日本人はウードなどオリエンタル系が苦手!?
ここ数年、オリエンタルが世界的な香りのトレンドです。中でも注目を集めたのが、ウード(沈香)。そのものズバリの名前を冠した香りがお馴染みのブランドからもたくさん登場していました。たしかに、エキゾチックで魅惑的なオリエンタル系ですが、日本での人気は今ひとつ盛り上がりません。欧米をはじめ、アジアでも、アラブやインド、東南アジアといったところでは人気があります。とはいえ日本人はまだ、この手のむせかえるようなセクシーさを求めていないと考えるべきでしょうか。
華やかながらも清潔感のあるビジネスの香り
さて、そのような様子を鑑みて、日本人に好まれる香りで、2015年を代表する香りを挙げるとしたら、これらになるでしょう。まずは、「ポール・スチュアート」の「オード パルファン ソフィスティケーションです。こちらの新作は、2種類の既存品とともにスキンケアのパッケージリニューアルと同時に発表されたもので、フレッシュスパイシーな香り。
もともとビジネスシーンを想定して作られているので、清潔感のあふれる香りになっています。体はもちろん、ハンカチやティッシュペーパーに吹きかけてポケットに忍ばせておくなどの提案も、ほのかな香らせ方を好む日本人好み。
ポール・スチュアート オード パルファン ソフィスティケーション
ハーバルなトップノートから始まり、ナツメグやジンジャーのミドルが印象的。落ち着きと洗練のある都会的な香りはスーツに好相性。50ml 5000円
新時代の男らしさを表現したディオールの洗練
次に「ディオール」の約10年ぶりとなる、メンズの新作の「ソヴァージュ」も素晴らしい出来栄えでした。あのジョニー・デップがアイコンとして選ばれ、野生的な色気の中に知性も感じられるというミステリアスな二面性があります。こちらは、ぜひデートなどカジュアルなシーンで活用したい香り。もともと、ディオールには「オー ソバージュ」という名香があります。こちらはアラン・ドロンがアイコンで、ご存知の方も多いでしょう。今でも人気があり、メンズのフローラルの香りの元祖的存在です。
そちらと対比するとわかりやすいのですが、また時代は香りに男らしさを求めています。しかしそれは、わかりやすいマッチョイズムではなく、もっと知的で多面性のある深いもの。それが今回のソヴァージュにはよく表れていると思います。
ディオール ソヴァージュ オードゥ トワレ
サンショウのピリリとした香りが新しい男らしさを表現。60ml 1万円
さて、これで2015年の振り返りは終わり。2016年も1月1日から新しい男性用コスメが発売される予定です。益々盛況になってくるメンズ市場は、これからも目が離せません!