価格トレンドは、リーマンショックで下落も現在は回復
いつの時代も買える物件があることを実感
マンションマーケットのトピックスを挙げると、リーマンショックが一番に挙げられますが、2008年2月の『中古マンション価格は、都区部下落へ! 』の記事を見ると、リーマンショック前から不動産価格は実は下がっていたことがわかります。リーマンショックのあった2008年の記事を振り返ると、悲観的なタイトルのオンパレード。『激動の2008年!!マンション市場を振り返る』を読むと、マーケットの激震の大きさがわかります。一方で、冷静に当時のマンションラインナップを見てみると、価格上昇局面だったとはいえ、現在の市場価格も堅調な良質のマンションがかなり見受けられます。中古マンションと違い、その年でなければ購入できない素敵なマンションがどの時代も供給されていることをあらためて実感します。価格トレンドで大きな変化をもたらしたのは、2012年12月の政権交代。しかし、地価ルックレポートを見ると、大きな流れでは既に地価の反転の兆しがあったことがうかがえます。『検証!2013年は、マンションの買い時? 』では、マンションの購入環境の変化を挙げましたが、その後は東京五輪の開催決定などもあって、3年間で大きく価格は上昇し購入環境も変化しました。当サイトでは、翌年の1月に『2014年は、マンション『まだ買い時』説の真偽 』で、購入環境がまだ大きくは変わっていないことを述べています。マーケット関連の記事を振り返って思うのは、どうしてもその時点だけで見ると判断がしにくい点。一定期間、価格動向を見ていないと、市場が上向きなのかどうかはわかりません。先日、「購入を先送りしていたら、数年で希望エリアの相場が大きく変わってしまった」といった話を耳にしましたが、根気強く物件探しを続けるのも納得した購入のためには必要なことかも知れません。
再生やリノベーションがこれから活発化
ひとり一つのマンションならいつの時代もきっと出会える
今後のマンショントレンドのキーワードとして挙げたいのが、再生とリノベーションです。当サイトでも、『表参道ヒルズ』をはじめ都市や街の再生プロジェクトを数多く紹介してきました。この一年でも、『桜上水ガーデンズ』などの建替えプロジェクトは、住民の声を企画に反映させて素晴らしい住居に仕上がっています。2006年に紹介した『レシオン武蔵小杉』をはじめ、社宅などからリノベーションを行ったマンションをいくつも紹介してきましたが、既存ストックの有効活用の流れも今後さらに進むのではないかと思います。
『100年前のマンションから気づく住宅選びの2つの視点 』で紹介したように鉄筋コンクリート製の高層アパートが誕生して今年で100年が経ちました。分譲マンションとして最も古いとされる四谷コーポラス(1956年竣工)が誕生して今年で60年を迎えます。既存の土地や建物をどう再生していくかは、これからの大きなテーマになっていくでしょう。
昭和40年当時の男性の平均寿命は67.74歳、女性は、72.92歳でした。長寿社会を迎えた今、マンションなどの住宅の役割もより大きくなってきています。今、どんなマンションが計画されどんな提案がなされるのか。どんなトレンドがマーケットで起きているのかを引き続き紹介していきたいと思います。これからもマンショントレンド情報をどうぞよろしくお願いします。