資産運用に関する被害総額は402億円

いったん詐欺に遭うと、二次被害、三次被害と続く恐れも

いったん詐欺に遭うと、二次被害、三次被害と続く恐れも

定年前後の資産運用で特に注意すべきなのが「詐欺的商法」。この手の商品に投じた資金は、ほとんど戻って来ないケースもあります。大事な老後の資産をまるまる失うことにもなりかねません。この手の詐欺的商法にはどのような種類があるのかを、頭に入れておくと良いでしょう。

参考になるのが、警察庁生活安全局が毎年2月に公表している「生活経済事犯の検挙状況等について」という統計データ。利殖勧誘事犯、ヤミ金融事犯、環境事犯など、さまざまな事件の検挙状況に関するデータがまとめられています。このうち、資産運用に関するのは「利殖勧誘事犯」です。

平成26年中における利殖勧誘事犯の被害総額は402億7816万円で、平成25年中の被害総額に比べると約半減といった感じです。しかし、この数字はその年によって大幅に増えたり減ったりを繰り返しているので、平成26年中の数字だけを見て、被害が減少傾向にあるとは言えません。

ちなみに、平成23年中の被害総額は、1272億9337万円にも達していました。

意外とある、詐欺事件の種類

注目点は被害総額よりも、どんな種類の事件があるのか、ということです。個別事件の種類をざっと挙げると、未公開株式、公社債、ファンド型投資商品、外国通貨取引、デリバティブ取引、二次被害となっています。具体的にどのようなものかを簡単に説明しておきましょう。

●未公開株式
上場されていない株式を事前に取得し、上場後大きな利益が得られるなどと称して勧誘。

●公社債
元本保証、高利回りを謳った社債の募集。

●ファンド型投資商品
商品ファンドや組合型ファンド、預託商法、和牛オーナー商法など、運用者が出資者からお金を集めて運用し、利益を配分するというもの。

●外国通貨取引
イラクディナールやスーダンポンドなど、高い利益が得られることを謳って、新興国通貨への投資を勧誘。

●デリバティブ取引
商品先物取引やオプション取引の勧誘。

●二次被害
一度、被害に遭った人への再勧誘。最初の被害を取り戻せるといった言葉で勧誘する傾向がある。

冒頭で挙げた統計データには、具体的にこの1年間、どのような事件があったのかについても公表されています。過去の具体的なケースを把握しておけば、実際にこの手の勧誘を受けた時、勧められている商品が怪しいものであるか、そうでないかを判断できます。特に、この手の事件は高齢者ほど巻き込まれやすいので、十分にチェックしておくことが肝心です。

※上記の「詐欺事件の種類」はあくまで例であり、同様のネーミングのものがすべて詐欺とは限りませんのでご留意ください。
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