定年・退職のお金/退職金の運用方法

リスクをあまり取らずに配当金を得る方法

定年を迎えた後の資産運用は、昔なら定期預金で安定運用というのが相場でした。が、今はある程度のリスクを取らないと、資産が目減りする一方になります。とはいえ、過度のリスクは取りたくない人も多いでしょう。そういう方にぴったりの商品が、「優先出資証券」です。

鈴木 雅光

執筆者:鈴木 雅光

投資信託ガイド

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安定した配当利回りを狙える金融商品がある

お金に働いてもらうことで年金収入に上乗せできる

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定年後の資産運用は、以前なら「定期預金で安定運用」というのが相場でした。しかし、今はある程度のリスクを取らないと、資産が目減りする一方になります。過度のリスクは取りたくない人にぴったりの商品が「優先出資証券」です。

「優先出資証券」。聞いたことがないという人も多いと思います。有価証券の一種で、信金中央金庫が唯一、東京証券取引所に上場しています。

株式と違って議決権は有していませんが、それ以外は基本的に株式と同じ。証券会社の窓口やインターネット証券を通じて売買できます。税制も株式と同じ証券税制が適用されます。

優先出資証券のメリットは3つ

安定した配当利回りを得たいという人にとって、優先出資証券には3つのメリットがあります。

●メリット1:配当利回り

第一に配当利回りが比較的高めであること。2016年3月期決算で予想される配当金額は、1口あたり6500円。これに対して1月18日時点における優先出資証券の取引価格は、1口あたり22万5000円ですから、配当利回りは2.88%になります。

もちろん、上場銘柄のうち高配当銘柄でスクリーニングをすれば、これよりもはるかに高い配当利回りの銘柄はたくさんあります。

●メリット2:安定した値動き
しかし、優先出資証券は市場の取引価格が非常に安定しています。これが第二のメリットですが、チャートを見ても、取引価格の値動きが非常に小さいのです。

流石にリーマンショックの時には大きく下げていますが、その後の値動きはJ-REITなどと比べても小さめです。つまり、通常の個別銘柄投資に比べて、価格変動リスクが小さいといえます。

●メリット3:信用リスクの低さ
そして第三のメリットは、信金中央金庫という金融機関の発行体リスクが低いこと。信金中央金庫は、全国にある信用金庫の中央銀行的な存在で、2015年9月現在で30兆円の資金力を有し、長期格付けはスタンダード&プアーズで「シングルA」。ムーディーズで「シングルA1」という高格付けを取得しています。

優待制度もあり

つまり、信金中央金庫の優先出資証券は、発行体である信金中央金庫の経営リスクが非常に低く、優先出資証券の価格変動リスクが低く、かつ配当利回りは比較的高いという特性を有しています。定年後の資産運用で、安定的に、かつある程度のキャッシュフローを確保したいという方には向いている投資対象といえるのです。

ちなみに、1口あたりの予想配当金額が6500円ですから、仮に1口22万5000円の取引価格で100口分投資すると、総投資金額が2250万円。これに対して毎年得られる配当金額は65万円になります。1カ月あたり5万4000円程度のキャッシュフローが生み出される計算になります。

さらに言えば、10口以上で6000円相当のグルメカタログが、優待制度として得られます。

定年までにある程度の資産が作れ、その後は安定運用で、そこそこのキャッシュフローを得たいという人は、一度検討してみる価値のある投資対象だと思います。

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