窓・サッシ・玄関ドア/窓・サッシの基礎知識と選び方

窓の外からの視線を上手に遮りプライバシーを守る方法

新築やリフォームのプランニングの際には、プライバシーの確保にも配慮したいもの。特に、窓の外からの視線を遮るために、建物の位置、窓の配置や形状などを検討する必要がありますし、場合によってはルーバーやシェードなどの目隠しも必要でしょう。ここでは、視線を遮るポイントや建材アイテムなどをピックアップしました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

住まいの配置や間取りと同時に、バランスよく窓プランを

新築やリフォームなどを進める中で、配慮したいポイントのひとつがプライバシーの確保。窓の外からの視線を遮ることができるように、道路付けや近隣建物などを考慮して、住まい全体の配置や形状、間取りの検討を。特に、窓のプランニングは充分に配慮する必要があるでしょう。

もちろん、窓計画は、プライバシーだけでなく、快適性にも関わるもの。明るい光を取り入れ、住まいに新鮮な風を通し、眺めを楽しむことはもちろん、熱の出入りを防ぐことなど、さまざまな役割や機能が求められます。それらと同時に、バランスよく、窓の外から室内を覗くことができないように工夫を。場合によってはルーバーやシェードなどの目隠しも必要になるかもしれません。部屋の使い方、日々の暮らし方をイメージしながら、検討することが大切でしょう。

道路に接する場合など、スリット窓を並べ、プライバシーを確保しつつ、光と風を取り入れても。 [ウインスター 横スリットFIX窓[単窓+連窓]]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

道路に接する場合など、スリット窓を並べ、プライバシーを確保しつつ、光と風を取り入れても。 [ウインスター 横スリットFIX窓[単窓+連窓]]  YKK AP 

窓の形状や配置、ガラスで視線を遮る

明るい開放感のある住まいを実現するために、できるだけ窓を多くとりたい、大きな窓を設けたい、と希望する方も多いでしょう。しかし、むやみに窓を設置しても、プライバシーが確保できなければ、いつもカーテンやブラインドを閉めておくことになり、暗く閉鎖的な空間になってしまう場合もあるものです。基本は、周辺環境と内部空間に適した窓を設けること。組み合わせるガラスによっても、プライバシー確保が可能になるケースもあります。

■高窓やスリットタイプの窓を配置する

一般的な掃き出し窓や腰高窓にこだわらず、天井近くの高い位置や床面近くの低い位置の窓を設ければ、外からの視線をずらすことが可能な場合も。視線を気にすることのないトップライトを取り入れてもいいでしょう。

また、最近では、小窓や細長いスリットタイプの商品バリエーションも豊富になってきているので、いくつかを並べて設置しても。窓枠の左右、もしくは上下の溝に沿って滑り出すタイプの窓サッシ(滑り出し窓)であれば、光や風を取り込むことができ、外観やインテリアのポイントともなるでしょう。
やさしい光を取り入れながら、視線をカット。きめ細やかな肌に仕上げた半透明のフロストガラス。undefined[エルスターS] LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

やさしい光を取り入れながら、視線をカット。きめ細やかな肌に仕上げた半透明のフロストガラス。 [エルスターS]  LIXIL

■型板ガラス(くもりガラス)を取り入れる
窓の内側で視線を遮る方法としては、カーテンやブラインドなどが一般的ですが、水まわりの小さめの窓やカーテンなどを取り付けにくい場所などでは、窓サッシに型板ガラスを組み合わせることで視線を遮ることが可能です。

型板ガラスとは、片面に型模様をつけた不透明なガラスのこと。代表的なのが「くもりガラス(不透明ガラス)」。洗面室やトイレ、ウォークインクロゼットなどで用いる、ルーバー(ジャロジー)窓や滑り出し窓などをくもりガラスとしておけば、明るさを確保しつつ、室内が見えることもないでしょう。ただし、室内の明るさや窓との距離などで、様子(シルエットなど)が分かってしまう場合もあるので、浴室などに取り入れる際は注意が必要です。

トイレや洗面室などの小窓には、型板ガラスをもちいても。簡単施工でリフォームしやすい商品。[マドリモ After 樹脂窓 たてすべり出し窓 外観YW]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

トイレや洗面室などの小窓には、型板ガラスをもちいても。簡単施工でリフォームしやすい商品。[マドリモ After 樹脂窓 たてすべり出し窓 外観YW]  YKK AP 

■ブラインド内蔵サッシを選んでも
2枚のガラス(複層ガラス)の間にブラインドを組み込んだタイプもみられます。ブラインドがガラスに密閉されているので、羽根の角度を調節をすることで光や視線をコントロール、湿気や油汚れなどの心配がないのもメリットです。浴室やキッチンなどに適しているでしょう。

窓の外側に目隠しアイテムを取り入れる

窓の配置や形状などでプライバーの確保が難しい場合は、窓の外側にルーバーやスクリーンを設置する方法も。リフォームでも設置しやすい後付けタイプの商品もみられます。

■ルーバー・ガラリを設置する
窓外にルーバーなどを設置し、視線を遮る。[多機能ルーバー アルミルーバー 上下分割可動タイプ 上部ルーバー作動 外観 H2]undefined YKK AP http://www.ykkap.co.jp/

窓外にルーバーなどを設置し、視線を遮る。[多機能ルーバー アルミルーバー 上下分割可動タイプ 上部ルーバー作動 外観 H2]  YKK AP 
 

窓サッシの外側に設けるルーバー(ガラリ)は、プライバシーの確保だけでなく防犯などを目的に、多くの商品が揃っています。従来の日本家屋でも、窓の外に板を並べたり、格子を設置するなど、光や風を通しつつ、視線を遮る手法はみられ、機能としては基本的には変わっていないでしょう。

最近では、アルミなどの金属系で構成された目隠し用のルーバーが商品として多くみられます。ルーバーが固定されたものだけでなく、目隠しと採光・通風、換気や日除けなどが可能なように、ルーバーの角度を調整できる可動タイプも。また、耐候性やと耐衝撃性を高めたルーバーと面格子の一体型のタイプなどもあるので、設置する場所に合わせて選ぶことができるでしょう。

■光を透す面材、シェードなどを用いる

外付けの商品には、光を透す面材を用いたタイプもみられます。衝撃に強く耐久性も優れ、光を透すポリカーボネートを取り入れたものであれば、暗くならず、プライバシーを守ることも可能でしょう。

また、比較的簡単に設置できるのがスクリーンやシェード。オーニングのようなキャンバス地を垂直に垂らしたり、窓上から床面に斜めに設置するなど、夏の日射しを遮るアイテムとして注目されているものですが、プライバシーを確保するために利用してもいいのではないでしょうか。

軒や庇にシェードを下すことで、視線を遮りつつ、快適な空間が実現する。[スタイルシェードundefined外観イメージ天井付けデッキ固定タイプ] LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

軒や庇にシェードを下すことで、視線を遮りつつ、快適な空間が実現する。[スタイルシェード 外観イメージ天井付けデッキ固定タイプ]  LIXIL

■窓シャッター・外付けのブラインドを取り入れる
窓シャッターには、全て閉めたときに窓をぴったりと覆うタイプ(クローズタイプ)、羽根の間に小さな穴を設けて通風や採光ができるタイプ(スリットタイプ)、羽根の開閉によって通風・採光の調整が可能なタイプ(ブラインドタイプ)があります。ブラインドタイプであれば、羽根の角度を調整することで、外からの視線を遮ってくれ、季節や時間に合わせて使用することもできるでしょう。

窓シャッターと近いタイプで、外付けのブラインドなどと呼ばれる商品もあります。採光や遮熱などに重視したタイプが揃っていますが、メーカーごとに特徴が異なるので、それぞれの機能をしっかりと確認することが大切です。

光や風を取り入れることができるシャッターを設置する方法も。[エアリスundefined内観undefinedシャイングレー/クリエラスクP]undefinedLIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

光や風を取り入れることができるシャッターを設置する方法も。[エアリス 内観 シャイングレー/クリエラスクP] LIXIL

塀やフェンス、手すりなどに工夫を施す

窓のすぐ外側に設置するアイテム以外でも、視線を遮る方法は考えられます。間取りや敷地形状などにもよりますが、たとえば、窓近くに視線を遮るような庭木を植えたり、塀やフェンスを設けてもいいでしょう。

最近のエクステリア建材には、格子状のデザインやスリット部材なども多くみられます。格子のサイズと間隔、形状などによって、視線を遮断しつつ、光や風を通すことが可能なので、フェンスのように用いたり、2階のベランダ・バルコニーの手すりなどに取り入れても。また、光を透すポリカーボネートを面材に用いたタイプもあり、外まわりのデザインに合わせて選ぶことができるでしょう。

視線を遮る必要性を感じるのは、暮らし始めてから、というケースも多いかもしれません。周辺環境や間取りなどによっても、カーテンなどインテリアで解決出来ること、窓外に設けたほうがいい場合など、それぞれでしょう。何かしら視線を遮るアイテムを検討する場合は、設置する場所の優先順位を明確にした上で、ショールームで実物を確認して選ぶことが大切です。


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