60代前半では7割が働いている
50代に入ると、60歳定年はもう目の前。老後資金の準備が心もとない人は焦ってしまいますね。すでに60歳以降も勤務先の継続雇用などで働く覚悟をしている方もいるかもしれません。現実にはどのような選択がされているのでしょうか?
何歳まで働く……? 60歳を過ぎても働く人は年々増えている
男女合わせた全体では60代前半の人の約7割が働いていることに。この数字、どう思いますか?
60歳を過ぎても働く人の増加は、高年齢者雇用安定法の改正(2006年施行)の影響もあるようです。65歳までの定年の引き上げ、継続雇用制度の導入、定年制の廃止のいずれかを選んで実施することが企業に義務付けられました。背景には、公的年金の受給開始年齢が65歳に引き上げられたこと、少子高齢化による労働力の不足があります。
さらなる改正により2021年4月からは、70歳までの定年引き上げや継続雇用制度の導入などが企業の努力義務となりました。
65歳になれば公的年金を受け取ることができますが、60代後半も働いている人はどれくらいいるのでしょうか?
60代後半も5割が働いている
さきほどの労働力調査(2020年平均)によれば、65~69歳の就業率は男性では60.0%。10人のうち6人は働いています。10年前(2010年)は46.8%ですから増加しています。一方、女性は39.9%。10人のうち約4人。10年前(2010年)は26.9%ですからやはり増加しています。男女合わせた全体では60代後半の人の約5割が働いています。この数字を多いと思うか少ないと思うか、60歳以降も働くことをどう考えるかは人によりかなり違うのではないでしょうか。
- 働ける間は働きたい
- 働きたくないけど、お金がないから働くしかない
- 仕事にやりがいを感じる
- 60歳過ぎたら働かずにノンビリしたい
- 現役時代にできなかった趣味を楽しみたい……
実際のところ、周りを見回してみても、今の60代は、見た目も感覚も若い! 引退するのはもったいないというのが実感です。
60歳以降も、自分のこれまでの経験や得意分野を生かして働くことができれば、家計運営の点では大きなメリットがあります。自営業者である私自身は70歳までは働く予定です。中には生涯現役を目指している人もいらっしゃることでしょう。
政策としても、70歳まで働ける環境づくりが進められています。企業には、社員の再就職の面倒を見たり、フリーランスや起業を選んだ人に業務委託したりすることが求められています。70歳まで働く時代はもう始まっているのかもしれません。
【参考データ】
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