式を組入れれば、それは公社債投資信託ではなく「株式投資信託」になります。株式を組み入れることが出来ないため、その運用対象は国債などの債券、譲渡性預金(CD)、コールローン、CP(コマーシャルペーパー)など短期の金融商品を中心に運用が行われます。

公社債投資信託は公社債等だけで運用される投資信託の大分類になり、その下に個々の商品として「MRF」「MMF」「FFF」「公社債投信」などがあります。公社債投資信託と「公社債投信」は混同されることが多いため、公社債投信については「長期社投」という別名称で呼ぶケースもあります。また、FFFはフリーファイナンシャルファンドの略で、私たち投資家が直接投資することが出来ず、主に国債や社債などの利子を再投資するための商品という位置付けになっています。

MMFは全商品が繰上償還になるかも?

今回のマイナス金利政策の導入により、MMF、FFF、中期国債ファンドなどが軒並み新規募集停止となりました。新規の買い付けが出来ないだけで、解約をすることは可能です。日興アセットマネジメントなど一部の運用会社は、MMFなどの繰上償還を決定しているところもあります。

新規募集停止、一部繰上償還が決定しているのは、ひとえにMMF、FFFなどは満期までの期間が短い(MMFは主として1年以内)ものが中心であり、その投資対象となる資産の利回りがマイナスに転じてしまっているからです。言い換えれば、新規の投資資金を受け付けた場合、その新規資金で投資する資産はマイナスの利回りの商品になるのです。さらに、MMFなども運用管理費用(信託報酬)が徴収されるのですから、プラスの利回りを確保するのが極めて困難という状況にあるためです。

マイナス金利が導入されたのは2016年2月16日から。黒田総裁の発言では、必要であればさらにアクセルを踏むと述べていることから、マイナスの幅は大きく、かつ長期化する恐れも否定できません。MMFなど既に新規募集が停止されている商品は、将来的に全商品が繰上償還になってもおかしくはありません。
なお、MMFは一部確定拠出年金の運用対象となっていることから、確定拠出年金経由の新規買い付けは一部で可能になっているようです。

公社債投信や他の商品にも影響が

償還期間が短めの資産を投資対象とする公社債投資信託はMRFを除いて、全滅になる可能性が高いのですが、償還期間が長めの公社債も投資対象とすることができる公社債投信も将来的に新規募集停止になるかもしれません。

公社債投信もポートフォリオの残存期間を見るとかなり短くなっていることから、MMFなどの同じく新規資金を受け付けた場合、プラスの収益を確保できる公社債がほとんどない状況、かつ運用管理費用(信託報酬)をどうやって賄うのかという問題に直面してしまうからです。運用管理費用はMMFよりも負担割合は高くなっていることから、なおさら運用は厳しいと言わざるを得ない状況と言えるでしょう。

ただし、公社債投信は財形貯蓄でも利用されている商品です。一般向けは新規募集となったとしても、財形貯蓄経由の新規買い付けはなかなか停止とはいかないかもしれません。

マネーポートフォリオも運用成績が低迷に

マイナス金利の影響は、株式投資信託の間にも拡がりつつあります。JP投信は2月22日に新規設定の「JP日米国債ファンド」の取り扱いを中止としています。その他、国内の公社債を中心に運用が行われている投資信託も、将来的に新規の募集が停止される可能性がありえると思われます。

また、ブル・ベア型ファンドのスイッチング(乗換)先の1つである「マネープールポートフォリオ」なども、マイナス金利導入を受けて基準価額が下落することが想定されています。

いずれにしてもマイナス金利政策は導入されたばかりです。その政策の影響はジワジワと拡がってくると予測されます。公社債投資信託以外にも拡がりつつあることから、関連する投資信託を保有している人は、解約、売却などを検討する必要が高まりつつあると認識すべきでしょう。

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