世界の代表として、堂々の作品!
2回にわたってお送りします。続きはこちらへ!▼竹ヶ原敏之介氏監修、マンテラッシ限定モデル 思考編
竹ヶ原敏之介氏の監修によるSUTOR MANTELLASSI M.M.4です。陰影と華やかさのコントラストは、正に「甘い生活」や「8 1/2」のマストロヤンニのイメージそのもの! 国内では限定10足のみ販売。税込み29万7000円(GALLERY OF AUTHENTIC Tel03-5412-6908)
20世紀を代表するイタリアの名優マルチェロ・マストロヤンニがここに自らの足形を遺したのは1965年、つまり半世紀前のことです。彼がその時履いていたのはSUTOR MANTELLASSI(ストール・マンテラッシ)でオーダーした靴。
懐かしく思われる方もいらっしゃるでしょう。そうです、我が国でも1990年代末期から2000年代初めまで、クラシコイタリア的な装いが大好きな方の足下に欠かせなかった、特徴的なスクエアトウのあのブランドの靴で足形を遺したのです。
これを記念し、SUTOR MANTELLASSIでは今年、5組の世界的に著名なクリエイターに彼をイメージした靴のデザインを依頼し、それぞれ全世界50足限定で販売されるプロジェクト「M.M.」を実施しています。
ソックシートに書かれた「M.M.4」のモデル名が、この靴の特別な背景を物語ってくれています。因みにこのM.M.プロジェクトの靴に用いられる木型は、マルチェロ・マストロヤンニ本人がオーダーしたものを基にサイズ展開しています。
……と言うことで今回は、日本では神宮前にある彼のブランドの旗艦店GALLERY OF AUTHENTIC(ギャラリー・オブ・オーセンティック)だけで10足のみ限定販売される「M.M.4」を見て行きます!
凛々しくも「色気」を感じる一足!
ブラックカーフとブラッククロコダイルとのコンビ仕様が際立つ、竹ヶ原敏之介氏完全監修のSUTOR MANTELLASSI M.M.4。スタイル的には内羽根式のフルブローグのアレンジですが、側面にバルモラルスタイルを採用しているためか、華やかながら何となく古のドレスブーツ的なモノクロな印象も受けるのが特徴です。紳士靴の歴史を知り尽くしている彼だからこそ採り入れられるデザインと申せましょう。
「マストロヤンニと言えば自分にとっては、やっぱりフェデリコ・フェリーニが監督を務めたモノクロ映画の『8 1/2』や『甘い生活』でのイメージが真っ先に浮かぶのです。ゴージャスなのにモノトーンとか、毒一歩手前の華やかさと清廉さの同居とか…… そんな彼ならではのコントラストを意識して、全体観をまとめて行きました」(竹ヶ原氏)
革の選定だけを見ても、竹ヶ原氏のそんな言葉には非常に納得が行きます。
もちろん細かなデザインについても然り。例えば舌革の上端部やトウキャップのブローギング、それにつま先・甲の双方に施されたメダリオンにも、まるでだまし絵のようにマストロヤンニ氏のイニシャルである「M」の字が隠されていて、華やかな印象を一気に盛り立てています。一体何処にあるか、読者の皆さんお判りいただけますかな??
その一方で、輪郭を決めるブローギングそのものは全体的に細いピッチのもので、しかも端部にはギンピング(ギザギザ)を全く施していないためか、靴全体から盛り込み過ぎなゴテゴテとした印象は決して受けません。基本控え目ではあるけど、いざ光を放つと卒倒的なまでに美しい…… コントラストを軸にしたそんな絶妙なバランス感が、確かにこの靴の様々なところに垣間見えるのです。
メダリオンの華やかさを活かすべく、ブローギングは全体的に細く、しかも端部にギンピング(ギザギザ)を入れずに処理しています。華やかなクロコダイルと落ち着いたカーフとの絶妙な調和も、この靴の魅力の一つです。
とは言えここに至るまでは竹ヶ原氏も相当、奮闘したようですよ。
長くなりそうなので続きは、続編の記事で!
▼竹ヶ原氏のコメントを交え、この靴を産み出すまでの、彼の取り組みやアプローチについて深彫りします。
竹ヶ原敏之介氏監修、マンテラッシ限定モデル 思考編
【商品情報】
SUTOR MANTELLASSI M.M.4
アッパー: 黒カーフ*黒クロコダイル
ソール:レザーソール
サイズ:6 1/2~9 1/2 ハーフサイズ毎に用意
(日本サイズでは約25.0~28.0 0.5サイズ毎に用意)
製法:グッドイヤー・ウェルテッド
価格:税込み29万7000円(27万5000円+税)
足数:国内限定10足(GALLERY OF AUTHENTICのみで取り扱い)
【問い合わせ先】
GALLERY OF AUTHENTIC
住所:東京都渋谷区神宮前2-27-12
Tel:03-5412-6908
営業時間:12時~20時
定休日:水曜日