キッチンまわりは汚れにくく手入れが楽な素材を
熱・水・汚れに強い不燃壁材。撥油性能のある特殊シート仕上げなので、簡単に油汚れを拭き取ることが可能。 汚れやすいキッチンまわりに適する鏡面調壁材です。[グラビオLS石目・抽象柄] DAIKEN
調理や片付けなどの作業を行うキッチンの壁材は、水がはねたり、油や調味料などが飛んだり、他の居室の壁に比較して、過酷な状況におかれます。水や傷に強いことはもちろん、汚れにくく落ちやすい、掃除が楽な素材を選ぶことが基本でしょう。
主な素材は、キッチンパネル、タイル、ステンレスなど
キッチンのコンロまわりを中心に用いられる素材としては、キッチンパネル、タイルやステンレスなどが挙げられるでしょう。■キッチンパネル 多く取りいれられ商品バリエーションも豊富
キッチンパネルとは、加熱機器まわりの壁面に取り付けるパネル状の壁仕上材のこと。汚れがこびりつきにくく、汚れても落ちやすい加工が施され、水や熱に強く、油汚れにも強いのが特徴。目地も少ないのでお手入れが簡単なのもメリットでしょう。
表面の特別なコーティングにより、撥油、撥水機能が高まり、お手入れがしやすい。質感や色の異なるシリーズが揃う。[キッチンパネル サンウォーレ] LIXIL
商品としてのキッチンパネルには、不燃材にメラミン樹脂加工を施したもの、ステンレスやアルミなどの金属系、ホーローを用いたものなど、いくつかの種類があります。
メーカー独自にさまざまな工夫が施され、たとえば、特殊なコーティングを施して、撥油・撥水機能を高め、乾拭きでも汚れが落ちるもの、セラミックパネルに光触媒技術を加え、頑固な油汚れもひと拭きで落とすことができるものなどもみられます。
ステンレスを使ったキッチンパネルは、耐食性に優れ、熱に強く、お手入れもしやすいのが特徴。表面がガラス質のホーローのキッチンパネルは、水や汚れ、臭いが染み込まないのが魅力です。下地が金属なので、マグネットを使用できるのも便利でしょう。
キッチン空間のイメージも左右する壁素材は、インテリア性と機能性を検討して。 [ザ・クラッソ キッチンパネル シンプルホワイトN ] TOTO
従来のキッチンパネルは、ホワイト系のシンプルなタイプだけでしたが、最近ではさまざまなデザインがみられます。光沢のあるタイプやマットな風合いのものも。また、織物調のエンボスをあしらったタイプや凸凹の縞模様のあるもの、モザイク調のものなど、色柄が豊富になっているので、好みに合わせて選ぶことが可能でしょう。また、目地が少なくてすむ大判のキッチンパネルであれば、すっきりとした壁面が生まれるでしょう。
・システムキッチンの標準的な仕様に
メーカーや商品にもよりますが、キッチンパネルは多くのシステムキッチンの標準的なアイテムとなっている素材。商品シリーズごとに、いくつかのキッチンパネルが設定されており、基本的にはその中から選ぶことになります。こだわりがある場合は、あらかじめ、どのようなキッチンパネルが設定されているか、確認しておくことも大切でしょう。
波打ったレリーフと透明感ある釉薬が特徴。ナチュラルな素材感を感じさせる、カフェのようなインテリアに。 [デザインタイル スモ―キートーン] LIXIL
タイルは、水まわりの壁や床に用いる素材としてポピュラーなもの。防水性、防火性、耐摩耗性などに優れ、酸やアルカリなど薬品にも強いのが特徴です。汚れに強い目地材を用いれば、日々のお手入れもしやすいでしょう。デザインバリエーションも豊富で、好みに合わせコーディネートを楽しむことができるのも大きな魅力。最近では、カフェのような雰囲気のタイプや和を感じさせるような色柄、モザイクタイルなどを用いるプランもみられます。
■ステンレス モダンでクールな印象に
熱に強く、掃除がしやすいステンレスを素材として、壁面に用いるケースもみられます。ステンレスタイプのキッチンやレンジフードなどと合わせることで、プロの厨房のようなクールな雰囲気が生まれるでしょう。
キャビネット扉、ダイニングやリビングとのコーディネートにも配慮を
プランによっても異なりますが、キッチンは、ウォールキャビネットや食器棚などが配され、実際の壁面積は、さほど広くないケースも多いでしょう。素材や色柄を選ぶ際には、システムキッチンのキャビネット扉や床材などとのコーディネートに配慮することが大切です。また、最近では、キッチンとダイニング、リビング空間がひとつにつながった間取りも多くみられます。LDK空間全体のイメージも考慮して選ぶこと。多くみられるのは、白やアイボリー系などですが、空間のアクセントとして、個性的な色柄を選んで組み合わせてもいいでしょう。
硬度が高く、擦れや引っかきによる傷が付きにくいセラミック素材。汚れもつきにくい。 洗面やトイレの壁材にも。[ハイドロセラ・ウォール] TOTO
ショールームで確認を。空間展示なども参考に
キッチン空間は、火を扱う空間として、防火性能を持つ内装材で仕上げるなど、用いる内装材に制限が設けられています。戸建てやマンション、階数など建物やプランなどによっても異なるので、どのように内装制限が適用されるかの判断は、専門的な知識が必要でしょう。取り入れたい建材など、こだわりがある場合は、早めに設計担当者に相談することが大切です。いずれの素材を選ぶにしても、実際の素材は、ショールームで確認することが大切です。色や柄、性能やお手入れ方法などのチェックを。デザインに関しては、できる限り大きな見本で確認すると同時に、実際のキッチン空間の展示などのコーディネートも参考にするといいでしょう。
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