節税対策/経営者・個人事業主の節税対策

残り1ヶ月で個人事業主の税金を半減させる方法

前回に引き続き、今すぐできる年内滑り込みの節税対策をご紹介します。残り1ヶ月を切っても、まだまだあきらめてはいけません!

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

設備系節税対策~少額資産、生産性向上設備投資促進税制

年末までの決算対策、まだ間に合います!

年末までの決算対策、まだ間に合います!

決算対策は、余裕を持って取り組むに越したことはありませんが、ついつい遅れがちになってしまいます。そんな場合でも、残り1ヶ月もあれば十分節税対策の実行が可能です。今回は、そんな節税対策のあれこれをご紹介します。

青色申告の方については、白色申告にはない特例がいろいろと使えます。これをうまく活用しない手はありません。特例や優遇税制にはいろいろなものがありますが、大きく分けると、設備系と人材系に分かれます。

設備系の代表的なものは、少額減価償却資産の特例です。1単位当たり30万円未満の少額資産については、年間300万円を限度として、事業供用した年に全額償却できます。

そろそろ買い換えようかなと思っていたパソコン、もうすぐ壊れそうなプリンターなど、近いうちに買い換える予定だったものについて、利益が出ているなら前倒しで購入しておけば、今年の経費になります。

他には、「生産性向上設備投資促進税制」という優遇税制があります。工業会等が証明した最新モデルの機械などについて、即時償却や税額控除が適用できる制度です。

例えば、200万円の機械について、事前にメーカーを通じてこの税制の対象になることを確認した上で、年内に納品を受け、事業供用すれば、200万円の減価償却費又は20万円の税額控除(所得税額の20%が限度)のいずれかを適用できます(申告時には、工業会等の最新モデル証明書が必要)。

年内に事業供用すれば、代金の支払は来年になっても構いません。また、リース契約(所有権移転外)であっても税額控除の適用がありますので、資金負担なしに節税することも可能です。

人材系節税対策~雇用促進税制、所得拡大促進税制

人材系の優遇税制は、大きく2つあります。「雇用促進税制」と「所得拡大促進税制」です。大まかにいうと、社員を2人以上増やしたり、2%以上昇給した場合に税額控除の適用が受けられます。

「雇用促進税制」については、今年(H27年)の2月末までにハローワークに届出をした事業主が対象ですので、されていない方については、残念ながら今回は対象外です。届出をされた方については、今年中に雇用保険加入対象者を2人以上雇用(雇用者数20人以下の場合)すれば、新規雇用者1人当たり40万円の税額控除(所得税額の20%が限度)を受けることができます。

「所得拡大促進税制」については、事前申請不要ですので、要件を満たせば、今からでも適用可能です。具体的には、平成27年中に支払う人件費が対前々年比で102%以上、対前年比で100%超であれば、対前々年比に対する増加額の10%を税額控除(所得税額の20%が限度)として適用できる可能性があります。

あと少しで対前々年比102%以上が達成できるのであれば、今月に決算賞与などを支払うことなども選択肢の1つです。

節税対策の落とし穴~本末転倒にならないために

最後に注意点が2つあります。

1つは、節税対策に取りかかる前に、まずは正しい今年の決算予想を出すこと、これに注力して下さい、ということです。当たり前の話ですが、今現在の利益がいくらかがわからなければ、いくら節税していいかわかりません。

帳簿の処理が遅れているときにありがちな話ですが、急いで帳簿を仕上げて計算してみると、なんとびっくり多額の利益が出ているではありませんか!慌ててあれやこれやと節税対策を実行、これで大丈夫。しかし、よくよく落ち着いて計算してみると、実はそんなに利益は出ておらず、そもそも節税対策など必要なかった、ということが往々にしてあります。

もう1つは、「税金減って銭足らず」では、本末転倒だということです。節税対策の大半は、先に資金流出を伴うものです。節税すれば税金は減りますが、手許資金はもっと減ります。節税の誘惑に負けず、冷静に考え、計画的に実行することが大事です。

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