2018年お正月の歌舞伎情報をお届け!
さあ、お正月。華やかな芝居見物から新しい年を始めてみませんか。実は東京のお正月は、歌舞伎が目白押し!なんです。どこでやっているの? どんな特徴があるの? 私がご指南いたしましょう。お正月となると、どの劇場も門松、正月飾り、鏡餅などが飾られ、とても華やかです。特に初日、3が日あたりまでですと獅子舞が出たり、餅つきがあるところも。それでは順にご紹介していきましょう。
やっぱり王道。東銀座からスタートしたい!
<歌舞伎座>
年の初めの初芝居となれば、やはり歌舞伎座に行きたくなるというもの。東銀座駅を降り立てば、目の前にある木挽町広場から正月気分満載。記念写真を撮れるスポットには、着物姿の人が多く並んで、華やかな雰囲気を出しています。木挽町広場で記念写真を撮っておこう!
銀座に近い場所でもあり、その華やかさは他の追随を許しません。歌舞伎座前には門松が飾られ、きらびやかな正月飾りや鏡餅などがロビーを彩ります。
特に2018年の歌舞伎座は、高麗屋3代襲名披露というビッグイベントがあり、例年以上に盛り上がることは確実。3代襲名は37年ぶりの2回目とのこと。3代で現役とはとても珍しくおめでたいことですし、同じ時代に居合わせた幸せをかみしめながら、ぜひその明るい話題にあやかりたいものです。
年改まりて清々し!
<歌舞伎座>
住所:東京都中央区銀座4-12-15
電話:03-3545-6800(代表)
最寄駅:東京メトロ日比谷線「東銀座」駅または都営地下鉄線浅草線「東銀座」駅
「菊五郎劇団」の通し狂言で、ストーリー性も演出も際立つ
<国立劇場>
お正月の国立劇場は、大劇場正面には酒樽、劇場内には、白とピンクの繭玉や、シャンデリアに負けじと吹き抜けロビーを飾る大凧や口上看板が目を引きます。また、初日3日は鏡開きや曲芸、囃子舞は、3日と4日に出て正月気分を盛り上げます。このほか1月の公演中行われるのは、役者たちによる手ぬぐいまき。出演者が舞台上から手ぬぐいをまいてくれます。ゲットできれば今年の運も上々ですね!国立劇場の新春歌舞伎の特徴は、毎年恒例で「尾上菊五郎劇団」の演目です。尾上菊五郎は、歌舞伎界きっての大物幹部。演目は、「通し」での復活狂言です。「古い演目で長い間上演されていなかった演目の久々の上演」と聞くと難しそうですが、さにあらず。老若男女を問わず楽しめますよ。
今時の若者がみても面白いように、構成を変え演出を考え、セリフを工夫し、ストーリー性も大立ち回りもある、新作といっていい非常にエンタメ性の高い演目が毎年上演されています。
「尾上菊五郎劇団」と銘打っているのはこの正月公演だけで、菊五郎自身の気合の入り方もどこかほかの公演とはちがうのではないでしょうか。
俳優は、尾上菊五郎、尾上菊之助、尾上松緑、中村時蔵、中村又五郎を中心として組まれます。若手では、今注目度ナンバーワンの尾上右近が毎年出ています。6代目尾上菊五郎のひ孫にあたるんですね。(当代尾上菊五郎は7代目)
2018年の演目は「通し狂言世界花小栗判官」です。初芝居らしい華やかな舞台が今年も期待できそうです。
<国立劇場>
住所:東京都千代田区隼町4-1
電話:03-3265-7411(代表)
最寄駅:東京メトロ半蔵門線「半蔵門」駅、または有楽町線・半蔵門線・南北線「永田町」駅
若手パワー炸裂!推しメンを探せ。お年玉もあり
<浅草公会堂>
若手の活躍がまぶしい昨今の歌舞伎界。「ワンピース歌舞伎を観て若手の歌舞伎役者に推しメンができたのに、なかなか見る機会に恵まれない」あるいは「推しメンを歌舞伎座を観に行ってもちょい役でしか出てこない」と不満に感じているあなたは、ぜひ浅草公会堂へ!ずらりと酒樽が並びました!
新春浅草歌舞伎は、大御所は出ず、若手ばかりで構成されています。歌舞伎界の若手は、歌舞伎座などではなかなか活躍する機会がないため、浅草歌舞伎は若手が活躍できる数少ない場でした。ですから昔は、空席が目立ち、自分たちの力のなさを痛感しつつ、普段ではもらえないような大きな役で自分の引き出しを増やすという場だったようです。
しかし昨今は「ワンピース歌舞伎」や、メディア出演などで若手の活躍も目覚ましく、浅草歌舞伎も人気は上々。毎年刷り上がるポスターもどんどんヒートアップ。
中村隼人、坂東巳之助、中村米吉、坂東新悟、中村歌昇といった人気役者がずらり! みな、生き生きはつらつと大きなお役に挑戦していて、観ていて気持ちがいいですよ。
(注)尾上右近クンは、国立劇場に出ていますので、右近ファンは間違えないように!
毎日日替わりで若手俳優の口上があるのもお楽しみ。「あけましておめでとうござりまする~」と若手俳優の年始ご挨拶があり、演目の見所などを親近感たっぷりに紹介してくれます。
2018年の演目は、昼の部が「義経千本桜」と「元禄忠臣蔵」。夜の部が「操り三番叟」「双蝶々曲輪日記から引窓」「京人形」など。比較的短めで、見やすい演目が多いのも初心者向きです。
新春浅草歌舞伎と浅草についてはこちらの記事もどうぞ!
正月だけのお楽しみ。浅草で歌舞伎と初詣を楽しもう!
観劇後は、もちろんすぐ近くの浅草寺に初詣で決まりですね!
浅草寺で初詣
住所:東京都台東区浅草1-38-6
電話:03-3844-7491
東京メトロ銀座線都営地下鉄浅草線・東武線・つくばエキスプレス「浅草」駅
海老さまファンのあなたはこちら
新橋演舞場
「ちょっとまって! いろいろ出てきたけれど、海老さまはどこなの? 海老さまを観たいのに!」と思っているあなた、お待たせいたしました。市川海老蔵は、毎年座頭となって新橋演舞場で公演を行っています。海老蔵のほか、がん治療から復帰した中村獅童、ワンピース歌舞伎の白ひげで存在感のある演技を見せた市川右團治などが座を盛り上げます。新作や昔話などをとりあげて新作にし、歌舞伎が初めての人でもわかりやすい演目が多いのが特徴です。
2018年は、「通し狂言日本むかし話」で海老蔵長女麗禾(れいか)ちゃんが東京では初お目見えするのが話題となっています。
<新橋演舞場>
住所:東京都中央区銀座6-18-2
電話:03-3541-2600(代表)
最寄駅:東京メトロ日比谷線「東銀座」駅または都営地下鉄浅草線「東銀座」駅または都営地下鉄大江戸線「築地市場」駅
もうチケットが取れない!? 完売してしまったら……
よっしゃ~!ではお正月に行ってみよう!と思ってチケットを取ろうとしたときはすでに遅し。完売になっている劇場も。でもがっかりしないで。一度売り切れになっていても戻り券があって、前日当日にまた空席になっていることも多いのです。マメにチケットサイト「チケットWeb松竹」をチェックしておきましょう。
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それでは歌舞伎で楽しいお正月を過ごしましょう!