実は自分にぴったりだった
ミュージカルという表現手段

ミュージカル『黒執事』(C)2014 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト

ミュージカル『黒執事』(C)2014 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト

――松下さんはブラック・ミュージックをこよなく愛し、18歳で歌手デビューされたのですよね。その翌年にミュージカル・デビューをしたのは、舞台への興味もあったということでしょうか?

「まるでなかったです(笑)。中3のときに初めてNYに行って、ブロードウェイで『ヘアスプレー』を観たりはしていましたが、目指したりというのは全くなかったですね。それが、『黒執事』という作品でミュージカルをやらせていただき、右も左もわからないなかでやってみて、その過程で舞台が好きになっていきました。それまで、お芝居というものを表面的にしかとらえていなかったけれど、音楽が自分の魂の叫びであるのと同じで、お芝居もただ台詞をうまく言えばいいということではなくて、その役の気持ちが入っていなければ表現にならない、という奥深さがある。それに僕はもともと一人っ子で、一人で考えたり思いめぐらせたりするのが好きな子だったので、そういう点でもお芝居に向いていたのかなと思うんです」

――これまでで特に印象残っている舞台は?
『Paco~パコと魔法の絵本』提供:東宝undefinedキューブ 撮影:桜井隆幸

『Paco~パコと魔法の絵本』提供:東宝 キューブ 撮影:桜井隆幸

「『黒執事』は計4回やらせてもらってそれがあったからこそ今の自分があるし、人間でない悪魔という役柄的にも、印象の強い作品です。初めてのストレートプレイ『Paco~パコと魔法の絵本~from「ガマ王子vsザリガニ魔人」』もすごく印象深いし、昨年の『イン・ザ・ハイツ』はいまだに聴いているほど音楽が好きで、すごく楽しかったですね。あとは『モンティ・パイソンのSPAMALOT』も面白かったです。共演の方々が年上の方ばっかりなのに、僕のような若手に自由にやらせてくれましたし、僕のやることに受けてくださったりもしました」

――『SPAMALOT』では平野綾さんとのデュエットで、クラシック風の太い声を出されていて驚きました。

「ああいう発声も含め、遊びでいろんな歌い方をするのが好きなんですよ(笑)」

――これからもいろいろなミュージカルで活躍されそうですね。
『モンティ・パイソンのSPAMALOT』(C)ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT featuring SPAM(R)』製作委員会

『モンティ・パイソンのSPAMALOT』(C)ミュージカル『モンティ・パイソンのSPAMALOT featuring SPAM(R)』製作委員会

「そうですね。でもあくまで、僕がやるということに意味を見出したいと思います。その意味で今回、これだけたくさんの役者がいる中から僕を道明寺役に選んでもらえたことはうれしいし、“やっぱりこの人じゃないと道明寺はダメなんだ”と思ってもらえるようにしたいですね。その自信もあります。原作漫画が3次元化されたらこうなったというふうにしたいので、その意味では僕が一番道明寺に対して思い入れが強いはずです。髪型ですか? 僕は直毛なんですけど、原作のあの(ウェーブの)ニュアンスは出すことになると思いますよ」
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制作発表記者会見では「僕は俺様系なので…」とおっしゃっていた松下さんですが、インタビューでは関西マインドの気さくさで稽古の手ごたえを語り、その充実ぶりが伝わってきます。近年ミュージカル界での活躍も目覚ましい鈴木裕美さんの演出のもと、出演者それぞれが持ち味を発揮し、化学変化を起こしてゆくであろう舞台、その仕上がりがますます楽しみです!

*公演情報*『花より男子 The Musical』16年1月5~24日=シアタークリエ、1月28日=福岡サンパレス ホテル&ホール、2月6~7日=愛知県芸術劇場大ホール、2月11~14日=サンケイホールブリーゼ
*次頁で『花より男子The Musical』観劇レポートをアップしました!