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鎌倉観光の移動、どの交通手段を使うのが便利?

鎌倉市が抱える大きな問題が、交通渋滞。鎌倉を観光で訪れるなら、可能な限り電車・バスなどの公共交通手段を利用することをおすすめします。そこで、江ノ電、路線バス、徒歩など、どの交通手段を使うのが便利かを、主な行き先別に整理してお伝えします。

森川 天喜

執筆者:森川 天喜

国内旅行ガイド

江ノ電、路線バス、徒歩、行き先別移動手段

鎌倉市が抱える大きな問題が、交通渋滞。大型連休やアジサイシーズン、夏の海沿いの国道(134号線)の渋滞など、クルマがぜんぜん動かなくなることも。

鎌倉を観光で訪れるなら、可能な限り電車・バスなどの公共交通手段を利用することをおすすめします。
 
レトロ調バス『りんどう号』(京急バス)

レトロ調バス『りんどう号』(京急バス)


そこで、江ノ電、路線バス、徒歩など、どの交通手段を使うのが便利かを、主な行き先別に整理してお伝えします。
 

行き先別、目次

 

【1】大仏、長谷観音、鎌倉文学館

鎌倉の人気観光名所の筆頭といえば、鎌倉大仏。大仏様は、鎌倉の長谷というエリアにいらっしゃいます。ちなみに、大仏様のお寺の正式名称は、高徳院(こうとくいん)といいます。
 
鎌倉大仏(高徳院)

鎌倉大仏(高徳院)


高徳院のすぐ近くにあるのが、同じく人気観光名所である長谷寺(長谷観音)。高徳院と長谷寺は、セットでお参りする人が多いようです。

鎌倉駅から長谷へのアクセス方法としては、江ノ電または路線バスが利用可能ですが、長谷付近の道路は渋滞が発生しやすく、バスが時刻通りに動かないことが多いので、江ノ電の利用をおすすめします。
 
鎌倉駅に停車中の江ノ電

鎌倉駅に停車中の江ノ電


ただし、江ノ電は4両編成のミニ電車なので、ゴールデンウィークなどの大型連休時などは、そもそも江ノ電に乗るのに長い待ち行列ができることもあります。そんなときは、どうすればいいのでしょうか?

じつは、鎌倉駅から長谷エリアまではおよそ2kmで、歩いても20分ちょっと。十分に歩ける距離なのです。Googleマップで、出発地に「鎌倉駅西口」、目的地に「長谷寺」と入力すれば、簡単にルート検索できます。

念のため、ルートを案内しておきますと、鎌倉駅西口(バスロータリーのある東口の反対側)から、まずは左手に見える「御成通り」をまっすぐに歩いて行きます。
 
御成通り

御成通り


「御成通り」は300mほど先で「由比ガ浜通り」というバス通りに突き当たります。左に江ノ電の踏切が見えるはずです。ここを右折し、あとは、「由比ガ浜通り」を道なりに歩いて行けば、長谷観音前の交差点に出ます。

なお、鎌倉文学館は、「由比ガ浜通り」を長谷観音に向かう途中の右手にあります(江ノ電の最寄り駅は「由比ヶ浜」駅)。
 

【2】鶴岡八幡宮

大仏様と並ぶ鎌倉の観光名所の代表格といえば、鶴岡八幡宮。鎌倉の街の中心に鎮座しています。
 
鶴岡八幡宮で8月に行われる「ぼんぼり祭り」

鶴岡八幡宮で8月に行われる「ぼんぼり祭り」


鶴岡八幡宮までは鎌倉駅東口から徒歩10分ほどなので、歩くのが基本ですが、どこを歩くかによって、ずいぶんと道の趣が異なります。

おすすめなのは、鎌倉市街を南北に貫く鎌倉のメインストリートである若宮大路の中央に、一段高く盛り土された「段葛(だんかずら)」という歩道を歩くルート。

「段葛」は、鎌倉時代に源頼朝の妻・政子の安産を祈願して造られた鶴岡八幡宮の正式な参道です。鎌倉駅付近の鶴岡八幡宮「二の鳥居」から「三の鳥居」まで、およそ460mにわたって続いており、道の両側には桜が植えられています。
 
段葛の桜。2016年春には、段葛の桜並木の植替え工事が完了し、以後は毎年、若木が見事に花を咲かせています

段葛の桜。2016年春には、段葛の桜並木の植替え工事が完了し、以後は毎年、若木が見事に花を咲かせています


この段葛は、遠近法を利用して実際よりも距離を長く見せるために、北に向かうほど道幅を狭くするなどの仕掛けもあります。

若宮大路沿いには、鎌倉を代表する銘菓『鳩サブレー』を製造・販売する豊島屋の本店をはじめ、道の両側にたくさんのお店が並んでいるので、これらのお店を眺めながら歩くのも楽しいです。
 
小町通りのカフェ「イワタ珈琲」の特大ホットケーキ

小町通りのカフェ「イワタ珈琲」の特大ホットケーキ


鎌倉駅から鶴岡八幡宮へは、「小町通り商店街」を歩いて八幡宮に向かうルートもあります。

「小町通り商店街」には、人気のカフェやレストランのほか、お土産物を売る店もたくさんあるので、できれば八幡宮をお参りした帰り道に歩くほうが、荷物にならなくていいでしょう。
 

【3】報国寺(竹寺)、浄妙寺、杉本寺

最近、鎌倉で人気なのが、竹寺として親しまれる報国寺(ほうこくじ)。風雅な竹林の片隅に設(しつら)えられた茶席で、抹茶をいただくことができます。
 
報国寺(竹寺)

報国寺(竹寺)


報国寺へは、鎌倉駅東口バスターミナルの5番乗り場から、京急バス「金沢八景駅」行き、「鎌倉霊園正門前太刀洗」行き、「ハイランド循環」のいずれかのバスに乗車し、「浄明寺」バス停で下車し、徒歩3分ほど。鎌倉五山第四位の浄妙寺へも同じバス停を利用します。

ちなみに、鎌倉で最も古い歴史を持つ杉本寺(杉本観音)へは、同じバス路線で、「浄明寺」の手前の「杉本観音」バス停で下車します。
 

【4】鎌倉宮、瑞泉寺、荏柄天神

厄除けのご利益があるとされる鎌倉宮や、有名な石庭があり、梅や紅葉の名所としても知られる瑞泉寺も、鎌倉で訪れる人の多い場所。
 
紅葉の季節の瑞泉寺本堂と石庭

紅葉の季節の瑞泉寺本堂と石庭


鎌倉宮や瑞泉寺へは、鎌倉駅東口バスターミナルの4番乗り場から、京急バス「大塔宮(鎌倉宮)」行きのバスに乗り、終点の「大塔宮」バス停で下車します。

「大塔宮(だいとうのみや、おおとうのみや)」というのは鎌倉宮の別名で、神社にまつられている大塔宮護良親王に由来します。

鎌倉宮はバス停を降りてすぐ、瑞泉寺はバス停から徒歩10分ほどの場所にあります。
 
紅白の梅が咲く荏柄天神社

紅白の梅が咲く荏柄天神社


ちなみに、学問の神様として受験シーズンににぎわいを見せる荏柄天神(えがらてんじん)は、同じバス路線の「大塔宮」のひとつ手前の「天神前」バス停が最寄りです。
 

【5】円覚寺、建長寺、明月院

円覚寺建長寺は鎌倉を代表する大きなお寺です。いずれも臨済宗(りんざいしゅう)という宗派の禅寺で、JR横須賀線の北鎌倉駅から徒歩圏内にあります。
 
円覚寺門前の桜

円覚寺門前の桜


円覚寺は、北鎌倉駅を降りてすぐ目の前、建長寺は北鎌倉駅から歩いて15分ほどの場所にあります。

北鎌倉駅の周辺には、このほか、山門へと続く石段の風景が美しい浄智寺や、「縁切り寺・駆込み寺」として知られる東慶寺、初夏のアジサイの名所として知られる明月院などのお寺もあり、いずれも禅寺です。

北鎌倉エリアは、このようにお寺が多いことから、鎌倉市内でもとくに静かな風情が保たれ、あたかも山里のような風情が今なお色濃く残っています。
 

【6】銭洗弁財天、佐助稲荷

境内に涌く泉の水でお金を洗うとお金が倍増するといわれる銭洗弁財天や、鎌倉幕府を開いた源頼朝の出世を助けたとの伝説が残る佐助稲荷(出世稲荷)も、鎌倉の人気スポット。
 
銭洗弁財天の湧き水でお金を洗うと倍増すると言われる

銭洗弁財天の湧き水でお金を洗うと倍増すると言われる


銭洗弁財天と佐助稲荷は、距離が近いこともあり、セットでお参りする人が多いと思います。

鎌倉駅から、銭洗弁財天、佐助稲荷へも複数のルートがありますが、鎌倉駅西口から徒歩で向かうのが、一般的なルートで、およそ1.5km、20分程度です。

鎌倉駅西口改札を出たら、正面に向かって進み、「市役所前」の交差点を右折。150mほど行くと、赤い「銭洗弁天」と書かれた小さな道標が出ているので、ここから道なりに歩いて行きます。
 
「銭洗弁天」方面の道を案内する小さな赤い道標

「銭洗弁天」方面の道を案内する小さな赤い道標


このほか、北鎌倉から長谷まで続く「大仏ハイキングコース」経由で訪れるルートもあります。このルートは、下記イラストマップの濃い緑色のルートを歩くことになりますが、割と本格的な山歩きなので、歩きやすい服装と運動靴が必要です。
鎌倉のハイキングコース イラストマップ(出典:鎌倉紀行)

鎌倉のハイキングコース イラストマップ(出典:鎌倉紀行)


鎌倉ハイキングコース イラストマップ

北鎌倉駅側からだと浄智寺の脇からハイキングコースに入り、源氏山公園を経て、銭洗弁財天へ。一方、長谷駅からは、大仏前の県道をさらに少し先まで行き、大仏坂トンネルの右側の石段がハイキングコースの登山口になっています。
 

【7】稲村ヶ崎(海の景色を楽しみたい!)

鎌倉といえば、海のイメージ。そして、鎌倉らしい海の景色を楽しみたいのであれば、「かながわの景勝50選」にもなっている稲村ヶ崎から江ノ島や富士山、そして夕日を眺めるのがおすすめ。
 
稲村ヶ崎からの眺望

稲村ヶ崎からの眺望


稲村ヶ崎へ行くには、鎌倉駅から江ノ電を利用します。5つ目の「稲村ヶ崎」駅を降り、海(南)側に向かって歩いて行くと、国道に出ます。

国道の向こうには、すぐに海が見えます。そして、左手に見える沖に突き出した岬が稲村ヶ崎です。稲村ヶ崎一帯は公園として整備されており、ここからの眺めが抜群です。

さて、今回の記事では鎌倉市内の移動手段について書きましたが、東京から鎌倉へのアクセス手段やフリーパスなどについてのより詳しい情報は、下記の記事をご覧ください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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